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01.異世界召喚

短編好評につき、連載版スタートです!

短編の続きは3話から!

僕の名前は【佐久平さくだいら 啓介けいすけ】。

 15歳。来年から高校生になる予定……だった。


「成功だ! 勇者様が異世界から召喚されたぞ!」


 僕がいるのは、なんか儀式場みたいなとこだった。

 床には魔法陣が書いてあった。そして僕の他に、日本人が3人いた。


「なんだこりゃ……?」

「どうなってるんでしょうか……?」

「ぬほほ! これってよくある、異世界召喚ものじゃあないでござるかぁ!?」


 僕と同じ日本人の彼らは、困惑してるようだ(一人興奮してたけど)。

 僕?


 僕は……ちょっとワクワクしていた。

 ついさっきまで、平凡な学生生活を送っていた。


 私立のちょっといい高校に合格したけど、僕には人より優れたものなんてない。

 勉強も、スポーツも並。顔もイケメンじゃない。


 そんな僕は、きっとこれからも平々凡々とした将来を送るんだろうって、軽く絶望した。

 そんなところに、異世界召喚! 


 しかも……勇者様!

 ちょっと、いやかなりワクワクしていた。


 姉が出版社に勤めてる関係で、僕んちには、たくさんのラノベやマンガがあった。

 そう……物語の主人公のように、僕も……華々しく活躍できる!


「勇者様……突然お呼びだてしてもうしわけないです」


 そう言って僕らの前に現れたのは、綺麗な女の人だった。

 うわ、胸がでかいっ。


 髪の毛もなんか、ギャルみたいに盛り盛りになってるし。

 あとなんか綺麗なドレスに身を包んでいる。


「あんた誰だ?」


 日本人のひとりが、尋ねる。


「わたくしはここゲータ・ニィガ王国の女王、【ワルージョ=フォン=ゲータ・ニィガ】と申します」


 女王!

 ってことは……。


「勇者さま、どうか我が国を、お救いくださいまし」


 ワルージョ女王が語ったところによると……。


・現在、魔王が世界を支配しようとしてる。

・対抗したが現地の人間では歯が立たない。

・そこで、異世界から勇者を召喚した。

・魔王を倒してほしい……。


「ええ……マジダルいんですけど」


 僕ら四人の中で、最もチャラそうな男が、そう言った(20代かな)。


「つかバイトの時間なんでぇ、帰してもらえませんかねぇ?」


 チャラ男さんが尋ねると、ワルージョ女王が首を横に振る。


「残念ですが、異世界から呼び出す手段はあれど、送り返す方法はないのです。神代の魔法を知ってる、魔王ならばあるいは……」


 なるほど。

 魔王なら帰る手段を知ってるかも知れない……か。


 これもテンプレだ!

 わ、わ、すごい……これから僕の異世界での冒険が始まるんだ!



「ちっ、しゃーねえ、魔王倒すしかないか」

「……そうですね」

「でゅふふふ! 燃えますなぁ!」


 と、他のお三方もやる気みたい。

 ちなみに僕も、最後のオタクっぽいひととおなじ意見だ。


 ワクワクしてるっ。


「では、勇者の皆さん。お名前を伺っても?」


 ワルージョ女王に言われ、僕らが答える。


「おれは【山田チャラオ】!」

「……僕は【上田シズカ】」

「でゅふふ! 拙者は【飯田オタク】!」


 山田さんに、上田さんに、飯田さん……か。


「えと、僕は【佐久平さくだいら 啓介】です。よろしくお願いします」

「でゅふふ! よろしくでござる佐久平さくだいらどのぉ!」


 オタクさんが笑顔で手を差し伸べてきた。

 わ、いい人……!


「ちっ、ガキかよ。戦力になるんですかぁー?」


 一方、チャラ男……もとい、チャラオさんは僕に否定的。

 そりゃそうだ。まだ中学生だもんね、僕だけ。


 チャラオさんたちは、みんな20代くらいにみえる。


「……で、これからぼくらはどうすればいいんですか?」


 シズカさんが女王に尋ねる。


「まずは【神器召喚】を行います」

「はぁ? なんだよその、【じんぎ】ってよぉ?」


 チャラオさん……相手女王さまなんだけど、そんな態度でいいのかなぁ。

 

「神器とは、勇者の皆様のみが扱える三種の神器のことです」

「さんしゅのじんぎ……?」


「アイテムボックス、鑑定スキル、そして……【聖武具】。以上3つが、勇者様に共通して与えられます」


・アイテムボックス→生物以外なら何でも入れられる箱。

・鑑定スキル→モノの情報を読み取ることができるスキル。

 

 ここまではわかる。

 ネット小説でよく見るし。


「……聖武具とは、なんですか?」


 シズカさんの問いに女王が答える。


「勇者様固有の武器でございます。弓や盾、剣などの形をしており、それぞれ強力な特殊能力を秘めております。ただ、勇者様は聖武具以外を装備できない縛りがあります」


 なるほど……。

 現地で買った武器や、他の人の聖武具は、装備できないんだ。


「でゅふ。はずれの聖武具を引いたら、大変ですな」


 たしかに。たとえばスコップとか、フォークとか。

 そういうのだったら、嫌だな。魔物と戦わないといけないわけだし。


「では、儀式を始めます」


 そう言って女王は、隣に控えていた神官らしきにオジさんに目を配らせる。

 オジさんはモニャモニャと呪文を唱えると……。


 カッ……!

 天上から4本の光が降り注いできた。


 僕らの目の前で、光が形を作っていく。

「おお! おれは剣だ!」


 チャラオさんの聖武具は、剣。


「……ぼくは、槍」


 シズカさんは槍。


「でゅふ! 拙者は弓でござる! これは助かる。前で戦うのは苦手でござるからなぁ!」


 オタクさんは弓か。

 さて……僕は……。


「って、え?」


 僕の聖武具は……とんでもない形をしていた。


「え? なにこれ……【カバン】……?」


 なんと、来春から通う予定の、アルピコ学園の【通学カバン】じゃないか!


「え、うそ……カバン……これが、僕の聖武具なわけぇ?」


 いや、いやいやいや!

 カバンって!


「ぎゃははは! カバンって! うけるぅ!」

「……それでどうやって、魔王と戦うんですか……」


 チャラオさんとシズカさんは、僕に侮蔑のまなざしを向けてきた。


「さ、佐久平さくだいら殿……いや、ケースケ殿! 諦めるのは早いでござるよ!」

「オタクさん……」


「聖武具には特殊能力があるのでしょう? なれば! きっとカバンには拙者達の想像を超えた、凄い能力が付与されてるはずでござる!」


 た、たしかに!

 そうだよね、見た目ではずれだって思っちゃだめだ!


「勇者様たちには、聖武具を手に取ったことで、鑑定とアイテムボックスのスキルが付与されております。それで、聖武具の性能をお確かめください」


 女王のいうとおり、僕は鑑定スキルを使う。

 使い方は、頭の中に流れ込んできていた。


 勇者の特権ってやつだろうか?


「【鑑定】!」


・勇者の鞄

固有スキル:(ボックス)


「ぼ、(ボックス)……?」


(ボックス)

→異空間に通じる箱


 ……。

 …………。

 ………………えっと。


「ぎゃはっはははは! まじうけるぅ! 異空間に通じる箱って! それってアイテムボックスじゃねえか!」


 た、たしかに……。

 アイテムボックスのスキルは、異空間にモノを収納するスキル……。


「……ぼくらに共通して、アイテムボックススキルはありますね」



 つまり、だ。

 鞄の神器の持つ能力は、アイテムボックススキルと、だぶってるって……こと?


「げ、元気をだすでござる! ケースケ殿! た、たしかに3つ中2つはだぶってる……けど! 鑑定とアイテムボックス、それだけで十分凄い力でござるよ!」

「オタクさん……」


 オタクさんは慰めてくれたけど……。


「はずれ乙ぅ!」

「……鞄の神器とか。利用価値ゼロですね」


 チャラオさんとシズカさんは、僕を馬鹿にしてきた。

 そりゃそうだよね……鞄って……。とほほ。


「……ちっ。外れか。……4人中3人いれば、まあいいでしょう。一人は廃棄ということで」


 ん?

 ワルージョ女王が、なにかつぶやいたぞ……?


 しかし鞄の聖武具って……。

 大丈夫かな、僕の異世界生活……?

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― 新着の感想 ―
キャラの名前はもうちょっとひねりが欲しい。 もっと気になるのはキャラ設定。 女王とチャラ男とシズカの設定が浅い。 ざまぁ役とわかるけど、もう少し深みが欲しかった。
あかん。キャラの名前見ただけで、思い入れのない物語なんだなと印象を受けてしまい1話目にしてよめなくなってしまいました。
> 魔王倒すしかないか 「そうしたら、元の世界に戻る手段が永遠に失われるのでは?」とか 「魔王に元の世界に戻る方法について教えを乞わなきゃいけないのに、その人物を倒さなきゃいけないとか、詰んでね?」…
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