ブチギレ勇者
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
魔族を見つけたので、とりあえず悪即斬した。
そしたら、殺せなかった。
つまり、判定的に『悪い魔族』じゃあないみたいだ。
というわけで、その集落にいた魔族のリーダー的な人に、話を聞いてみることにした。
「話して」
「はいぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
「なんと素直な」
「そりゃみんな命が大事だからね……」
と、ヒキニートさん。わかる、命大事。
「で、何やってたの……?」
「……我らは逃げてきたのだ」
「誰から?」
「マゾキング様から」
魔族王ってやつから逃げてきたらしい。名前がすごいな。
「なして?」
「あいつは……あいつは! 魔族を殺し、その首を集めていたんだ!」
「なんだって……!」
魔族を殺して首を集めるだぁ……?
「なんて悪い奴だ……!」
「いや、君も同じ事してますやん……」
と、ヒキニートさん。ひどいっ。
「僕はただ悪い魔族をやっつけて経験値を稼いでるだけだもん! 罪もない魔族を殺し、首を取って愉悦に浸るようなマネはしないもん!」
「うーーーーーーーん……まあ、うーん……」
なんでヒキニートさん納得してくれないんだろ。不思議!
『で、マゾキングはなにゆえそんなことをしてるのじゃ?』
と、子犬スペさんが尋ねる。
魔族の長は震えながら答えた。
「我らの命を用いて、何やら大規模な儀式を行っておるのです」
「儀式……?」
「ええ。我ら魔族は儀式のためのイケニエにされているのです」
にゃるほど……。だから逃げてきたと。
「ん? ってことは、マゾキングは君らを追ってくる……?」
「はい……」
「なるほど……よし! じゃあ……君たちを保護します!」
「!?」
魔族達が目をむいてる。
「けーすけくん……」
ゆらり……とアイさんが近付いてくる。体からは……殺気的なものが溢れ出ていた。
「悪を許すの……?」
ごぉお……!
「ひぃいいい! アイちゃんからとんでもない殺気がぁ……!」
ズバババババババババ……!
「アイちゃんから吹き出した殺気が、刃となって周囲に吹き荒れてる!?」
『剣の達人は殺気ですら相手を斬ることができるのじゃ……さすがというべきか……』
「感心しないでよ! 止めて、けーすけくん!」
どうやらアイさん、僕が悪(魔族)を庇っていることに怒ってるようだ。
「違うよアイさん!」
「けーすけくん……あたし、けーすけくんを許せない……!」
スッ……とアイさんが手刀を構える。
すぱぁん!
「啓介君の腕が吹っ飛んだ!?」
『振り上げた手刀……それだけで腕を斬り飛ばしたのじゃろう』
「手刀を振り上げただけで!? 手刀で腕すっとばしてる時点でおかしいのに、振り下ろしてすらいないのに!?」
『うむ、剣の達人じゃからな』
「それ言ってれば何やっても許されるって思ってない!?」
すごいや、アイさん。
でも……僕は言う。
「アイさん落ち着いて」
落ちてる腕を拾って、僕は切断面に押しつける。
ぐちゅり。
ぐーぱー。よし、動く。
「何で動いてるんだよ!?」
『ケースケじゃからな』
「もはや理屈を考えるの放棄してない!?」
『人間じゃあないからの』
「あ、そっか」
なんか納得された。多分ルクスリアさんが治癒の術を使ったんだろう。
『おねえさん使ってないわよ……』
『無意識に取り込んだ魔王の力を使ってるのやもしれん』
僕は再びアイさんに近付く。
「話聞いて!」
「やだ! 悪に与するけーすけくんなんて許せない!」
アイさんが両手で手刀を作る。それだけで、僕の手足や首が吹っ飛ぶ。
「収納!」
吹っ飛んだパーツが、僕のカバンに吸い寄せられる。そんで……切断面にくっつく!
バチュンッ……!
「なんなのこの人外バトル!?」
『まあアイとケースケじゃしな……』
「説明放棄しないでってば!」
僕は斬撃の嵐を潜り抜け、アイさんに近付いて……抱きつく。
「はう……♡」
「アイさん落ち着いて。これはね……エサだから」
「エサ?」
「うん。マゾキングはそこの魔族を追ってきてるんでしょ? なら、こいつらをエサにすれば、巨悪が追いかけてきて……釣れる」
「!? そっか……こいつらは大きな魚を釣るための……悪なんだね!」
「ざっつらいと! だから……生かしてあげようよ? 改心しなかったら後でぶっ殺せばいいし」
「そっか……そーだね! じゃあ生かしてあげよう!」
ほぉ……良かった、アイさん暴れるのやめてくれて。
「良かったですね(にっこり)」
「…………」
「あれ? リーダーさん?」
魔族のリーダーさん、および一緒についてきてた魔族達が、泡を吹いて気を失っていた。あれれ?
「どうしたんだろう?」
「恐怖でやられたんでしょ……」
「!? まさかもう巨悪が迫ってきてるの!?」
わくわくする僕たち。
「もう君らだよ、巨悪……」
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