キャラバン護衛編 断章 緑の賢者の悪だくみ
キャラバンが立ち往生している地点から少し離れた森の中で、小さな賢者が小躍りしている。
成功だ。成功だ。
俺なんかでも扱えた。ちっぽけな俺でも、強い魔物が言うことをきいた。しかもあんなにいっぱいだ!
みんなやられちゃったけど、何でだ?
馬車を襲えとしか命令してなかったからか?
杖をもっと上手く使わないと。もっともっと命令できる数を増やそう。そうすれば俺だけの立派なお城がこの世界に建てられる。
まずは仲間を増やさなきゃ。
杖を使ってもいいけれど、魔物だけじゃつまらない。
人間がほしい! 力持ちの人間だ! でも男は嫌だ。デカいし、殴るから。肉は歯ごたえがあって美味いけど。
あ! 襲った馬車にいたぞいたぞ。力持ちの人間、それも女が!
女はいい。背も俺とそう変わらないし、こっちが殴れば泣いて言うことをきく。肉も軟らかいし美味い。
そして何より、俺たちの子供を作れる孕み袋だ!
そうだそうだ、あの女どもを攫ってこよう! 俺だけの言うことをきかせる! 俺だけの非常食! 俺だけの孕み袋にちょうどいい!
そのためにまた杖で魔物を集めよう! 強いのはここら辺にいないけど、いっぱいいっぱい集めよう!
女は捕まえて、男は殺して食っちまおう!
楽しみだ楽しみだ――
女たちは俺の子供をたくさん産ませてから食ってやるんだ!
楽しみだ楽しみだ――
緑色のまだ若い賢者は、笑いながら森の奥へと姿を消した。




