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26.色欲の魔王の力で、森再生

【☆★おしらせ★☆】


あとがきに、

とても大切なお知らせが書いてあります。


最後まで読んでくださると嬉しいです。



 僕は魔族をぶっ飛ばしたぞ!

 経験値もゲット!


『ケースケぇ~』


 黒いカバンが光ると、スペさんとカバンが分離する。


『あ、あれ……? 戻った……?』


 ヒキニートさんが驚いてる。若干引いてる。なんだろ?


高慢なる勇魔の鞄(プライド・バッグ)は、我と聖武具とが接続されてる時のみ、使えるのじゃ!』

『なるほど……高慢の魔王スペルヴィアとの合体が、使用条件なんだね』


 そういうこと。

 普段は勇魔のカバンってことで。


『それよりケースケよぉう~……おなか減ったのじゃ~』


 スペさんを僕は抱っこする。

 くぅ……とかわいらしい音がした。


 スペさん、すごく頑張ってくれた。

 戦闘アシストだけでなく、必殺の我ビームも。


 スペさんが居なかったら、あの魔族に勝てなかったろう。


「ごめんね、おなかすいたよね。疲れることさせちゃって、ごめんね」

『なーに言ってるんじゃい♡ ケースケのためなら、いつだって力かすぞ♡』

「スペさん……」


 きゅっ、と僕はふわふわモコモコの、愛おしい友達のことを抱きしめる。


『それより、おなかすいたのじゃ~♡ ケースケぇ~♡』

「えと、地球からの取り寄せでいい? 僕も結構疲れちゃってて……」


 いっぱい動いたからね。

 あの反転魔族も言っていたけど、僕自信の素の強さはまだまだ。


 僕の強さは、聖武具の力によるものが大きい。スキルを封じられると、僕はもろい。

 僕自身の強さを……もっと身につけないと!

(※↑素で魔族と同等、聖武具を使うとそれを遙か凌駕する、ようするに化け物です)


『取り寄せでいいのじゃー! 久しぶりに、おいしーものを頼むぞぉ!』


 と、そのときである。


「お姉さんもお姉さんも~♡」

「わ! ルクスリアさんっ?」


 カバンの口が開いて、エロ天使、ルクスリアお姉さんが出てきた!

 相変わらず、き、きわどいかっこう! えっちです!


 細長い革紐、体の局部しか隠してない!

 おっぱいとかぽろんって出てます!


 で、その上から白衣を着てるものだから……!

 エッチ警察がきちゃいます!


「あらまぁ、けーちゃんったらお姉さんのエロい格好に興奮してるの~♡ うふふ~♡ かわいい~♡」


 エロ天使さんが僕の横に移動してきて、つんつんと頬をつついてくる!

 

『こら痴女』


 スペさんが肩に乗って、う~! とうなる。


「あらスペちゃんどうしたの?」

『なれなれしくするなっ。我にも、ケースケにもっ』

「いーじゃないのぉ~♡ ねえ、仲良くしましょ~♡ の、ちゅ~♡」


 わ! ルクスリアさんが、ちゅ、ちゅーしてきたっ!


「スペさんガード!」


 僕はとっさにスペさんを持ち上げて、ルクスリアさんに突きつける。

 ぶちゅっ!


『ふぎゃああああ! ばっちぃ!』

「失礼しちゃうわね……って、あら? あらあら?」


 にまー、とルクスリアさんが面白いものを見つけた、子供みたいな笑みを浮かべる。


「けーちゃん、もしかして~。好きな娘とか、いるかんじ?」

「なっ!? な!? なぁ!?」


 ど、どうしてそんなことを!?

 急に!?


「図星か~♡ へぇ、どんな子かしら~? ん~?」

『これ、痴女。いじるのはやめるのじゃ。ケースケが嫌がってるのじゃ』


 スペさんが守ってくれる。

 でも、君も結構いじってくるよね……。


『で、なんじゃ痴女。出てきて』

「そうだった。けーちゃん、お片付けしなくていいの?」


 お片付け……?

 ルクスリアさんが、すっ……と何もなくなった荒野を指さす。


「ほらあれ、スペちゃんの【狼王魔閃光ファイナル・フラッシュ】のせいで、妖精郷アルフヘイムを含めて、帝国の領土が、結構吹っ飛んじゃったでしょ?」

「あ……そうだ……」


 狼王魔閃光ファイナル・フラッシュのせいで、帝国の大地を、傷つけてしまった。

 オタクさんに申し訳ない……!


「直さないと……。ルクスリアさん、お力借りてもいいですか?」


 色欲の魔王ルクスリアさんの、能力。

 夜王薬箱アスモデウス


 死者すら蘇生する、超回復術。

 

「そうねえ、夜王薬箱アスモデウスを使えば、森も土地も元通りね。で・も~♡ お姉さん、今ガス欠なのよね~」

「ガス欠?」


「そ。魔力が足りてないの。そこの子犬ちゃんと同様、力を使うと魔力が減っちゃうのよねーん」


 なるほど……。

 じゃあ魔力を補充しないとだ。


『ルクスリアよ。おぬし……あんなちんけな回復術1度で、ガス欠になるなんて、おかしくないかの?』


 あ、夜王薬箱アスモデウスって、ちんけな回復術なんだ。

(※↑蘇生術は古代魔法の一つであり、現代では失われた超高等魔法です。決してちんけな回復術ではありません)


「仕方ないわ。お姉さんの本体、今修復中だもの」

「え、どういうことです……?」


 初耳なんですけど?


「ほらお姉さん、虫に食われて、卵の中に入れられてたでしょ? で、大分虫に養分を持ってかれちゃったね。お姉さんの本体、だいぶダメージを負ってるのよ」

「修復って……具体的に何やってるんです?」


「けーちゃんのカバンの中で、寝転がってる感じ。ここは、すごく魔素マナが濃いから、ここに入っていれば体が徐々にだけど修復されていくと思うわん♡」


 なるほど……ルクスリアさん、万全の状態じゃないってことなんだ……。


「あれ、じゃあ目の前に居るルクスリアさんは、誰なんです?」

「分体よ。けーちゃんのスキル、救急■ファーストエイド・ボックスを媒介として、外に顕現してるのよ」


 前にもそんなこと言っていたね、そういえば。


「で、本題なんだけどぉ。分体のお姉さん、大きな力……具体的には、夜王薬箱アスモデウスを使うためには、魔力による補給が必要なの」

「なるほど……」


「ということで~♡ お姉さんにも、けーちゃんの美味しいやつ♡ ほしいなぁ~♡」


 ……ようするに、スペさん同様、ルクスリアさんも、力を使うとすぐにおなかすいちゃうみたい。

 ルクスリアさんにも、お世話になったし、ちゃんとお礼したいしね。


 取り出してあげよう。


「わかりました。ルクスリアどんなものが好きです?」

「そりゃ♡ 男の子のザー……」『それ以上はいけぬのじゃー!』


 スペさんが、ルクスリアさんの顔に張り付く。

 え?


 なに?


「ザー……なんだって?」

「だから男の子のスペ……」

「スペ?」

『やめろ! ケースケを汚すなぁ……!』


 汚す?

 ううん……どういうことなんだろう……?


「白くて濃いあれがだめとなるとぉ。そうねえ、お酒とかかなぁ~?」

「お酒ですか。わかりましたっ」

『けーすけっ。我は食いもんじゃ! 食いもんじゃらからなっ!』


 取り寄せカバンスキルを使って、僕はお酒と食べ物を取り出す!


「じゃーん、焼き鳥と、ビール~」

「ビール……? これが……?」


 銀色のやつ……! を取り出した僕。

 ルクスリアさんは、はて、と首をかしげる。


「あれ、こっちにビールってないんですか?」

「あるわよ。でもねえ~……うーん……正直微妙なのよね」

「と、いいますと?」


「まず、ぬるい。圧倒的にぬるいし。あとなんかただ苦いっていうか……正直あんまり好きじゃないわ。ワインの方が好きね」


 あら、じゃあ取り寄せ直した方がいいだろうか。

 しかし……。


『ふ……甘いの、痴女よ。地球の品物はな、やばいぞ。どれも……』

「ふーん……やばいのこれ?」

『ああ、飛ぶぞ……?』


 にやぁ……とスペさんが得意顔。

 確かに地球の品物を食べるっていう点において、スペさんの方がルクスリアさんより、先輩だもんね。


「まあいいわ。これ飲みたいんだけど、どうやってあけるの?」

「そこのタブをぷしゅっ、と開けるんです」


 僕が缶を開けるジェスチャーをする。

 銀色のやつを手に取ったルクスリアさんが、プルを開ける。


 プシュッ……!

 しゅわわ~~~~!


「?! な、なにこれ!? すごいわ……泡が……あふれ出てる!」


 ルクスリアさんが慌てて、ビールを一口。


「!?!?!?!?!?!?!!?!?」


 さっきまでの余裕のある笑みが一転……。

 ルクスリアさんが、目をむいていた。


「どうでしょう?」

「おいしぃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡」


 ルクスリアさんも、絶叫。


「なにこれありえないわ! こんな……冷たくて! しゅわしゅわで……しかも! 苦みのなかに、コクもある! え、え、え~~~!? なにこれ! こんなビール、生まれて初めて飲むわ~~~~~~~~~~~~~!」


 ごきゅっ、ごきゅっ、とルクスリアさんが喉を鳴らしながらビールを飲む。

 お姉さんぶった態度はどこへやら、ビールをがぶ飲みしていた。


『ふ……本性を現したようじゃな、痴女め……。さて、ケースケ、我のも早くぅ』

「はいはい。じゃあ加温スキルであっためますね」


 ちーん!


「はい、焼き鳥いっちょ上がり~」

『ぬほぉお! うまいのじゃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!』


 はぐはぐっ、とスペさんが手足を使って、器用に、焼き鳥を食べている。


『甘塩っぱいタレと、柔らかい鶏肉が、あうあう! うまいのじゃっ!』

「このビール最高~~~~~~~~~♡ 何杯でも飲めちゃう~~~~~~~♡」


 取り寄せた品物にも、僕の魔力が付与されてる。

 二人がすごい勢いで、魔力を回復させていた。


「これくらいでいいでしょう?」

『「もっとぉ~~~~~~~~!」』


 スペさんと、ルクスリアさんが、もっともっと! と僕におねだりする。


『ケースケ~。もう1本! もう1本ほしいのじゃ~♡』

「お姉さんにもビールもういっぱい! ね、ねぇちょぉだぁい♡ お姉さんに、苦くて美味しいやつ♡ もっとぉ~♡」


 まったくも~。

 魔王さんたち、食いしん坊過ぎるなぁ。


『啓介君、魔王を完全に餌付けしてる……これもう魔物使いっつーか、魔王使いだね……』


 ヒキニートさんがあきれていた。

 ややあって。


「それじゃ、夜王薬箱アスモデウス!」

「みんな元気にな~~~~~~~~~~~れっ♡」


 エロ天使が投げキッスをする。

 ズォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!


「おお! 荒野が一瞬にして、修復されていく! ビームの傷跡も、森も、全部元通りだっ!」


 ディートリヒさんが、再生した森を見て驚いてる。

 これでしょぼい回復術っていうんだから、本体のルクスリアさんが使う治癒は、どんなもんなんだろうなぁ。

(※↑荒野を森に変えてる時点で、伝説級の治癒魔法です)


「ふぅ、お姉さん疲れちゃったなぁ~。ってことで~♡ けーちゃん、ビールもーいっぱい♡ ね、ね、ねー?」

「はいはい。でもこれ取り寄せるのも、お金かかるってことは、頭に入れておいて飲んでくださいね」

「はーい♡ 大切にのみまーす♡」


 ルクスリアさんがビール美味しそうに飲んでいる。

 さて……と。


「これでミッションクリア……」

『む? 待つのじゃケースケよ。魔蟲じゃ』

「魔蟲?」


 すると……。


「ブブブブブ……!」「ギシギシギシッ!」「ブーンブーン……!」

「な!? なんだこの大量の魔蟲!?」


 魔蟲の群れが急にやってきたのだ。

 えー、もう終わりってときに、また戦闘~? だるいなぁ。


『待って。なんか、様子おかしくないかい?』


 と、ヒキニートさんが突っ込み。

 ん? 様子がおかしい……?


 虫たちは僕の前で、ぺたり、と平伏したのだ。

 おや?


『どうやら、みなケースケに服従しているようじゃな』

「服従って、言うこと聞くってこと? どうして?」

『そこの痴女が張り切りすぎたんじゃろ?』


 ビールぐびぐびしてるルクスリアさんに目をやる。


「ルクスリアさん、何かしたの?」

「ん~? 特に。あ、でもお姉さんって、サキュバスだから。その魔力をあびた魔蟲たち、みんなメロメロになっちゃったのかもね~」


 なるほど……

 夜王薬箱アスモデウスの効果で、森ごと消滅した魔蟲たちが、蘇生した。


 で、エロ天使の魔力で、みんなメロメロ状態ってことか……。

 ん? メロメロ状態? ってことは……。


「魔蟲たち、命令です! 帝国の人たちを、襲っちゃ……いけません! わかりましたか?」

「「「ぶぶぶぶっ!(OK)」」」


 よし、大丈夫そうだっ。


「ど、どういうことですか、勇者殿……?」


 困惑する、帝国の皇女に、僕は説明する。


妖精郷アルフヘイムって、たしか魔蟲のせいで、中に入れないんですよね?」


 って、オタクさんに聞いたことがある。


「僕が命令したので、これでもう、魔蟲を気にせず妖精郷アルフヘイムに入れるようになりました」

「っ!」


 じわ……とディートリヒさんが目に涙をためる。

 あれれ? なんで泣いてるんだろう?

(※妖精郷アルフヘイムには、高濃度の魔力結晶がとれる鉱床があった。しかし魔蟲のせいで、採取が上手くいっていなかった)


(※心優しい勇者は、帝国の利益のために、魔蟲たちを従わせた……とディートリヒは思ってます)


「ありがとう、勇者殿! 帝国の危機を救うだけでなく、帝国をさらなる繁栄に導いてくれるだなんて! ありがとう!」


 んん? 繁栄に導くようなこと、したっけ……?

 僕ただ、オタクさんが魔蟲に困ってるって聞いたから、オタクさんのために、虫たちに襲わないようにって命令しただけなんだけど……。


 ま、どうでもいいかっ! 

 ともあれ、妖精郷アルフヘイムでの出来事、これにて……終結! 

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― 新着の感想 ―
[一言] >(※↑素で魔族と同等、聖武具を使うとそれを遙か凌駕する、ようするに化け物です) あ、聖武具抜きでも十分以上に強くなってたのか。 反転魔族相手だと武具なしは危なかったみたいだけど。。
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