救出
久々の投稿です。間が空いてすみませんでした。
氷柱木の林から現れたトカゲの魔獣を撃退したルルル達。
ロンとココはルルル達が凶暴な魔獣を倒すだけの強さを持っている事に驚いていた。
彼らにとって魔獣とはただ避けるだけの存在であり、戦おうとなんて考えた事もなかった。
それは彼らの父親たちも同じで、狐獣人族は敵の存在を感知する能力のおかげで生き延びてくることができた。
「俺やココも兄ちゃん達みたいに魔獣を倒せるようになれるのかなぁ……」
ロンの口からふと漏れた言葉にササラが反応する。
「大丈夫~。ルルルといればいつの間にか強くなる~」
「なんだよ、ササラ。どんな理屈だよ」
「ルルルはそういう存在~」
何気ない2羽の会話にいつの間にかロンとココも笑みを浮かべる。
この2羽みたいになりたい。出会って間もないがそんな風に感じるのであった。
トカゲの魔獣を撃退し、少しの休憩を取った後、ルルル達は再び出発する事にした。
魔獣に襲われないように警戒しながら、氷柱木の中を進んで行く。
「ロンは魔獣の気配がわかるのか?」
ルルルは気になっていた事を尋ねる。ロンは自信なさそうに答える。
「さっき、初めて能力が働いたんだ。本当は大人にならないと尻尾の力は目覚めないんだけど……」
そんなロンを見てルルルは不安を和らげるように微笑んだ。
「そっか、とても良い能力だな。もし、魔獣の気配に気づいたら遠慮なく言ってくれよ。とても助かるよ」
「うん」
ルルルに認められたようで少し嬉しくなり思わず笑顔で返事をするロン。
「ロンが嬉しそう~」
そんなロンを見て羨ましそうに茶化すココ。
「ロンがデレはじめた~」
ササラもそれに乗っかってからかいはじめる。
「そんなんじゃないよ!もう!」
怒りながらも楽しいと感じてしまう気持ちに戸惑いながらもロンは歩いていった。
林の中を進み続け暫く経った頃。
ロンの尻尾が違和感を感じる。
「待って、ルルル兄ちゃん。少し先に何かがいる」
「魔獣の気配か?」
ルルルに問われて少し考え込むロン。
目を閉じて尻尾に意識を集中させる。
すると頭の中に周りの風景が映し出されていく。
まるで上空から現在地を見下ろすような感覚で周囲を観察する事ができる。
「あ、この先にトカゲの魔獣が何体か集まってる……。氷柱木が入り組んで生えていて穴のようになっている辺りに……」
ロンは途中で話を止めて何やら戸惑った様子で考えている。
「ロン?どしたの~」
不思議に思ったササラが尋ねるがロンからの返事はない。
暫く意識を集中させているロンが急に目をあけ、ココの方を向く。
「ココ!父さんがいる!」
「え!父さんが!」
その言葉を聞いて涙ぐみ呆然とするココ。
ロンはココの手を引っ張って走り出そうとする。
ココも最初はゆったりとした足取りだったが、だんだんと歩みを早めて走り始めた。
このままでは、魔獣の中に飛び込んでしまう。冷静さを失った二人をルルルが止める。
「待て!こんな時だからこそ冷静に状況を確認するぞ!少しずつ近づいて魔獣に気づかれないようにするんだ」
ルルルに注意され、冷静さを取り戻した二人は「ふぅ~」っと一息着くと真剣な眼差しでルルルを見つめた。
「ごめんなさい。どうかしてました。方角はあっちです」
そう言ってロンは右手を林の奥の方へ向けた。
ルルル達は身をかがめ姿勢を低くしながらゆっくりとロンの示す方角へと進んで行った。
氷柱木は次第に多くなってきて中には複雑に絡み合って生えてるような物もあった。
「ルルル兄ちゃん、あそこ!」
ココが指を刺した方を見ると、大きな氷柱木が何本も絡み合って立っている辺りにトカゲの魔獣が数匹集まっていた。
「ロン?あの氷柱木の中に君たちの父さんがいるの?」
ルルルが尋ねるとロンは少し暗い表情になりながら答える。
「はい……ただ、反応が薄くなってます。早く助けないと……」
その言葉を聞いてルルルは覚悟を決めた。両翼に魔力を込めて氷の刃を発生させる。
ササラもルルルの姿を見て魔力を翼に込め始めた。
「ササラ、いい?最初に俺が何匹か惹きつけるから、ササラは一匹ずつ確実に倒していって」
「りょ~かい、まかせて~」
簡単な打ち合わせだけをして2羽は魔獣の元へ走っていった。
ロンはココの手をしっかりと握りしめ、走り去る2羽を見送る。ココはロンの手を強く握り返し、祈るように目を閉じた。
読んでくださって有難うございます。
少しでも評価していただけると有難いです。
続きもマイペースにですが書いていきます。
懲りずに読んでいただけると幸いです。




