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ペンギンの転生者  作者: 北の国のルルル
旅立ち
37/58

リリ

徹夜の作業に疲れ果て、気が付けば眠りについていたルルル。

目を覚ますと翌朝の早朝だった。


村のペンギン達に朝の挨拶をして回る。

「おはようございます、ガドル村長。昨日はずっと寝てたみたいで……すみませんでした」

「いえいえ、ルルル様。色々とお疲れでしょう。私の方こそあまり役に立てずに申し訳ないですよ」

村長はそういうが彼は村のペンギン達を見事にまとめ上げ、食事係や卵の世話、雛の見張りなどグループを統率している。


「ロク、ライ。おはよう。作業は進んでる?」

次はロクとライの様子を確認する。ロクの作業場の周りには、先を細く鋭く加工された狼の牙が並べられている。

「ルルルさん、頼まれていたもの、今ある材料分はできましたよ」

「おお!それはいいね。後で設置しにいこうよ」

ルルルとロクが楽しそうに会話しているとライが手に持った厚手の革の何かをルルルに持ってきた。

「……できた」

口数の少ないライだが自信ありそうな表情をしている。

「お、ライもできたんだ。見せて……」

ルルルがその物を手に取ると彼の予想以上に良い出来だった。

「ライ、これはいいよ!うん、この調子で材料のある限り作っていこう」

ルルルがそういうとライはにっこりと微笑み、恥ずかしそうに作業に戻っていく。


続いてルルルが向かったのはササラとロドルのところだった。

彼らは今、リリ達の訓練をしているらしい。ルルルは洞窟の外へと向かった。

「ルルル~、おはよ~。最近ルルル遊んでくれない~」

外へ出るとルルルの姿を見つけたササラが走り寄って来る。

「忙しかったんだよ。それより、訓練の調子はどう?」

「ん~、まぁまぁ~。狼には食べられちゃう~」

ちょっと不吉な言い方だけど、ササラのいうことは理解できる。


ササラの教えているペンギン達は魔力の使い方を中心に訓練しているようだった。

みんなが一列に並んで魔力を翼に込め、掛け声と共に水の刃を生み出している。


「お手てカッター!」「お手てカッター!」「お手てカッター!」


みんな真剣そのものだ。しかし、水の刃は翼が弧を描いた周辺だけにしか現れず、ササラのような威力のある刃は生み出せていない。

「うーん、ササラ達はかなり優秀だったからね」

とルルルは答えたが、おそらく加護のせいだろうと考えていた。

ルルルとの信頼関係により成長の加護の強さは変化する。

リリ達はまだルルルを信頼してはいない。むしろ嫌われている気がする……。


次はロドルの方へ向かう。

「ルルルさん、おはようございます。疲れはとれましたか?」

「おはよう、ロドル。こっちのみんなは短槍の練習かな?」

ロドルが教えているペンギン達は、みんな魔獣の骨を持っており、その先を尖らせて短槍のように扱っている。

しかし、こちらもロドルの様に魔力を短槍に宿すような技は出来ていないようだった。

「はい!俺が教えられるのはこれくらいですからね……そろそろルルルさんの手を借りないとダメかなぁ、って思ってました」

確かに今のまま基礎訓練をしているだけではダメかもしれない。


「ロドル、そろそろ実際に魔獣と戦ってみてはどうだろう?ライやロクにお願いしている物が完成したら、少しは安全に戦えると思うんだ」

ロドルは魔獣の恐ろしさを身をもって体験している。リリ達若いペンギンでは明らかに厳しい戦いになるだろう。

しかし、尊敬するルルルが言うからには何か策があるのだろうと思いその提案に応じた。

「わかりました。ルルルさんの言う通りにしてみます。いつ完成しそうですか?」

「そうだね、ロクの方はほとんど完成だから、ライの方を手伝ってもらって……2日後には準備するよ」

実際にライにお願いしていた物も1つは完成している。あと2つ完成できれば、戦闘がだいぶ楽になるだろうと思っていた。

「わかりました。何か準備しておく事はありますか?」

ロドルがそう聞かれて、ルルルはある考えを思いついた。

(ダメ元でやってみるかぁ……)

「ロドル、ササラ。リリを2日後まで俺に預けてくれない?」




リリはササラに憧れていた。ササラは普段やる気のない素振りをしているが、とても頭がいい。

泳ぎも魚を捕まえるのも上手だ。

村長や成鳥のペンギン達に対しても態度を変えず、言いたいことをハッキリ言う。


リリは他のペンギン達に気を使い、物事をハッキリと言えないペンギンだった。

そのせいで何度も辛い思いをしていたのだ。

ササラのようになりたい……そう思い努力した。

苦手だった泳ぎも練習して、若いペンギンの中では一番になった。

魚だってイワシ以外食べれなかったが、今ではアジもサンマも大好きだ。

ササラが得意なことをマネをして、少しでも彼女に近づこうとした。

そうやって努力するうちに自信もつき、他の若いペンギン達がリリを慕うようになってきた。

これも全てササラのおかげだ。


しかしちょっと前から、大好きなササラの近くには常にルルルがいる。

どこから流されてきたのか、昔の英雄の生まれ変りだか知らないが気に食わなかった。

(ササラ姉さんの隣にいるのは私だったのに!)

そんなルルルが、この洞窟に来てから毎日魔獣の革や骨をいじっている。

その間、リリはササラの指導を受け、魔力の訓練だ。

(ああ、幸せ~。姉さんと毎日訓練して楽しい~)

幸せな気持ちと反対に焦りもあった。魔力の扱いはリリには向いていない気がする。

努力しても他の若いペンギン達と同程度にしか身に付かなかった。

(姉さんに褒めてもらいたいのに~)

そんな時、ルルルとロドルの会話が聞こえてくる。


「ロドル、ササラ。リリを2日後まで俺に預けてくれない?」


(ええ~~~!!)


読んでくださって有難うございます。

少しでも評価していただけると有難いです。

続きもマイペースにですが書いていきます。

懲りずに読んでいただけると幸いです。

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