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【書籍化】カバンの勇者の異世界のんびり旅 ~実は「カバン」は何でも吸収できるし、日本から何でも取り寄せができるチート武器でした~  作者: 茨木野
第4部

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130/138

130.

【☆★おしらせ★☆】


あとがきに、

とても大切なお知らせが書いてあります。


最後まで読んでくださると嬉しいです。

「……静かすぎないですか?」


 不安そうに辺りをキョロキョロと見回しながら、少女が呟いた。

 半魔少女――リコだ。

 人間と魔族のハーフである彼女は、今回の道案内役として同行させている。


「いつもなら、この辺りは下級魔族がウジャウジャ湧いて出てくるはずなのに……今日は一匹も見かけないなんて」


 リコが怯えるように身を縮める。

 ハーフである彼女は、魔族からも人間からも迫害される立場だ。

 普段なら、この魔界のど真ん中を歩くなんて自殺行為に等しいのだろう。


「そりゃそうだよ。僕が『掃除』したからね」

「え?」

「さっきのキエリュウ……シソの一族が逃げ回って、噂を広めてるんだよ。『ヤバイ召喚者が来た』ってね」


 僕は平然と答える。

 野生動物や魔族は、危機察知能力が高い。

 森の主とも言えるキエリュウ族の長が、無残な生首にされたのだ。

 その恐怖は、瞬く間にこのエリア全域に伝染している。


「雑魚は本能で理解してるんだよ。今、僕の前に姿を現せば、問答無用で挽き肉にされるってことをね」

「ひっ……」


 リコが顔を引きつらせて後ずさる。


「あ、安心しなよ。役に立つうちは殺さないし、僕に従うなら守ってあげるからさ」

「は、はいぃ……! 一生ついていきますぅ……!」


 リコは涙目でコクコクと頷いた。

 素直でよろしい。

 隣を歩くルクスリアさんが、「貴方、魔王よりタチが悪いわね」と呆れた視線を送ってくるが、無視だ。


 襲撃がないおかげで、道中は快適そのものだった。

 道端の草むらがガサガサと揺れても、そこから飛び出してくる魔物はいない。

 むしろ、僕の足音を聞いただけで、蜘蛛の子を散らすように気配が遠ざかっていく。


 まるでモーゼの十戒だ。

 僕が歩く道だけ、魔族の海が割れていく。


『平和なのはいいことだけどさぁ……完全に生態系の頂点に君臨しちゃってるじゃん』


 ヒキニートさんがボソッと言う。


「効率的でいいじゃないか。いちいち羽虫を払う手間が省ける」


 そんな軽口を叩きながら進むこと数時間。

 鬱蒼とした森を抜けた先に、それはあった。


 赤黒い空の下、切り立った断崖絶壁の上にそびえ立つ、巨大な城。

 禍々しい魔力を放ち、周囲の空間さえも歪ませている魔界の中枢。


「あれが……魔族王の城……」


 リコがゴクリと喉を鳴らす。


「正面から行くんですか? 警備兵がいっぱいいると思うけど……」

「関係ないよ」


 僕はシソの生首が入ったカバンを軽く叩く。

 手土産はある。

 それに、道中の雑魚がこれだけビビっているのだ。城の兵士だって、僕の気配に気づいて震え上がっている頃だろう。


「ピンポンダッシュならぬ、正面突破といこうか」


 僕はニヤリと笑い、魔王城へと続く一本道を堂々と歩き出した。


【お知らせ】

※2/5(木)


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― 新着の感想 ―
>「効率的でいいじゃないか。いちいち羽虫を払う手間が省ける」 うーんこの傲慢発言。いやまあ相手が相手だからまだいいし、捨てられた勇者たちへの憐憫や助けたい情もあるんだろうけど。
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