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ペンギンの転生者  作者: 北の国のルルル
旅立ち
38/58

強がり

ロドルとササラにリリを2日程、預けて欲しいと発言したルルル。

その言葉にロドルもササラも何の躊躇もなく快諾した。

一応リリ本人の確認をとるササラ。

「リリ~、ルルルに色々おしえてもらうチャンス~。がんばってね~」

ササラに頑張れと言われたら引き下がれないリリは、強がりながらも承諾した。

「ルルル!2日間、付き合ってあげるから、しっかり教えなさいよ!」


「いいね、やる気だね!リリ!さっそく周辺を探索しよう」

リリの強がりをやる気と勘違いしたルルル。

(こんなにやる気があるなら少しスパルタ育成しちゃおうかな♪)

そう思い、周囲の探索を持ち掛けた。

(は!このペンギンおかしいでしょ!魔獣が現れたらどうするのよ!)

対するリリはルルルの正気を疑う。しかし、ササラに恰好悪い所を見せたくない。


「いいわよ!足手まといにならないでよ!」

(はぁ~、言っちゃった……)

こうしてルルルとリリは峡谷を出て周辺の探索へと向かって行った。




ルルルの目的は魔獣の素材集めと短弓の実践。そしてリリへの指導だった。

リリは若いペンギン達のリーダーだ。見ていても彼らに慕われているのがわかる。

ルルルはそんなリリを戦闘の分野でもリーダー的存在に育て上げようと考えていた。


ルルル、ササラ、ロドルの3羽はパーティーとして実力もバランスも良い。

この3羽は探索や魔獣撃退の要となるため、どうしても他のペンギン達と別行動を取る事が多くなると考えていた。

では、若いペンギンへの指示は誰がとるのか?人望を考えるとリリしかいない。

しかし、今のリリには実力も戦闘での視野の広さも足りない。

「リリ、君は若いペンギン達に特に慕われている。リリさえ良ければ、戦闘においてもリーダー的な存在になってくれると村にとって良いと思うんだ」

峡谷を抜けてすぐにルルルがリリに話しかけた。

(ふん、わかってるじゃない)

「あなたに言われなくても、そのつもりよ!」

「そうか、良かった。じゃあ、この短弓を使ってみないか?まだ作った数も少ないし使い手を探してたんだ。これなら後方から攻撃出来て、冷静に指示も出せると思うんだよね」

軍隊なら弓だけの部隊を作ったり、水の刃だけの部隊を作ったりして大きな戦いをするかもしれない。でも今は戦争ではない。

少数同士の戦いで、指示を出すペンギンが近距離戦闘員だったり、魔力に集中しなきゃいけない立場だったりすると細かい指示が出せない。

そこで考えたのが弓だった。弓なら戦いに参加しながら全体を把握することができると考えた。

ルルル自身も狼との戦いで、ササラやロドルに細かい指示を出すことはできなかった。

最初の陣形指示だけ伝えて、後は彼らの機転の良さが上手く働いた結果の勝利だ。

ルルルは自分のパーティー以外で、その役割をリリにやってもらいたかったのだ。




リリは少し悩んだ。本当はササラのように「お手てカッター」の使い手になりたい。

しかし、自分には水の刃を上手く生み出す才能がない、と感じていたのだ。

そんな時に弓という新しい武器を使ってみないか?というルルルからの提案。

(どうしよう……)

「まぁ、実際に短弓の性能を見ないと判断できないよね。探索を続けて魔獣を探してみようよ」

リリが悩んでいるとルルルはそう言って先に歩いて行った。

(待ってよ~、先にいかないでよ。魔獣が出てきたら怖いじゃない)

ルルルに置いて行かれそうになり、リリは慌てて後をついて行った。


峡谷周辺の岩場を隠れながら進む2羽。

ルルルは慣れているのか魔獣から見つかりにくいルートを的確に歩いていく。

(判断力が早いわ。悔しいけど勉強になる……)

最初は単について行くだけのリリだった。しかし、徐々にルルルが何故この岩に隠れたのかなど意図がわかるようになっていった。

そして、ルルルは魔獣を見つけ、リリに翼を振って知らせる。


翼が指す方向を見ると前方に羊の魔獣が2頭、地面から逆さに生えた小さなつららを食べている。

リリは生きている魔獣を初めて見た。

羊の魔獣はリリよりもずっと身体が大きく、凶暴な目をしている。

「メェ~、メェ~」

羊の魔獣の鳴き声が響き、りリは恐怖で身を固くした。

(なんて凶暴な鳴き声なの、怖いわ……羊があんなに恐ろしい生き物だったなんて)

そんな羊の魔獣に対し、ルルルは恐れる様子もなく岩の陰から短弓を構え狼の牙で作った矢を解き放った。

「メェ~~~~!」

矢は魔獣の横腹に深く突き刺さる。羊の魔獣は苦しそうに泣き叫び苦しんでいた。

ルルルは更に短弓を構えて魔獣の横腹に矢をもう一つ打ち込んだ。

横腹に2つの矢を打ち込まれた魔獣は、そのままゆっくりと倒れて動かなくなった。

そして、魔獣の死を確認したルルルはそのまま走る。

もう一頭の魔獣が攻撃を仕掛ける前に翼から水の刃を作り出し、羊の魔獣の首を切り落とした。

血しぶきが飛び散り返り血を浴びたルルルは、リリの方へゆっくり振り返り、彼女に笑顔を向けた。

その瞬間、体中の血が逆流したかのような寒気を感じ、リリの体はガクガクと震えだした。


ルルルの戦闘は凄かった。リリにとって初めて見る魔獣との戦い。短弓はかなり優れたものだということ、はリリにも理解できた。 

しかし、何よりも恐ろしいのはルルル自身だった。

凶暴な魔獣をアジやイワシを狩るようにあっさりと殺し、魔獣の血を浴びながらにっこりと笑う。

(彼は本当にペンギンなのかしら……魔獣よりも恐ろしい存在だわ。絶対、彼に逆らってはいけないわ。)


読んでくださって有難うございます。

少しでも評価していただけると有難いです。

続きもマイペースにですが書いていきます。

懲りずに読んでいただけると幸いです。

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