130.
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
「……静かすぎないですか?」
不安そうに辺りをキョロキョロと見回しながら、少女が呟いた。
半魔少女――リコだ。
人間と魔族のハーフである彼女は、今回の道案内役として同行させている。
「いつもなら、この辺りは下級魔族がウジャウジャ湧いて出てくるはずなのに……今日は一匹も見かけないなんて」
リコが怯えるように身を縮める。
ハーフである彼女は、魔族からも人間からも迫害される立場だ。
普段なら、この魔界のど真ん中を歩くなんて自殺行為に等しいのだろう。
「そりゃそうだよ。僕が『掃除』したからね」
「え?」
「さっきのキエリュウ……シソの一族が逃げ回って、噂を広めてるんだよ。『ヤバイ召喚者が来た』ってね」
僕は平然と答える。
野生動物や魔族は、危機察知能力が高い。
森の主とも言えるキエリュウ族の長が、無残な生首にされたのだ。
その恐怖は、瞬く間にこのエリア全域に伝染している。
「雑魚は本能で理解してるんだよ。今、僕の前に姿を現せば、問答無用で挽き肉にされるってことをね」
「ひっ……」
リコが顔を引きつらせて後ずさる。
「あ、安心しなよ。役に立つうちは殺さないし、僕に従うなら守ってあげるからさ」
「は、はいぃ……! 一生ついていきますぅ……!」
リコは涙目でコクコクと頷いた。
素直でよろしい。
隣を歩くルクスリアさんが、「貴方、魔王よりタチが悪いわね」と呆れた視線を送ってくるが、無視だ。
襲撃がないおかげで、道中は快適そのものだった。
道端の草むらがガサガサと揺れても、そこから飛び出してくる魔物はいない。
むしろ、僕の足音を聞いただけで、蜘蛛の子を散らすように気配が遠ざかっていく。
まるでモーゼの十戒だ。
僕が歩く道だけ、魔族の海が割れていく。
『平和なのはいいことだけどさぁ……完全に生態系の頂点に君臨しちゃってるじゃん』
ヒキニートさんがボソッと言う。
「効率的でいいじゃないか。いちいち羽虫を払う手間が省ける」
そんな軽口を叩きながら進むこと数時間。
鬱蒼とした森を抜けた先に、それはあった。
赤黒い空の下、切り立った断崖絶壁の上にそびえ立つ、巨大な城。
禍々しい魔力を放ち、周囲の空間さえも歪ませている魔界の中枢。
「あれが……魔族王の城……」
リコがゴクリと喉を鳴らす。
「正面から行くんですか? 警備兵がいっぱいいると思うけど……」
「関係ないよ」
僕はシソの生首が入ったカバンを軽く叩く。
手土産はある。
それに、道中の雑魚がこれだけビビっているのだ。城の兵士だって、僕の気配に気づいて震え上がっている頃だろう。
「ピンポンダッシュならぬ、正面突破といこうか」
僕はニヤリと笑い、魔王城へと続く一本道を堂々と歩き出した。
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