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【書籍化】カバンの勇者の異世界のんびり旅 ~実は「カバン」は何でも吸収できるし、日本から何でも取り寄せができるチート武器でした~  作者: 茨木野
第1部

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01.異世界召喚

【☆★おしらせ★☆】


あとがきに、

とても大切なお知らせが書いてあります。


最後まで読んでくださると嬉しいです。

僕の名前は【佐久平《さくだいら》 啓介《けいすけ》】。

 15歳。来年から高校生になる予定……だった。


「成功だ! 勇者様が異世界から召喚されたぞ!」


 僕がいるのは、なんか儀式場みたいなとこだった。

 床には魔法陣が書いてあった。そして僕の他に、日本人が3人いた。


「なんだこりゃ……?」

「どうなってるんでしょうか……?」

「ぬほほ! これってよくある、異世界召喚ものじゃあないでござるかぁ!?」


 僕と同じ日本人の彼らは、困惑してるようだ(一人興奮してたけど)。

 僕?


 僕は……ちょっとワクワクしていた。

 ついさっきまで、平凡な学生生活を送っていた。


 私立のちょっといい高校に合格したけど、僕には人より優れたものなんてない。

 勉強も、スポーツも並。顔もイケメンじゃない。


 そんな僕は、きっとこれからも平々凡々とした将来を送るんだろうって、軽く絶望した。

 そんなところに、異世界召喚! 


 しかも……勇者様!

 ちょっと、いやかなりワクワクしていた。


 姉が出版社に勤めてる関係で、僕んちには、たくさんのラノベやマンガがあった。

 そう……物語の主人公のように、僕も……華々しく活躍できる!


「勇者様……突然お呼びだてしてもうしわけないです」


 そう言って僕らの前に現れたのは、綺麗な女の人だった。

 うわ、胸がでかいっ。


 髪の毛もなんか、ギャルみたいに盛り盛りになってるし。

 あとなんか綺麗なドレスに身を包んでいる。


「あんた誰だ?」


 日本人のひとりが、尋ねる。


「わたくしはここゲータ・ニィガ王国の女王、【ワルージョ=フォン=ゲータ・ニィガ】と申します」


 女王!

 ってことは……。


「勇者さま、どうか我が国を、お救いくださいまし」


 ワルージョ女王が語ったところによると……。


・現在、魔王が世界を支配しようとしてる。

・対抗したが現地の人間では歯が立たない。

・そこで、異世界から勇者を召喚した。

・魔王を倒してほしい……。


「ええ……マジダルいんですけど」


 僕ら四人の中で、最もチャラそうな男が、そう言った(20代かな)。


「つかバイトの時間なんでぇ、帰してもらえませんかねぇ?」


 チャラ男さんが尋ねると、ワルージョ女王が首を横に振る。


「残念ですが、異世界から呼び出す手段はあれど、送り返す方法はないのです。神代の魔法を知ってる、魔王ならばあるいは……」


 なるほど。

 魔王なら帰る手段を知ってるかも知れない……か。


 これもテンプレだ!

 わ、わ、すごい……これから僕の異世界での冒険が始まるんだ!



「ちっ、しゃーねえ、魔王倒すしかないか」

「……そうですね」

「でゅふふふ! 燃えますなぁ!」


 と、他のお三方もやる気みたい。

 ちなみに僕も、最後のオタクっぽいひととおなじ意見だ。


 ワクワクしてるっ。


「では、勇者の皆さん。お名前を伺っても?」


 ワルージョ女王に言われ、僕らが答える。


「おれは【山田チャラオ】!」

「……僕は【上田シズカ】」

「でゅふふ! 拙者は【飯田オタク】!」


 山田さんに、上田さんに、飯田さん……か。


「えと、僕は【佐久平《さくだいら》 啓介】です。よろしくお願いします」

「でゅふふ! よろしくでござる佐久平《さくだいら》どのぉ!」


 オタクさんが笑顔で手を差し伸べてきた。

 わ、いい人……!


「ちっ、ガキかよ。戦力になるんですかぁー?」


 一方、チャラ男……もとい、チャラオさんは僕に否定的。

 そりゃそうだ。まだ中学生だもんね、僕だけ。


 チャラオさんたちは、みんな20代くらいにみえる。


「……で、これからぼくらはどうすればいいんですか?」


 シズカさんが女王に尋ねる。


「まずは【神器召喚】を行います」

「はぁ? なんだよその、【じんぎ】ってよぉ?」


 チャラオさん……相手女王さまなんだけど、そんな態度でいいのかなぁ。

 

「神器とは、勇者の皆様のみが扱える三種の神器のことです」

「さんしゅのじんぎ……?」


「アイテムボックス、鑑定スキル、そして……【聖武具】。以上3つが、勇者様に共通して与えられます」


・アイテムボックス→生物以外なら何でも入れられる箱。

・鑑定スキル→モノの情報を読み取ることができるスキル。

 

 ここまではわかる。

 ネット小説でよく見るし。


「……聖武具とは、なんですか?」


 シズカさんの問いに女王が答える。


「勇者様固有の武器でございます。弓や盾、剣などの形をしており、それぞれ強力な特殊能力を秘めております。ただ、勇者様は聖武具以外を装備できない縛りがあります」


 なるほど……。

 現地で買った武器や、他の人の聖武具は、装備できないんだ。


「でゅふ。はずれの聖武具を引いたら、大変ですな」


 たしかに。たとえばスコップとか、フォークとか。

 そういうのだったら、嫌だな。魔物と戦わないといけないわけだし。


「では、儀式を始めます」


 そう言って女王は、隣に控えていた神官らしきにオジさんに目を配らせる。

 オジさんはモニャモニャと呪文を唱えると……。


 カッ……!

 天上から4本の光が降り注いできた。


 僕らの目の前で、光が形を作っていく。

「おお! おれは剣だ!」


 チャラオさんの聖武具は、剣。


「……ぼくは、槍」


 シズカさんは槍。


「でゅふ! 拙者は弓でござる! これは助かる。前で戦うのは苦手でござるからなぁ!」


 オタクさんは弓か。

 さて……僕は……。


「って、え?」


 僕の聖武具は……とんでもない形をしていた。


「え? なにこれ……【カバン】……?」


 なんと、来春から通う予定の、アルピコ学園の【通学カバン】じゃないか!


「え、うそ……カバン……これが、僕の聖武具なわけぇ?」


 いや、いやいやいや!

 カバンって!


「ぎゃははは! カバンって! うけるぅ!」

「……それでどうやって、魔王と戦うんですか……」


 チャラオさんとシズカさんは、僕に侮蔑のまなざしを向けてきた。


「さ、佐久平《さくだいら》殿……いや、ケースケ殿! 諦めるのは早いでござるよ!」

「オタクさん……」


「聖武具には特殊能力があるのでしょう? なれば! きっとカバンには拙者達の想像を超えた、凄い能力が付与されてるはずでござる!」


 た、たしかに!

 そうだよね、見た目ではずれだって思っちゃだめだ!


「勇者様たちには、聖武具を手に取ったことで、鑑定とアイテムボックスのスキルが付与されております。それで、聖武具の性能をお確かめください」


 女王のいうとおり、僕は鑑定スキルを使う。

 使い方は、頭の中に流れ込んできていた。


 勇者の特権ってやつだろうか?


「【鑑定】!」


・勇者の鞄

固有スキル:■(ボックス)


「ぼ、■(ボックス)……?」


・■(ボックス)

→異空間に通じる箱


 ……。

 …………。

 ………………えっと。


「ぎゃはっはははは! まじうけるぅ! 異空間に通じる箱って! それってアイテムボックスじゃねえか!」


 た、たしかに……。

 アイテムボックスのスキルは、異空間にモノを収納するスキル……。


「……ぼくらに共通して、アイテムボックススキルはありますね」



 つまり、だ。

 鞄の神器の持つ能力は、アイテムボックススキルと、だぶってるって……こと?


「げ、元気をだすでござる! ケースケ殿! た、たしかに3つ中2つはだぶってる……けど! 鑑定とアイテムボックス、それだけで十分凄い力でござるよ!」

「オタクさん……」


 オタクさんは慰めてくれたけど……。


「はずれ乙ぅ!」

「……鞄の神器とか。利用価値ゼロですね」


 チャラオさんとシズカさんは、僕を馬鹿にしてきた。

 そりゃそうだよね……鞄って……。とほほ。


「……ちっ。外れか。……4人中3人いれば、まあいいでしょう。一人は廃棄ということで」


 ん?

 ワルージョ女王が、なにかつぶやいたぞ……?


 しかし鞄の聖武具って……。

 大丈夫かな、僕の異世界生活……?


【★☆おしらせ☆★」

※1/30(金)


新作、投稿しました!


ぜひ応援していただけますとうれしいです!

URLを貼っておきます!

よろしくお願いいたします!


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― 新着の感想 ―
群馬~長野?
スコップはシャベル系ならハズレじゃないからな!
なぜ召喚される側は、いつも「何もしていない」時なんだろうな。身寄りのない老人の介護中とか、赤ん坊の授乳中とか、あるいは最高にスッキリしてる排便の最中とか。召喚者が悪人という設定はあっても、生活がリアル…
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