伝承
長老の家の応接間にて椅子に腰をかけた3羽。
しばらく、沈黙が続いたが長老はゆっくりと静かに話し始めた。
「エレンシア……ルルル殿とはどういう関係なのじゃ?」
更に沈黙が訪れる。
ルルルは意味が分からなかった。
予想からあまりに外れた発言に頭が真っ白になっていた。
「長老!怒りますですわよ!悪ふざけはやめて下さいですの!」
エレンシアは顔を真っ赤にして怒っていた。
(ああ、びっくりしたぁ。冗談が好きなのか長老は・・・)
ルルルは変に納得した。
「ああ、すまぬのぉ…あまりにも緊張感が漂っていたのでの。ふぉっ、ふぉっ、ふぉ。」
「笑ってごまかすのはやめて下さいですの!もぅ……おじいちゃんは、これだからぁ…」
エレンシアは呆れていた。
「えと、まずはルルル殿、遠路のご来訪を心から感謝するのじゃ。そして、一つ聞くがそなたは本当に自分が英雄と呼ばれる事に疑問を感じているのかの?」
長老は現状を整理するようにルルルに尋ねた。
「はい、そうです。私は偶然あの湖に居ただけです。英雄と呼ばれる存在でもなければ力もありません。」
思ったままに答える。
「なるほどのぉ……では少し長くなるが村に伝わる話をしよう。」
「その昔、千年、五千年?いや……もっと前の事なのだろう程の昔の話じゃ。」
この世界には原初の湖という神聖な湖がありそこには多くの精霊が住んでいたそうだ。
彼らはこの世界の自然を調整し長い年月をかけ生命を作りあげた。
その生命は自然の変化や環境に応じて進化して様々な特徴を持つようになった。
強いもの、弱いが強いものから逃れる術に秀でたもの、非常に弱いが繁殖力は高いものなど。
様々な生き物が生まれゆっくりとゆっくりと子孫を残し進化していく。
ところが時が経つにつれ精霊たちに何故か争いが始まった。
まずは半数が原初の湖を離れ、比較的温かく進化の早い地域に移っていった。
後にその地域に人間という種族が誕生する。
更に時が立ち人間がその数を増やし始めると原初の湖に残っていた他の精霊も比較的温かい地域へ移っていった。後にその地域には魔獣が誕生する。
残った原初の湖の精霊も少しずつ数を減らしていった。
そして、魔獣が湖周辺にも現れ始めた頃。
この地域に獣人が現れたのだという。
それ以来、獣人族は魔獣から湖を守る事を役目とする習わしとなっていった。
原初の湖には結界が張られ、その守護者となる獣人族の長にはネックレスが与えらて結界に入る事ができる。そうやって定期的に精霊と会話をする事ができたのだという。
しかし、数の少ない原初の湖の精霊の力は弱まっていく。
獣人族も伴って加護を得られずに弱体化していった。
魔力を使うネックレスの使用に耐えられるだけの力を保有し、結界内を自由に行動できる獣人は稀になり、やがていなくなった。
そして長老は話を一旦区切り、ルルルを強く見据えて大きな声で話し始めた・・・・・・。
今日は3話投稿しました。
読んでくださって有難うございます。
少しでも評価していただけると有難いです。
続きもマイペースにですが書いていきます。
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懲りずに読んでいただけると幸いです。
また1話目から数話、少しだけ読みやすく手直しをしました。
ストーリーは変わっていません。
一応、報告いたします。




