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ペンギンの転生者  作者: 北の国のルルル
旅立ち
30/58

メェ~

ルルル、ロドル、ササラのペンギン三羽は兎の魔獣を撃退したあとも慎重に進んで行く。

あの後にもう一度、兎の魔獣と遭遇したがイワシ陣形で苦も無く撃退できた。


やがて、前回の探索でルルルが狼と戦った場所へとたどり着いた。

「ここで狼の群れと遭遇したんだ。この辺が彼らの縄張りである事は間違いない。気を付けていこう」

他の二羽に注意を促し、洞窟を目指して進んで行く。彼らの顔には緊張感が漂っていた。




ルルルに重傷を負わされ、悔しい思いをいた狼の群れのボス。

彼はあの時から激しい憎しみを抱き、復讐を誓う日々を過ごしていた。

小さく貧弱そうなペンギンにいいようにあしらわれ、死の直前まで追い詰められた。

自分の優秀な配下も2頭殺され、撤退を命じていなければあのままでは全滅していたかもしれなかった。

身体に深い傷を負わされ屈辱を味わったが、魔獣特有の驚異的な回復力により再び走り回れるまでは回復した。

今すぐにでも、あのペンギンに復讐をしたい。あのペンギンをこの爪で切り裂き、牙で噛み砕きたい。

最近ではそう思いながら過ごしている。


彼は今日も洞窟周辺の縄張りを偵察していた。周りには4頭の配下が付き従っている。

そんな時、海側から冷たい風が吹き抜ける。

その風の中にあいつの匂いが混じっていた。あの憎いペンギンの匂いが……。

優秀な配下たちも、それに気づいていて牙をだし唸なっている。

「ガルルル……」

今すぐ向かって嚙み殺してやりたいが群れのボスとして冷静になる。

彼は配下の狼に命令をした。

「ウォン!」

配下の狼は彼の意図を理解し群れから離れていく。




そのころ、ルルル達は盆地内に入り込むための唯一の道である峡谷に近づいていた。

ルルルは前方にある細い道を指して2羽に告げる。

「あの崖に囲まれた細い道を少し進めば洞窟のある場所にいけるはずだ」

ロドルもササラも周囲を警戒しながら歩き続ける事にかなり疲労していたため、ルルルの言葉に少しほっとした表情をみせた。

だが、ルルルは全く油断していない。いつもそんな時に限ってピンチが訪れるからだ。


そう考えながら進んでいると遠くから小さな地響きが聞こえてくる。

何かの群れが押し寄せてくるような音。

「魔獣がくる!陣形サンマだ!」

足音から1頭や2頭ではないと判断したルルルは咄嗟に陣形の指示を2羽に伝えた。

「はい!」

「ええ~~」

ロドラは気持ちを切り替え元気の良い返事をする。ササラは嫌そうにしながらも指示通りの立ち位置に着く。

三羽は即座に戦闘準備を整えた。もちろん魔力の準備も万全である。


足音の正体が見えるところまでやってきた。

「メェ~~~、メェ~~、メェ~~」

水色のふわふわした毛皮に覆われている羊の魔獣の群れだった。何かに追われたように必死でこちらに向かってくる。

その時、ルルルは羊の群れの後ろにいる何かの影も発見した。

(あれは、狼?遠くてよく見えない)

その影は羊の群れから離れて立ち去って行った。

だが今は影の正体を考えている時間はない。

目の前では羊の群れとルルル達との間で、戦闘が繰り広げられようとしている。

「俺がナイフで数頭足止めする!残りが接近してきたら作戦通りに動くぞ!」

そう言って手にナイフを2つ持ち、羊の魔獣の接近を待つ。

今のルルルの技術では投げナイフの射程距離は10メートルほど、上手く投げても4回投げられる程度だ。

その内何本が足止めの役に立つのか……羊の魔獣はざっと数えても10頭近くいる。魔力の特性もわからなくどんな攻撃をしてくるか想像できない。

考えている間に最初の一頭が射程に入る。

(とにかく、今は戦うしかない!)


ルルルはナイフを羊の魔獣の先頭に向かって投げた。すぐに2頭目にも投げる。

皮袋からもう2本を取り出し、両手に持った。先頭の魔獣の頭にナイフが命中するが、固い骨によって深くは刺さらない。

2頭目は前足の太ももにナイフが刺さり、走る事が出来ずにその場で転がった。足止め成功だ。

3頭目、4投目にもナイフを投げる。足止めのために前足を狙った。


「ルルルさん、危ない!!」


4本目のナイフを投げ終わった後、目の前には最初の魔獣が迫っていた。

(しまった、ナイフを投げるのに集中し過ぎた……!)

ロドルが右後ろの位置から一歩前に出て短槍で戦闘の魔獣の胸を突き刺す。

魔獣は大きく首を振り、短い角でルルルを突き刺そうとする。それを水の刃で切り付け、黙らせた。

「ロドル、助かった」

「はい!集中しましょう!」

ロドルに危ない所を助けられた。彼も頼もしくなった、とルルルは感心するが、感傷に浸る間もなく次の魔獣が押し寄せてくる。

前方を確認すると3頭の魔獣が地に倒れている。3,4本目のナイフは足止めに役立ったようだ。

次々に押し寄せる羊の魔獣。ルルルは先頭に立ち、魔獣に射程2メートルの水の刃で先制攻撃をしかける。

しかし、ルルルの水の刃は殺傷能力があまり高くない。右後ろに控えたロドルが短槍で急所を狙い、弱った魔獣にトドメを刺す。

連携して2頭の魔獣を撃退したが、まだまだ押し寄せてくる。

前方から3頭の魔獣が同時に襲ってきた。

ルルルでは同時に3頭は対処できない。


「お手てカッター!」

左後ろに控えていたササラが貯め込んでいた魔力を解放する。

両手から魔力を解き放ったササラの前には、広範囲に6本の水の刃が軌跡を描き、3頭の魔獣を一撃で葬り去っていた。

「はぁ、はぁ。ちょっと、おやすみー」

「よくやった、ササラ」

ササラの魔力は非常に強力だしかし、両手の魔力を一気に使うと魔力消費は激しい。

少しだけ、後方に下がり安全な位置で魔力を回復させる。


これで8頭の魔獣の動きを封じた。

(あと、何頭だ?)

「メェ~、メェ~、メェエ~~~~~ギョギョギョギョギョ…………」

ルルルが魔獣の数を確認しようとした時、ナイフによって倒れている魔獣が鳴き始めた。

読んでくださって有難うございます。

★評価していただけると有難いです。

続きもマイペースにですが書いていきます。

懲りずに読んでいただけると幸いです。

今日は多くの話数を書き上げたので2話目を投稿します。

少しでも楽しんでいただけると嬉しいです。

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