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物語の主人公にはなれません〜魔力なしの令嬢に転生しましたが、なんとか踏ん張ります〜  作者: しーしび
6章 モブなのに実は聖女の知り合いです
58/112

9

それから数日後、式典の日がやってきた。

あれから、またしてもノアと話せていない。


それは、何度かノアが私を訪ねて来たが、私が避けたから。

ノアも後ろめたいのか、私が避けると追いかけてくることも無かった。


何度かもらった鍵を持って、ノアのところに訪れようかと悩んだけど、そう簡単に私は気持ちを切り替えれる人間でもなかったみたい。


「喧嘩でもしたの?」


コーラさんにそう言われるほど私の行動は不自然だったのかもしれない。


「別に」

「あなたっていつも何かを抱えてますわね」

「それをコーラさんがいいますか?」


私はコーラさんの態度に悩まされていた。

コーラさんが私に魔法を使って以来それは解消されたけど。

私の悩みの多くにコーラさんがいたことを忘れてしまっては困る。


私が信じられないと目を剥いていると、エンジェルボイスが投げかけられた。


「ミミ!お兄様のところ行こう!」


ティア皇女が私の腕を引っ張った。

私の勧めたデザインのドレスで身を包んだティア皇女は今日も愛らしい。


でも、やっぱり皇族が昔から贔屓にしている仕立て屋は質が違う。

私が頼むものより生地が格段にいいし、何より品がある。

同じような型でも何か違いがあるのかもしれない。


「殿下、勝手に行動されては困ります」


私がティア皇女に釣られそうになっていると、バーリードゥ侯爵夫人がストップをかけた。

ティア皇女はぷっくりと頬を膨らませる。

そんな顔も可愛い。


「殿下」

「…」

「ミンディさんの意思だってあるのです」

「ミミはティアが好きって言ってくれたもん」


何の話だ?

言ったけどさ。

にしても、ティア皇女が本当に可愛い。


「…わかったよ」


ティア皇女は最後にはバーリードゥ侯爵夫人の圧に負けたように呟いた。

その言い方がちょっとノアに似てる。


──いい加減、意地を張ってても仕方ないか…


こっちもやっと落ち着いてきた。

ノアの事だから、うまく話せなかっただけかもしれない。

誰にだって気分が良くない事はあるし、ノアにも何かあったんだと思う。


確かに、背中を押してくれたノアがあんな風にいうのはショックだった。

ノアが言ってくれるから私も頑張ろうと思えたのにと裏切られた気分だった。

だから、下手に意地を張ってしまった。


これは私が悪いと思う。

こんな関係でいたいわけじゃない。


ティア皇女のお世話を終わらせ、私はノアを探してみる。

マリッサさんという脅威はない今、遠慮なく行動できるのは嬉しい。


だけど、会場にノアの姿はない。

まだ来ていないのだろうか。


ワァアッ


すると、一部が少しざわついた。

つられて私は顔を向ける。


「聖女ですわね」


先に反応したコーラさんが呟く。


その通りで、人々の視線の先にはレイナと──ノアの姿があった。

レイナがノアにエスコートされて会場に入って来た。


結局、ノアのいう通り、レイナは帝国側で預かるという形に落ちついた。

おそらく今用意されている宮廷内の宮殿で住むことになるのだとか。

一通りの教育が始まっていると聞く。

聖女付きの奉公人団も集められていると何人かの令嬢が浮き足立たせていた。


帝国側はせっかく手に入れた聖女を見せびらかしたいのか、この式典に出席させるつもりらしい。


レイナの服装は、制服ではなく、式典に相応しいドレスになっていた。

聖女の服装を模したような服で、色は青みがかった白、普通のドレスよりも露出がなく、丈のあるケープが羽織られている。


この国の服を着ていても、レイナの可憐さはよく引き立っていた。

むしろ、ドレスの白さがレイナの無垢さを最大に引き立て、短い黒髪が清潔感と神秘さを醸し出している。


「まぁ、愛らしい方なのですわね」

「えぇ、異世界の方と聞いてどんな恐ろしい方かと思いましたけど…」

「あのノア卿と並んで引けを取らない方だなんて」


ノアとレイナの姿を見たご婦人方の話し声が耳に入る。

私はそれに同意したくなる。


同じように、きっちりとした服装に身を包んだノアの服も白に近いものでレイナとペアのように見える。

あの服は前回も着ていたものだからきっと合わせたわけではないと思う。


確かに2人はこの会場で、人々の目を釘付けにしてしまう美しさがある。


まだレイナはこの国の作法に不慣れなのか、動きにたどたどしさがあるものの、それも持ち前の可憐さで、愛嬌にも見えてくる。


──あーあ


この前ほど、後ろめたい気持ちは湧かないが、やっぱりもやっとするものはある。


──もうお世話したくないって言ってたくせに…


ちゃっかり一緒にいるじゃないか。

意地を張るのはやめようと思った矢先にこんなふうに考えている。


──うん、私もちゃんと聞かなきゃ理解できないタイプだ


ノアのことばかりを言ってられない。

言葉があるのはそのためだ。

私は少し反省した。


「やっぱり、ノアお兄様はダメ!」


すると横でティア皇女が怒ってますと言わんばかりに、頬を膨らました。


「ティア、とっても嬉しかったのに!」


ぷりぷりしながらティア皇女は言って、私の腕に抱きついた。

そして何かを決心したように私に顔を向ける。


「ミミ!ティアに任せてね!」

「え?」

「ね!」

「はい…」


押し切られて返事をしてしまったけど、何がだろう。



その私の疑問は解決しないうちに式典は始まってしまった。


人々の注目を集めたノアとレイナはお偉いさん方のいる場所にいた。


皇族がずらりと並ぶ光景は壮観。

威厳とか品格とかいろんなものが凝縮されたものがあった。

素晴らしいの一言に尽きる。


私はティア皇女の側でただじっとしていた。

でも、ノアとレイナは気になる。


──なんで、いちいち気にしてるの…


毎度毎度こうでは、疲れるだけだと分かっている。

そんな自分が何だか嫌だった。


その後、流れるように式典のメインが終わり、夜会にへ向かう事になった。

式が行われるのをじっと見ているのも中々に長い。

特に神官の動きは何故あんなにも遅いのかと常々思う。


「皆、今宵は楽しんでくれ」


皇帝陛下の簡単な挨拶が終わると、それぞれが夜会を楽しみ始めた。


「お兄様!お兄様!」


自由時間になり、ティア皇女が皇太子の元に駆け寄る。

何故かまたしても私は引っ張られていかれた。

ティア皇女に手を掴まれると、振り解けないよ。


「お兄様!ミミだよ!」

「ティア…、こんな場所で叫ぶなよ」


皇太子は呆れた顔でティア皇女を見つめる。

だけど、ひょいとティア皇女を持ち上げた。


「お姫様はそろそろお前は戻る時間だ」


そう言って、ティア皇女の鼻を摘んだ。


「分かってるよ。ティアね、ミミをお兄様に会わせたかったの」

「はいはい。少し落ち着いて」


皇太子はティア皇女を、バーリードゥ夫人にパスした。

そして、私に顔を向ける。


「初めまして、お話はかねがね聞いています」


皇太子は端正な顔で、型通りの綺麗な挨拶をする。

私も先にさせてしまったと、すぐに続ける。


「ありがたき幸せでございます。我が国の若き太陽にご挨拶を」


私が顔を上げれば、目の前にはノアよりも男らしい顔があった。

表現としては眉目秀麗が似合う顔立ちだけど、あくまで男として。

ノアのような芸術作品のような中性的な感じはない。


──何ですぐ、ノアと比べるんだ…


私はすぐにそんな思考になるのを不思議に思う。


「あのね!ミミはね!」


ティア皇女がたまらくなったようでバーリードゥ夫人の腕の中から仰け反って話し始めた。


「はいはい。ミミがすごいのはちゃんと分かっているから。お前はもう宮殿に戻れ、夫人、すまない」

「いいえ」

「お兄様、ミミをいじめちゃダメだよ?」

「しないさ」


ティア皇女は眠気を何とか堪えていたようで、目元を擦った。

皇太子は甘い笑いを皇女に向けて頷く。


「絶対だからね…」

「はいはい。もう行けよ」

「おやすみなさい」

「あぁ、おやすみ」


皇太子がティア皇女のおでこに軽く唇を落とす。

優しい兄妹の姿があった。


──どこも兄は妹に弱いのかな?


そう思いながら私もティア皇女と挨拶を交わして、別れた。


「ティアからいつもお話は聞いています」


皇太子はすぐに話題を振ってくれた。

どんな話をしたのだろうとちょっと不安になる。

私が苦笑いを返すばかりだ。


「ミミ嬢は、ノア兄上とお知り合いだとか」


それもティア皇女から聞いたのだろうか。

そして、多分、私の名前をミミだと勘違いしている。


「ノア様とは身分不相応ながら、親しくさせていただいております」

「その事を聞いて、私も貴方と話してみたかったのです。兄上は私の憧れで──」


皇族の血筋なのだろうか、好きなものを語る時の目はノアとティア皇女と同じものになる。

独特の水色の瞳は、奥まで透き通っているようで、その内側からも煌めきが湧き上がっているようだ。


「兄上は、確かにぼんやりとしていますが、学問では一度聞いたことは全て理解できるのです。…前日の夕食の内容はすぐに忘れる方ですが…」


皇太子は笑いながら話す。

それが理解できる分、私も吹き出してしまった。


「デネブレ公爵も、『あいつは小さい頃にいろんな場に連れて行ってやったが、全部忘れていて、甲斐がない』と仰っていました」

「公爵とも交流があるのですね!それならお話は合いそうだ」


皇太子はさらに嬉しそうに目尻に皺を寄せる。


──結構ノアの事を理解している人は多いんだ…


勝手に守ってあげなきゃとか思っていたけど、そうではない。

ノアはノアなりに必要な人ととはちゃんと関係を築けていた。

私なんかよりよっぽど人との関係がいいようにも思う。


しばらく皇太子と談笑していると、皇太子は少し気まずそうな顔をした。


「本来なら、ここでダンスでも誘うのがマナーでしょうが…少し話しすぎたようです」


皇太子は、私にだけ分かるように横目で周囲の状況を指す。

私もすぐ様理解した。


「お引き止めして申し訳ございません」

「いえ、こちらこそ、申し訳ない。とても楽しい時間でした」

「私には勿体ないお言葉です」

「また、ティアと食事でも」

「ありがたき幸せ」

「では」


私が深々と挨拶をすると、皇太子は私が顔を上げる前に去っていった。

私も少し緊張から解放されて、深呼吸をする。


「『魔力なし』が…」

「筆頭女官だからって…いい気になっているのですわ」


久々の嫌味が聞こえてくる。

不思議だ。

前も平気だったけど、以前よりも彼女たちの言葉が空っぽに思える。


──文句言ってるだけじゃ何も変わらない


彼女たちを見て思った。

私は前を向いた。


今なら、一番やるべきことがちゃんと分かる。


そう思っていると、女性にしては少し低い声が投げかけられた。


「ミミ」


どこか艶っぽさのあるその声に私はすぐに気づく。


「ヴェロニカ」


私は振り向くも、一歩下がって、ヴェロニカの足元に目をやる。

今日はエリザベスを服従させるアイテムがないため、警戒心を高めるも、ヴェロニカの足元には何もいない。


「あれ?エリザベスは?」


私は少し拍子抜けした声を出して問いかける。

すると、ヴェロニカは薔薇の香りがする髪を靡かせてけだるそうな吐息を吐く。


「式典に連れて行くだなんてって、お父様に取り上げられたわ」


それはそうだろうよ。

お偉いさんがいるこの場にワニは、ない。

ヴェロニカだって嫌がらせの一端だったくせに。


「そうそう、私、ミミに頼みたい事があったのよ」


ヴェロニカが扇を口元に置いて微笑む。

ゾッとした。

嫌な予感しかない。


「いやぁ~、最近は女官で忙しくてさ」

「あら、筆頭女官になれたって聞いたわよ?よかったわね。皇太子殿下とまで話せるようになって。私でもまだなのにね」

「そうなの。だから忙しくて──」


私が逃げようと、目をキョロキョロさせながら言った。

何か逃げ道はないだろうか。


すると、ヴェロニカは扇を私の顎につけ、持ち上げた。


「エリザベスの貸しがあるわよ……ね?」

「う゛ぅ…」


何も言い返せない。

確かに、エリザベスには貸しがある。


「それは、エリザベスに返すよ」

「あら、ミミ。あれだけ肉をあの子の目の前でちらつかせて、焦らしておいて、次に会って安全だとでも?」

「はぐっ…」


それは、否定できない。

ヴェロニカは流れが自分にあると確信して妖艶な笑みを見せる。

ノアと同じ歳の癖に、ヴェロニカは無駄に迫力がある。


「私が、エリザベスの主であることをお忘れ?場合によっては、あの子がミミに危害を与えないようにできるけど?」

「卑怯すぎる」

「貴方がしたことでしょ?」


ぐうの音も出ない。

仕方ない。私の命がかかっていては断ることも出来ない。


「分かった。何すればいいの?」

「あら、ありがとう」


自分からそうさせるように運んだくせに、ヴェロニカはわざとらしく驚いた顔をする。

いいように手のひらで転がされているのは間違いなし。


「簡単よ?」


構える私にヴェロニカはのんびりとした声を出す。

まるで野生動物を手名付けようとするかのようだ。


「ノア公子との間を取り持って欲しいの」

「!?」


私は驚きで目を開く。


「え、ヴェロニカもノア狙い?!」


あの美貌は悪魔の落とし子のようなヴェロニカさせも虜にするのかと私は目を剥いた。


「確かにデネブレの血筋には興味あるけど、まだそんなに早まった決断はしないわ」


ヴェロニカは自分の爪を眺めて退屈そうな顔をした。

無駄な話はしたくないですよね。


──よかった…


ほっとして、胸を撫で下ろす。


──ん?


なんでホッとするのだろうか。

それは、ヴェロニカがノアを振り回すってのは分かっていて、ノアの意思など関係なしに動くからで──


「ノイトラール公爵から許可を得て、こっちで研究している薬草の一つが気になるの」


ヴェロニカが本題を話し始めた。

きっと宮廷の手を借りたいという話なのだろう。


「あ、スコットレットの薬草?」

「そうよ」


ヴェロニカは、澄ました顔をしていたが、どことなく不機嫌そうだ。


「何があったの?」

「まだ、はっきりと言えないわ」

「問題があったってこと?」


ヴェロニカは返事をしなかった。


「ふ~ん、ノイトラール公爵の言う通りだったってわけね」


私はニヤリと笑って言った。

けど、ヴェロニカは大して気にしていないかのように口を開く。


「いいえ、どうせ研究はするのよ?どうせ判明することなんだから、期間が長ければいいって話でもないわ」


どうしても自分の非は認めないタイプだ。


「でも、そうね。あの頑固親父は、パナセだけ先取りして、いいとこ取りなのよ」


「私の方へ先に回って来てれば…」とヴェロニカはすごく悔しそう。

私にはビジネスの事はよく分からない。


「私は、ノイトラール公爵支持だから、ヴェロニカはいまいち信用ならないね」


私は、ヴェロニカを揶揄するように言った。

ヴェロニカは片眉だけを動かして反応する。

「あら、私によって与えられた恩恵も多いくせに」

「まだ、死にそうな時に目を閉じるかどうか分からないし」


私は唇を突き出して言った。

ヴェロニカには色々とお世話になったり、利用されたりする。

けど全部を信じてしまうかは別の話。


ヴェロニカは両方の眉を歪めて私を見下げた。


「まだ、その話を引きずっているの?何ヶ月前だと思っているのよ」

「ノアんところの夜会だったから、随分前ですけど何か?」

「ミミって、しつこいのね」


ヴェロニカは最終的には呆れ顔をしてきた。

扇で口元を隠しているけど、目がそう言ってる。


「だって、覚えてないし…」


私は呟く。

前世の最後に私は目を閉じたのだろうか。


「この前噴水に落ちた時はさ、眩しくて目を閉じただけだしなぁ…」


いろんな事があったけど、死を感じて目を閉じるだなんてなかった。

はっきりしなくてモヤモヤする。


「そんなに拘る話?」

「なんか気になるんだもん」

「ミミのそういうところは面白いと思うけど、何度も言われると鬱陶しいわ。その可愛いお口をもぎ取ってやろうかと思っちゃう」

「…それって笑顔で言う事じゃないよね」


ヴェロニカの笑みに私はゾッとした。

身を縮こませて私は、ヴェロニカから距離をとる。


ヴェロニカはそんな私の反応にご満悦で、また興味のある方へ視線を向ける。


「にしても、今回のグリード国はどうしたものかしらね」


ヴェロニカは何故かあの国が気になるみたい。

グリード国の使節団はあれからずっと帝国に滞在している。

しかも大使館の設置の要求までしているらしい。


「本格的に帝国と手を結びたいんじゃない?」


国が危ういなら強い後ろ盾がいる。

当たり前の話にも思う。


「そうかしら?」


だけど、ヴェロニカは納得してないご様子。


「まだ結論を出すには早すぎるわね」


ヴェロニカは冷たい目でグリードの使節団を見つめた後、私に顔を戻す。


「とにかく、ノア公子の事よろしくね」


頼む姿勢の割には偉そうだ。

きっと断る道はないのだろう。

私は肩をすくめながらも、それを了承する。


ヴェロニカはそれに満足して、さっさと挨拶回りに行ってしまった。


──いいように使ってくるなぁ


そう思いながらも、時には助けてくれるからこれぐらいはどうって事ない。

私をこんな気分にさせるのも、ヴェロニカの要領の良さだ。


そんなふうに考えていると、今度はあの声が届く。


「ミンディ嬢」


声と共にがっしりと手首を掴まれた。

私が驚いて振り向くと、そこにはいつもよりも髪を綺麗にセットしたノアがいた。

前髪がなくなって横に流されている。


「ノア…」


声で分かっていたけど、何だか実際見ると、もぞもぞとした。


「なんでフィンと?ティア殿下に何か言われた?」

「え?」

「あっ…いや、ごめん」


ノアはマシンガンのように早口で問いかけてきたかと思うと、気まずそうに顔を逸らした。


──フィンって…皇太子殿下の名前だっけ?


はっきりと覚えていないけど確かそうだったはず。

ノアが少し焦ったように見えたのは気のせいだったのだろうか。


そう思うと、私は今がチャンスじゃないのかと気づく。

謝るなら早く、そして素直に言うべきだ。

張る意地を消耗していた私はすぐに口を開く。


「あっ、ノア、あのね──」


だけど、それに被さるように、新たな声が届く。

鈴の鳴るような美しい声の人物は──


「ノアさん!」


やっぱり、レイナだった。


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