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プロローグ
瞳の奥が見えない。
憎しみに歪んだ表情。殺意。
目の前のあなたは、きっと私の写し鏡。
掠める剣の先。
戦いに慣れ親しんだ身体はいとも簡単にそれを避ける。
次の一手が来る。
左!上!次は右だ!
どうした!お前も俺が憎いだろ!
冷静に分析なんてできない。
本能で命じられる。
目の前の敵を殺しなさい。 さあ、早く。
腰の剣に手をかける。 抜け!さあ、早く!
一瞬で殺してやる。
あなたの瞳の奥を見ることは許されない。
視線を交わせば、交わる二つの剣。
どうして、どうして、どうしてなの。
どうして、あなたを殺さなきゃならないの。
おしえて、神様……