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桜満開恋満開シリーズ

現在16歳の皇子の僕は側近から5人の姫を娶れと言われる

作者: 夜乃桜

(さく)皇子。

皇子は16歳となりました。


我が国を中心として周囲に位置する5カ国を回り5人の姫を妃として娶る時期となりました。」


「どうして5人を嫁にしなきゃいけないの?」


「我が国との国交の為でごさいます。

我が国では近隣国との友好の為、5人の姫を妃とするのがならわしでございます。」


「嫌だ。」


「咲皇子!」


「父だって妃はひとりだよね?」


「お父上…、いえ国皇の時は、近隣国に姫がお生まれにならなかった為、清浄な処女を降臨させその方と結ばれたのでございます。


ですが、皇子の代は違う!

どの国にもお美しい姫君がお生まれになられ健やかに成長しております。


各国から娶らなければ外交に差し支えます。

故に姫達を…。」


「だから5人も嫁にするのは嫌だって!」


「各国を訪れ回り、姫君達と蜜月を過ごせばお気持ちも変わるかと…。」


「蜜月…?

君達の考える蜜月は、ヤれってこと?」


「皇子の言葉を借りて申し上げるなら、さようでございます。


何しろ皇子はまだ女性経験がありませんからね。

5人の姫達と蜜月を過ごすことできっとお変わりになるかと存じます。」


「5人も嫁にしてここへ連れてきたとして、日替わりで抱けって?


面倒くさ…。」


「それでもよろしいですし纏めてお抱きになり、満足させてしまえばよろしいのです。


夜のお道具もありますから、皇子が愛し合っている間はお妃同士で好きにさせたらよろしいのですよ。」


「下劣!」


「皇子…。」


「サクラ姫がいい。」


「通常、筆頭の薔薇の国から順に回るのが習わし。」


「だから、回らないって。

桜の国のサクラ姫だけでいいって。」


「皇子…。」



僕の国を中心として近隣に花の国が5カ国ある。


【薔薇の国】花の国筆頭

国花:薔薇

守護:愛

ローズ姫


【桜の国】花の国No.2

国花:桜

守護:貞操と結婚

サクラ姫


【野花の国】

国花:露草、及び野花・草花

守護:民への愛、民の幸福

聖藍(せいらん)


【ユリの国】

国家:百合、及び白色の花

守護:天使や神、精霊など

リリィ姫


【睡蓮の国】

国花:水蓮、及び水辺の花

守護:美しさと創造・技術

水蓮(すいれん)



僕は、サクラ姫が好きだ。

誕生パーティーで毎年見るサクラ姫は世界一美しくて、まさに清浄な処女という言葉がよく似合う。

嫁にするならサクラ姫とずっと心に決めていた僕にとって、側近の言葉は下衆で汚いものだった。


僕は、側近の言葉を無視して一人でサクラ姫の元へ向かう。


「皇子ー!

皇子ー!

皇子はこの国を、いえこの宇宙を統べる(おう)となるお方ですぞ。

近隣国との友好はこの宇宙の運命にかかわってくるのです。


そのような勝手は!!」


「煩いよ。」


「ですがせめて!

せめて薔薇の国から…。


サクラ姫だってお妃にできます。

サクラ姫も含めて5人とも妃にしてしまえばよいのです。」


「だから、サクラ姫だけでいいって。

桜の国が守護するものは貞操と結婚。

側近の君も知ってるよね?


代々、5カ国の姫を嫁にしてきた先代達の愚行のせいで、貞操観念の強い桜の国の姫達はどうなったか知ってる?」


「非常に答えずらいのですがお気が狂ったり、最悪の場合自害…。」


「知ってるなら、もういいだろ?

桜の国へ行くからね。」



ーサクラ姫、僕は君のことだけは幸せにしてみせるよ。

君だけでいいんだ。ー



そうして僕は側近達を振り切り、桜の国へと着いた。


「咲皇子…。」


「サクラ姫、お迎えに上がりました。」


「で…、でも、薔薇の国から回られるのでは?

なぜ我が国に?」


「他の国へは行きません!

あなただけでいいのです。」


「結婚のことなら、辞退できたらなと思っておりました。

サクラの気持ちなど、通るわけもないのですが。

でも…、もしサクラのことを想ってくださるなら、辞退を…。」


「辞退はさせません!」


「…。

やはり、サクラは国交の道具なのですか?」


「違います。」

僕は、サクラ姫を抱き寄せる。

それは甘くて柔らかで、初めて女性に触れた僕の心は安らぎと温かさでいっぱいだった。


サクラ姫はというと、自分の運命を呪うように涙が頰を伝い、僕の肩を濡らす。


「誤解しないでください!

僕は、サクラ姫だけいればいいんです。」


「え…?

でもそれは出来ないのでしょう?」


「僕は他の姫達とは結婚しません!

サクラ姫だけでいいのです。


側近達へもそう言ってここへ来ました。

我が国の国民や全宇宙の民にだってそう宣言するつもりでいます。」


「嬉しい!

サクラも本当はずっと前から咲皇子のことを…。」


「好きだったんですよね?

知ってましたよ。


愛してます。

サクラ姫。」


そして僕はサクラ姫に口づけをした。


全世界が敵になろうと宇宙が滅びようと僕はサクラ姫だけを愛することをここに誓うよ。


サクラ姫との桜の国での蜜月は続き、桜の香りが僕達を包んでいた。

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