夜、会話
長老からの願いを辞退した夜、ルルルは村の空き家に滞在することになった。
この村への訪問し、村の伝承を聞くことができたことは彼にとってとても良いこととなった。
今後、自分がどう動いて行くかの指針にもなったのだ。
短い間だがエレンシアと共に過ごした旅も良い経験となった。
また、異世界にきて初めての友人を得るきっかけとなった。
共に危険を乗り越え、互いに命を救い合うような経験は前の世界でも経験したことなどない。
友達というものを越えた違う感情も芽生えている。
出来る事ならこの先の冒険でも彼女と共に進みたいくらいだ。
だが長老の願いを断ってしまった自分がいる。
エレンシアも長老と同じような考えをもっていただろう。
その期待に応えられなかったという罪悪感も感じていた。
長老との話の後、エレンシアに自分ことをしっかりと話せなかった。
それも後悔として心に残っていた。
「トン、トン、トン。」
そんな時、突如ドアから扉をノックする音が聞こえた。
ルルルが扉を開けるとエレンシアが恥ずかしそうに立っていた。
「ルルル、少し話があるですの。一緒に散歩しませんか?」
エレンシアの優しい声が静かな部屋に響いた。
「エレンシア、実は俺も君と話したいことがあったんだ。」
ルルルの言葉に互いが何かを決意してることが感じられた。
そして、彼らは言葉を交わさずに誰もいない静かな場所へと足を進める。
村の外れ峡谷沿いの断崖へとたどり着いた時、彼らは互いの思いをしっかり話そうと思っていた。
そんな2羽を夜空の星々が優しく照らしていた。
「エレンシア、実は俺は・・・・。」
全てを話してしまいたい衝動に駆られたが思いとどまる。
「湖に戻ってから精霊を探そうと思ってるんだ。理由はまだ言えないけど……その時が来たら、必ず君に伝えるよ。」
ルルルの声は決意と同時に微かな不安を含んでいた。
「それまで待っててくれるかな?」
彼は心の奥底からの願いを込めて尋ねる。
「もちろんですわ、ルルル。私はいつかあなたの支えになれるよう、もっと強くなりたいですの。あなたがどんな決断をしても私は共に進んでいきたいですわ。」
エレンシアの声は、決意と愛情に満ちていた。
「あなたの側にいられるように、努力し続けますの。私の方こそ待っていてください。」
その夜、2羽は互いに特別な存在であると心から認め合った。
互いに伝えたいこと全ては告げられなかった、しかし言葉にできないほどの深い絆が芽生えていた。
今はその確信だけで満足していた。
この静かな夜、星々の下で交わされた会話は彼らの未来に新たな光をもたらすことになるだろう。
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