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キャラバン護衛編ⅩⅣ

 私たちは、キャラバン本隊に合流した。

 辺りは魔物の死体がいたる所に倒れ、馬車が数台破壊されていた。私たち冒険者が乗る馬車もだけど、キャラバンの荷馬車まで破壊され、積み荷の売り物が散乱していた。

 無事を確認したメルコさんは、この被害でも、私たち前衛がいくらか減らしたのもあって、マシな部類だと言う。あの数がそのまま全て素通りで直撃していたら、被害はこの比ではなかっただろうとのことだった。

 周りで話す冒険者の会話が聞こえる。

――あの数を捌けるようになってるとは、俺様もなかなか成長したな!――馬鹿もん! 明らかに弱かったじゃろう、調子に乗るでないわ――わかってるよ、冗談じゃねーか、師匠――なんか手応えを感じなかったな――魔物一匹一匹は確かにそれなりだったけれど、群としては微妙だったわね――殺意が伝わってこなかった……肌がひり付くような殺意が!!――あー、それあるー。うちらのことぉ、そこらの石ころくらいにしか見てなかった、みたいな?――等々。

 どうにも先輩方の目にも、あの群は異常に映ったらしい。

 誰かが殺意と言っていたけれど、なるほど。洞窟の群には確かにそれがあった。だから私たちは恐怖したし、事実、百名以上の仲間を失ったんだ。

 でも、今回の群は違う。私たちのことがそもそもほとんど眼中に無かったし、ただ突っ込んで壊すことしか考えていない風だった。攻撃を受けて初めてこちらを邪魔者として認識したほどだ。それに、洞窟の魔物よりも多少知恵のある、強いとされる魔物たちなのに、洞窟の彼らよりも連携と言える連携もとれていなかった。

 なんだろう。まさか、操られてたとか、ないよね?

 頭の片隅でそんなことを考えながら、メルコさんにアマンさんに会っていないか尋ねると、会っていないとのことだった。

 他の冒険者やキャラバンの人にもちょこちょこ話を聞いたけど、誰も見かけていないそうだ。

 何かしら隠し事をしてそうな人ではあったし、意識的に注意しておこうと思っていた人だったし、別段、姿を消したことそのものについてはあまり驚きはなかった。実際は全然注意できていなかったことについては置いておいて……。

 問題は、私たちにとってアマンさんのそれが、有益なタイプの隠し事だったのかという点だ。

「誰かああああ!!」

 護衛対象の鉄馬車の方から叫び声が上がり、みんなが一斉に駆けだした。

 鉄馬車の脇に人影が見えた。

 顔が見えるくらいまで近づくと、それは、依頼人のおじさんと、おじさんの首に短剣を突きつけるアマンさんだった。

 あー、私たちにとって嫌な方の隠し事だったかぁ……。

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