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【書籍化】カバンの勇者の異世界のんびり旅 ~実は「カバン」は何でも吸収できるし、日本から何でも取り寄せができるチート武器でした~  作者: 茨木野
第2部

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27/116

01.盗賊に襲われてる馬車を助ける

【★☆第2部、執筆決定のお知らせ☆★】


たくさんのポイントによる応援、

本当にありがとうございます!


おかげで、第2部を書くという決意が固まりました!

本日より、連載再開します!



「森、ぬけましたねー」


 昼下がり。

 大魔王スペさん・大勇者ミサカさんが封印されていたダンジョンを抜けた僕らは、【マカの大森林】ってところを西にむかって進んだ。


 歩くこと半日で、マカの大森林を抜けることができた次第。


「いや、さすがですね、大勇者様」


 僕の後ろから、冒険者三人組がついてくる。

 剣士のシーケンさん。このパーティのリーダーでもある。


七獄セブンス・フォールからこのマカの森を抜ける長旅を経ても、まるで疲れを感じさせないなんて。すごいです、さすが伝説の大勇者」


 うんうん、とシーケンさんがしたり顔でうなずいてる。


「僕が疲れないのは、聖武具、【勇者の靴】のおかげです」


 聖武具。

 勇者の固有ウェポンのこと。


 通常、召喚勇者には、ここへ来ると鑑定スキル、アイテムボックス、そして固有武装の聖武具が与えられる。


 僕の聖武具は……カバン。

 しかし僕は、勇者の遺体を収納することで、他の勇者の聖武具も使えるのだ。


 七獄セブンス・フォールで手に入れたものもあわせて、僕は9つの聖武具を所有してる。


 聖武具にはそれぞれ固有のスキル、派生スキルが存在する。

 勇者の靴には、固有スキル【ウォーキング】が備わっている。


 これを履いてれば、どれだけ歩いても疲れない、という代物。

 しかも歩くだけで聖武具に経験値が貯まり、レベルが上がっていく……というぶっ壊れスキルだ。


「ので、聖武具が凄いのであって、僕が凄いわけじゃないです。あと……大勇者ってことは、内密に。しぃ~」

「あ、そうでし……そうだったね、ケースケさま……くん」


 シーケンさんたちは、僕が、魔王を封印した伝説の大勇者、ミサカ・アイの生まれ変わりと思ってる。

 実際にはまったくそんな事実はないのだけど。


 いくら違うよって言っても、信じてもらえず、大勇者の転生した姿ってことになってる。はぁ~……困るなぁもぉ。


「つか、ケースケさんのおかげで、森をもの凄い速さで抜けられた。こっちのがすげえだろ」

「? どういうことですか、チビチックさん」


 ハーフフットの男、チビチックさん。職業は盗賊シーフ


「オレらのいた、マカの大森林は、通称【迷いの森】」

「迷いの森……」


「立ち入ったが最後、迷って出られないっていう、ヤバい森なんよ」


「へえ……あれ? でも一切迷いませんでしたよね?」

「ああ。ケースケさんから借りた、ミニマップのおかげでな」


 あ、そうだった。

 勇者の短剣の派生スキル、【ミニマップ】。


 周囲の詳細な地形が表示されるこのマップを、チビチックさんに貸してたんだった。


「こんな便利なマップが売ってたらなぁ~……はぁ」


 この世界の地図って、全部紙に書かれてる地図なんだよね。

 日本みたいに、カーナビやスマホナビみたいなものがないみたい。


 だから、ナビを作れたらきっと大金持ちになれるだろうな、と思った。

 

「いやそれよりも……うぷ……」


 パーティの魔法使いにして、エルフのエルシィさんが、吐きそうになりながら言う。


「ケースケ君……ちょっと、抑えて」

「? 抑えるって……なにをですか?」


「妖気」

「よーき……?」


 なんだろそれ……?


「なんかケースケ君、ダンジョンの扉をあけてから、怪しい気配が漂ってるのよ」


 怪しい、気配……。

 すると鞄から、ずぼっ、と子犬が顔を出す。


『魔力のことじゃ』

「あ、なんだ魔力か」


 魔法を使うタメの力、魔力。

 生物ならば誰もが、その体に魔力を宿してるんだって。


 で、僕の魔力が……妖気?


「どういうこと?」

『今、ケースケの中には、2種類の魔力が流れておるのじゃ』


「2種類の魔力……?」

『うむ、魔王と勇者、二つの魔力が……な。これは、通常ありえんことなのじゃ』


 ありえない?

 てか、いつの間に魔王の魔力が……?


『ケースケの中には最初、勇者……つまり人間の魔力があった。そこへ、聖武具が進化した際に、魔王……つまり、魔物の魔力も加わったのじゃ』


「それって、別ものなの」


『うむ。そもそも、人間が魔物の魔力を持つこと自体おかしい。そして、人と魔、二つの魔力を宿した存在など、前代未聞。それゆえ……エルフ女は怪しい気配、と呼んだのじゃな』


 なるほどねぇ~。

 しかしなんで、僕は魔王の魔力が流れてるんだろう……?


 僕の聖武具が、関係してるのかな?


「鑑定」


 勇者のスキル、鑑定。

 僕の目の前に、半透明の板が出現する。


・勇魔の鞄

→召喚勇者、七大魔王の力が付与された鞄。


固有スキル:蠅王宝箱(ベルゼビュート)


派生スキル:

魔物(ボックス)

魔法(ボックス)

救急ファーストエイド(ボックス)

魍魎イビル(ボックス)

聖■(アーク)


 いつの間にか、元々持っていた勇者の鞄から、勇魔の鞄に名前が変更されていた。


 そして、持っている固有スキル、派生スキルにも変化があった。


「固有スキル……蠅王宝箱ベルゼビュート。ねえ、スペさん。蠅王って……?」

『【七大魔王】が一人、【暴食のグーラ】のことじゃな』

「暴食の……グーラ……」


 僕らはてくてく歩きながら、会話する。(スペさんは頭に乗ってる)。


「七大魔王……ねえ、ちょいちょい聞くけど、なぁにそれ?」

『かつて存在した、強大な力を持った、七体の化け物のことじゃ。暴食、色欲、嫉妬、憤怒、強欲、怠惰……そして、高慢』


 なんだか、七つの大罪モチーフの、魔王ってことらしい。

 同格に扱われてるってことは……


「スペさんの……友達?」

『う~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ん』


 それは、【うん】なのか、【うーん】なのか。

 でも渋い顔してるし、でもでも違うとはハッキリ言わないし。


 微妙な関係なのかも。


『ともあれ、ケースケの鞄には、ケースケ本来の勇者の力に加えて、七大魔王が一人、【蠅王】こと【暴食のグーラ】の力が宿ってるのじゃ』


 なるほど……勇者と魔王の力がこもった鞄で、勇魔の鞄ってことかぁ……。

 ん……?


「なんで、暴食? スペさんって、高慢の魔王なんじゃないの?」


 僕はスペさんと、主従契約(従魔契約)を結んでいる。

 スペさんの、高慢の魔王の力が流れ込んでくる……なら、まあわからないでもない。


 でも、実際にこの鞄には高慢ではなく、暴食……。蠅王さんの力が付与されている。


『それは……知らん』

「スペさんでも知らないことあるんだ」


『わしはずっと、あのダンジョンに閉じ込められとったからな。外の常識には、疎いのじゃ』


 そういう意味では、スペさんも僕も、この世界について全くの無知って言ってもいい。

 知らないことだらけ。でも、恐いとは思わない。


 だって僕には、勇者さんたちからもらった聖武具、ミサカさんからもらった神眼、そして……。


『この先の旅、不安か?』

「ぜーんぜん。僕には、友達のスペさんがいるからねっ」


『クゥ~~~~~~~~~! 泣かせるでないぃ! うぉおんうぉおん!』


 スペさん、頭の上でめっちゃ泣いてる。うれし泣きしてた。


 と、そのときである。


『ぐしゅ……けーしゅけぇ~……魔力を感じ取ったのじゃぁ』


 スペさんには、周囲の魔力を感じ取る、魔力感知という力がある。


『どうやらこの街道を進んだ先で、複数の人間が、逃げる馬車を追いかけてるのじゃ』


 そんな詳細までわかるのか。

 魔力感知って……凄い技術だなぁ。


 こんな技術が当たり前に使われるんだもん、凄い世界だなぁ異世界(※←超高等テクなため、使える人間はいない)


 で、だ。

 馬車が何かに追われて逃げてる……か。


「あ、おいあれ、OTK(おたく)商会の馬車だぜ!」


 チビチックさんが、目を光らせながら言う。

 OTK(おたく)商会……! 襲われてるだってぇ!


盗賊シーフのスキル、遠見じゃな。視力を強化して、遠くを見る……って、ケースケ!?』


 僕は、かけだしていた。


「「「はやっ!!!!!!!!!」」」


 僕は黄昏の竜の皆さんを置き去りに、走り出してる。


『ちょ! ケースケどうしたんじゃ!?』

「だって、オタクさんのとこの商会の馬車が、襲われてるんでしょ?」


 OTK(おたく)商会。

 僕と一緒に召喚された勇者、【飯田オタク】さんがやってる商会なんだって。


 オタクさんは僕に唯一優しくしてくれた。

 そして、僕がハズレ聖武具を引いたとき、本気で心配してくれた。


 さらに、オタクさんは私財をなげうって、僕を捜索してくれていた。そんな、優しいオタクさんのことが、僕は好きだ。


 オタクさんの知り合いが困ってるんだ。助けないと、気が済まない!


 ほどなくして、止まっている、馬車が見えてきた。


「その周りに、馬に乗ってる複数の男達……あれは、なんだろう?」

『なんじゃか、見てくれがよくないし、盗賊ではないかの?』


 なるほど、粗末な鎧をきこんでるし、持ってる武器もバラバラ。

 盗賊かも知れない(※←ゲータ・ニィガ王国騎士団です)。


 盗賊(仮)は、OTK(おたく)商会の馬車を襲ってる。


「許せない! 成敗!」


 僕は助走をつけて、おもいっきり……ジャンプ!

 凄い勢いで、盗賊へとツッコむ!


「大人しく金を置いていきなぁ!」


 リーダー格っぽいデブのおっさんが、OTK(おたく)商会の人に言ってる。


「おっと、無駄な抵抗はやめておいたほうがいいぜ。おまえらも【王国の懐刀チャラオ】様の名前を知らないわけじゃ……ぶーーーーーーーーーーーー!」


 デブ男の後頭部に、僕がドロップキック!

 デブ男は、そのまま凄い勢いですっ飛んでいく!


「「「「チャラオ団長ぉおおおおおおおおおお!」」」」


 ん……?

 今あの人なんてよばれてた……?


 チャラオ……? チャラ男……? 異世界にも、パリピ的なやつがいるのかな。


「て、てって、てめえ! 何しやがる……!」


 僕が蹴っ飛ばしたデブ男が、起き上がる。


「このおれを誰だと思ってる!?」

「善良なる市民から、お金を奪おうとする、悪い盗賊にしか見えないですよ」


「盗賊だぁ……! 良いかよく聞け……おれは【王国の懐刀】にして【剣の鬼】! ちゃら……」

「長い」


 僕は鞄から、勇者の短剣を取り出し、


「縮地」


 聖武具のスキルを発動。

 一瞬で、デブ男の懐まで潜り込む。


「な……!」

「せい」

「速……避……無理……死……ぶびゃぁあああああああああ!」


 ばこーん!

 僕の放った短剣の一撃が、デブ男の腹にジャストミート。


 デブ男は野球ボールみたいに、カッ飛んでいった。


「「「チャラオ団長ぉおおおおおおおおおおおお!」」」


 盗賊達は、飛んでった団長とやらを追いかけていった。

 盗賊団の長だから、団長……か(※←王国騎士団団長です)。


 盗賊ってネット小説だと、だいたいたいしたことない強さしか持ってない。

 だからさっきのも、大して強いやつじゃないでしょ(※←王国最強)。

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― 新着の感想 ―
[一言] 盗賊ならちゃんととどめを刺して欲しいね。
[良い点] ヽ( ゜∀゜)ノ┌┛)`Д)・:∴ [気になる点] 胸糞BBA王妃の腹黒さがも〜魔神なみな気がする [一言] ドロップキックより、某団体所属レスラーの 反社制裁キックを所望します ヽ( ゜…
[気になる点] 七大罪なのに傲慢ではなくて高慢ですか
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