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ペンギンの転生者  作者: 北の国のルルル
旅立ち
28/58

鍛練

この世界に転生して初めて家族のような温かさに触れたルルル。その夜は温かい気持ちのまま、ぐっすりと眠る事が出来た。


翌朝、ルルルは目覚めてからすぐ、村長の家の外に出て、近くの空き地で鍛練を行った。

短槍の連続突き、すぐに魔力での翼攻撃。

サイドステップからの強い一撃、振り返りながらの真後ろへの魔力の刃生成。

昨日の戦いで自分が使った攻撃方法をより早く、強く実戦に活かせるように技の精度を高めていた。


そんなルルルをロドルとササラはキラキラした瞳で見つめている。

「ルルルさん!凄いです!今の技?格好いいです。俺にも教えて欲しいです!」

一仕切り技をだし、休憩していたルルルに向かってロドラが駆け寄ってくる。

「ルルル、私にも教えてー、水のやつ覚えたいー」

ササラまでがそんな事を言ってきた。

(まさか、ササラまでそんな事を言ってくるなんて!いや、聞き間違いだろうな)

「え?ササラ。今、何て言ったの?」

ルルルはかなり驚愕し、聞き直した。

「だからー、わたしも覚えたいの!ルルルと狼やっつけるのー」

流石にその言葉を聞いたロドルもビックリして口を開けたまま固まっていた。


結局、ルルルは2羽に戦い方を教える事にした。

危険は伴うがこの先、多くの魔獣と戦う際にルルル1羽ではどうしようもない局面にぶち当たるだろう。

できるだけ多くの仲間と戦う事は必要になってくるはずだった。

ロドルには短槍を与え突きを教えた。

基本的な突きから連続突き。

両手での突きから片手に持ち替え、リーチを伸ばす小技まで。

自分が想像できる限りのパターンを教え訓練させた。

彼は優秀で物覚えが早い、経験を積めばすぐにルルルと対等に戦えるだろう。


ササラには魔力での攻撃方法を教えた。

教えようとしたがルルル自身も魔力をよく解っていない。

何となくの感覚で教えたら、多くの質問をされた。

「ルルルー、魔力って泳ぐときに使うやつでいーの?」

「うーん……多分そうだと思うよ。温かい流れみたいなやつだね」

「なるほどー。じゃ、こんな感じー?」

そう言うとササラは泳ぐマネをするように翼で空を掻いた。

すると、彼女の翼には水が纏う。しかし、ぽたぽたと地面にこぼれ落ちていく。

「ルルルー、あの水のやつはどうやって飛ばしてるのー?」

「えー……水流が高速でカッターみたいに飛んでいくイメージかな」

「カッターって何ー?」

「あ、カッターを知らないのかぁ……そうだね、魔獣の鋭い爪みたいに物を切り裂く道具の事をカッターって言うんだよ」

「へぇー、じゃあ。水のやつは手からカッターを出すんだねー」

そう言いながらササラは翼に魔力を込め、水を纏わせる。しかし、水は刃になる前に地面にこぼれ落ちていく。何度も失敗を繰り返していたが……。


「お手てカッター!」


ササラの振り下ろした翼から縦に三つ水の刃が現れ、獣が爪を振り下ろすように空を切り裂いた。

それは、明らかにルルルの水の刃より威力が高そうだった。

ルルルとロドルは唖然としながら刃を見つめていた。


「声に出しながらやったらできたよー。もう一回やってみるよー。お手てカッター!お手てカッター!」

今度は両方の翼を真上にあげてから一気に振り下ろした。

三本の水の刃が斜めに×を描くように交差する。

(あ……これはやばいな、威力ありすぎだろ!)


その日は2羽の鍛練に付き合い一日を終えた。

ササラの「お手てカッター」は凄い性能を見せたが、かなりの魔力を必要とするらしい。

あれから30分くらいは刃が発言せずに奇妙なかけ声だけが空き地に響いていた。

一方、ロドルの方は堅実に成長していった。

夕方になるころには狼と一対一なら良い勝負ができるところまでになっていた。


(二人とも成長が早いな。これも精霊の与えてくれた加護のおかげなのかな?)

原初の精霊から与えられた加護。それは信頼する仲間にも影響があるとのことだった。

今では弟や妹のように身近に感じてしまう2羽。

(信頼が彼らの成長の助けになっているなら嬉しいな)


その日から3羽の鍛練は数日続いた。

ロドルに短槍を与えたルルルは代わりの武器として、先日倒した狼の爪で12本の投げナイフを作った。

また、ササラの攻撃を見習って両手で水の刃を生み出せるように訓練もした。

ルルルの魔力の扱いは格段に上手になり、水の刃の射程は今までの1メートルから倍の2メートル先まで届くようになっていた。


ロドルも基本的な槍の使い方は上手になり、以前のルルルより扱いに長けているだろう。

ササラといえば相変わらず水の刃を繰り出す際には声を出さないと発動しない。

しかし、魔力の使い方に慣れ「お手てカッター」も連続で使えるようになっていた。


「ササラにロドル、聞いてくれ。俺は明日、探索に行こうと思ってる。もし良ければ2羽も一緒に行かないか?ただし、かなり危険だという事だけは覚悟してほしい」

ルルルは明日こそ洞窟の中を探索したいと思っていた。

しかし、前回の様に多くの魔獣と出会った場合、ルルルのみではかなり厳しい戦いになると感じていた。

ササラとロドラはかなり戦えるようになっている。危険ではあるが更なる成長のチャンスでもあると思っていた。

「ルルルさん!俺はもちろん行きます!強いペンギンになりたいんだ!」

ロドルはその意思をルルルに示した。

「ルルル、私はついてくよー、嫌って言ってもダメだからねー」

ササラもついてくるようだ。

「ありがとう。じゃあ、今日は早く寝て明日に備えよう。明日は早く起きるからな」

「はい!」

「ほーい」

明日は厳しい戦いが待っているだろう。三羽とも覚悟を決め、明日に備えて眠りについた。


読んでくださって有難うございます。

少しでも★評価していただけると有難いです。

続きもマイペースにですが書いていきます。

懲りずに読んでいただけると幸いです。

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