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17.ワルージョ、魔族化



《ワルージョ視点》


 わたくしはワルージョ。ゲータ・ニィガの女王……。


 私は現在、窮地に立たされていた。

 国内を覆う結界。暴れる魔物と魔族。そして……シュブニグラス様とは連絡が付かない。


 結果どうなったかというと……。


「女王を出せぇ!」「出てこいワルージョぉ!」「どうなってんだ説明しろぉ!」


 城の外からは、国民たちの怒号が聞こえてくる。

 みな……私を責めている。


「どうしてなにもしてくれないんだ!?」「勇者様はどうなってる!?」「さっさとどうにかしろぉ!」


 ……誰も彼もが、国の最高責任者たる私に、責任を押しつけようとしてくる!

 わ、私は……私は悪くないのに……。


 魔族、魔物の暴走は、私の知らないことだし……!

 そりゃ、勇者が不在なのは私がシュブニグラス様の命令で、そうさせてたけども……。


「ワルージョ様! 大変です!」


 ……伝令係が部屋に入ってくる。

 もぉいやぁ~……。


「どうしたのよぉ……?」

「はっ! 邪神が現れたとのことです!」

「は……? な、なにそれ……邪神……?」


「はい。王都を中心とした四つの結界コロニー内にて、邪神が復活し、妖しげな儀式を行ってるとのことでした!」


 邪神!?

 妖しげな儀式ぃ!?


 何それ聞いてない! なによ邪神ってぇ!

(※↑ケースケのことです)


 魔の者たちが、どうしてぇ!? 私に牙をむくのぉ!?


「私は味方なのにぃ!」

「みかた……? どういうことですか?」


 はっ!

 し、しまった……! つい口を滑らせてしまった!?


「女王様……」


 伝令係が私に疑いの目を向けてくる!

 ま、まずい! すぐにごまかさないと……。


「もしかして……」

「なんのことですの!? 私は魔族となんて内通してないわ! 全然、ええ、これっぽっちもぉ!」


 すると……ああしまった!

 さらに疑念の色が、目の中に浮かんでいる!


 ど、どど、どうしましょう!!

 こ、こうなったら……! 早く処分しないとぉ!


「ちぇすとぉおおおおおおおおおおお!」


 私は風の魔法を使って伝令係の首をはねた!

 ははは! これで証拠隠滅よぉ!


 これでどうにかなったわぁ!


「どうした?」「何の騒ぎだ……?」「って、これはぁ!?」


 はぁ! ししししし、しまったぁ!

 今の騒ぎを聞きつけて、たくさんの人が集まってきた!


 ご、ごまかさないと……。


「あ、妖しげな……邪神が! 邪神が現れて……こいつを殺したの! 私は何も悪くないのよぉ!」


 だが、やってきた連中は私に疑念の目を向けるの!

 どうしてぇ!? ああ、どうしてぇ!


「呼んだかしら?」

「シュブニグラスさまぁ!」


 ジゴクニホトケとはこのことか!(異世界のことわざだって)

 シュブニグラス様が助けにきてくれたの!


「助けてシュブニグラス様ぁ! 魔のものたちが、勝手に暴れて……! しかも邪神まで……私ではどうしようもなくてぇ!」


 シュブニグラス様なら、なんとかしてくれる。

 今までだって、この人の言うとおり動いていたら、なんとかなったんだもの!


 このピンチだって、きっと!

 だって彼女は神……。


「はぁ……もう使えないわね、【これ】」

「は? え……? 何言って……?」


「あなた、用済みって言ったのよ」

「……………………………………は?」


 よ、用済み?

 いったい何を……?


「今までご苦労様。良い操り人形だったわ」

「え? え?」

「じゃあ……最後に、踊り狂って死んでもらおうかしら」


 ぱちん、とシュブニグラス様が指を鳴らす。

 ……時間が、停止する。体が動かなくなる。


 シュブニグラス様が近づいてきた。

 そして、その手にはウゾウゾとうごめく黒い虫……。


「あなたも、チャラオと同じ運命をたどってもらうわ」


 え?

 なに……え? チャラオと同じって……ま、ま、まさか!


「は、反転魔族に!?」

「そ♡」

「い、いぎゃぁああああああああああああああ! やだぁああああああああああああああああああああああああああ!」


 誰かぁ……!

 誰か助けてぇ! 死にたくない……! 反転魔族になったら、自分という存在は消えてしまう!


 この若く、美しい、ワルージョ様がこの世から消えてしまうのよぉ!


「誰か助けなさいよぉお! 誰かぁあああああああああああああああああ!」

「最後の最後まで、貴方は人に頼ることしかできないのね。可愛くて愚かな、お人形さん♡」


 ぱっ……とシュブニグラス様が手を離す。

 黒い虫が私の口の中に入ってきた……!


「おごごご! おぼおぉろおおおおおおおおおおおおおおおお!」


 あ、ああああああああああ!

 ゴキベキ!


 か、からだがぁああああああああ!


 ぐぎ、ばき、ごぼこぼ……!


「力がぁ……みなぎってきたぁああああああああああああああああああああああああ!」


 私は気づけば巨大化していた。

 黒い体を持つ、バケモノになってしまったわぁ!


 ああもぉお! 最悪さいこうな気分!

 私をこんな風にした原因を、ぐっちゃぐちゃにしてやりたいわ!


「では、倒しにいきなさい。勇者たちを」

「勇者ぁ……! そうだ……あいつら……あの四人! あいつらのせいで!」


「そう。特に鞄の勇者。あいつのせいで、あなたは永遠の美しさを失ってしまったのよ」

「あいつうぅううううううううううう! 鞄のガキぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」


 そうだ!

 すべてはあいつのせいだ!


 あいつが悪いんだぁ!

 そっかぁ! じゃあぶっ殺せば、全部元通りだねぇえええええええええええ!


「殺すぅ! カバンの勇者ぁ……! 殺してやるわぁああああああああああ!」

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