126.やりすぎた結果、肝心なものを回収し忘れました
ということで、シソ・デ・キエリュウを、スペさんとの協力アタックによって、やっつけたぞー!
完全勝利だ!
「って、しまったー!」
僕は頭を抱えて絶叫する。
「何かミスったのかいっ!?」
ヒキニートさんがビクッと身を竦める。
「経験値もらうの、忘れてたー!」
さっきの攻撃で、シソは塵一つ残さず消滅してしまった。
つまり……カバンに収納して、経験値に変換するための「死体」がない!
「……焦って損した」
はぁぁぁ、と深い深いため息をつくヒキニートさん。
呆れ果てたように肩を落としている。
なにそのリアクション。どーでもいいって思ってない?
「重要でしょ、カバンのレベル上げること! そうすれば、死んだ廃棄勇者さんたち、直せるかもでしょ!?」
「あ、その目的覚えてたんだ」
廃棄勇者さんたち。
七獄――スペさんの居たダンジョンに、捨てられた勇者さんたちのことだ。
彼らはワルージョによって召喚された後、無能の烙印を押され、理不尽に捨てられていた。
そんな彼らが遺した聖武具のおかげで、僕は過酷な異世界での生活を、なんとか乗り越えることができたのだ。
あの暗い洞窟で触れた、冷たくも力強い武具の感触。
彼らへの感謝を、一時だって忘れたことはないっ!
「嘘こけ……。どうせ忘れてたくせに……」
ヒキニートさんがジト目で僕を見る。
失敬な。
「しまっちゃう? ねえ、しまっちゃうよ?」
僕はカバンの口をガバッと広げ、ヒキニートさんに詰め寄る。
暗黒の亜空間が、彼を招いている。
「ひいっ! カバンの悪魔ぁ……!」
ヒキニートさんが涙目で後ずさる。
冗談だよ。
……多分ね。
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