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奏:第一話  何? この光?

 右を見ると、木がいっぱい。左を見ても、木がいっぱい。後ろを見たら、獣道。前を向いても、獣道。下を見ると、なぎ倒された見たことも無いような植物がいっぱい。上を見ると、綺麗な青空と、灼熱の太陽。



 うん。大自然の中に、俺はいる。大自然に包まれて、俺の心は今までに無いくらいに、穏やかや!!!



 よぅ! 俺は笠取(かさとり) (かなで)

 関西からやってきた、今は、大学を卒業したばかりのやる気のある若者 (アルバイト首になったけど)、フリーターをしてるにじゅ……、なんやて!? 俺は決してニートちゃうわぁぁぁぁあああ!!!!

 ちゃうねん! ちゃうねんで!? 確かに俺は今、全っ然働いてへん! それは認めよう! でも、でもな、働く意欲は人一倍あんねんで!!! ホンマやって、信じてや!!! 


 アカン、何言っても信用してもらえへん気がする……。




 お? 前方約5mのところに小鳥がいるで! 可愛らしく鳴いてるわ……、和むなぁ♪



 俺は、ここは思い切って小鳥に話しかけようと思う。だって、さっきから周りにあるのは植物、植物、無機物やで? かれこれ3時間は動物と会ってへんねんで? 心細いやん!!


 でも、小鳥に話してるとこを誰かに見られたら、確実に俺は変人になってしまう……。


 さ、360度確かめて、誰もおらんかったら大丈夫やんな? な!?


 同意を求めても周りには誰もいいひんけど、取り合えず同意を求めてから、右、左、前、後ろ、下、上と、確かめた。


 よし! 誰もいいひん!! 


 いや、変人と思わんといてや! だって、3時間も何も喋ってへんねんで!? 少しくらい赦してや!!


 

 そして、俺は小鳥に話しかけた。



「お〜い! 鳥〜! ちょっと俺の話を聞いてくれへん?」


 あ! しまった! こんなでっかい声で話しかけたら逃げるかもしれんやん!!



「ピュ〜、ピュピュピュ、キュキュッ」


 おぉ!! 予想に反して、小鳥は俺の右肩の上に乗ってきた。可愛いやん!!



「聞いてくれんのか? お前、ホンマにええヤツやなぁ……。」

「キュキュッ」


 話しかけたら応えてくれる!! 嗚呼、めっちゃ嬉しいわ!!!



「あんな〜、俺、コンビニのバイト、首になってん。」

「キュキュ?」


 よくわからん、というように、小鳥は首を傾げてる……。アカン、ホンッマに可愛いわ!!! しかも懐いてくれてるし! 最高や!!!


 昔っから俺は動物が大好きやし、それによう動物も懐いてくれんねんなぁ……、喜ばしいわ!!



「ごめんごめん、首ってわからんやんな? えっと……、メンバーからはずされたって言ったらわかるか?」

「キュキュ!」


 おお! 伝わった!! 鳥はやっぱり集団行動とかするしな!!!

 続けて俺は言う。



「酷い話やねん。店長がな、『お前はホンマに……何回遅刻したら気が済むねん!! やる気が無いんなら辞めろ!!! もうお前なんか首じゃぁぁぁあああ!!!!』とか、いきなり切れだしてん。酷いやろ? こんなにやる気のある好青年掴まえといて、何言ってんねん! って思うやろ?」

「キュウ……、キュ、キュキュ!!」


 ちょっと間があったけど、小鳥は一応頷いてくれた。

俺はふとした疑問を話す。



「今ちょっと迷わへんかった?」

「ピュ〜ピュピュ〜」


 誤魔化してる! なんか、口笛で誤魔化すかのように誤魔化してる!! ってか、絶対迷ってたな? でも、可愛いから赦す!!



「でな? 店長に言ったってん。『俺はやる気がありすぎて、空回りしてるんです! まぁ、とにかくやる気だけはめっちゃあるんですって! この時代には珍しいほどのやる気でっせ!? 俺を辞めさせたら、絶対後で後悔しますよ!!』ってな。」

「キュッキュ」


 嗚呼、相槌打つ姿も可愛いわぁ♪


 さらに続けて俺は言う。



「じゃぁ店長がな? 『じゃぁ、なんでお前はいつもいつも遅刻すんねん!? やる気が無い証拠やろ!!』って言ってきてん。」

「キュ〜」


 もしかして、へ〜って言ってんのかな? 話を聞きながら、小鳥は俺のほうをじーっと見つめてる。

 あ! 勿論俺も、小鳥を見つめてんで♪

やっぱり話すときは目を見ることが当たり前やしな!!


 小鳥と目を合わせながら、俺はさらにさらに続ける。



「しかもな、『そんなにやる気があんねんやったら、ちゃんと時間通りに来てみぃ!!!』って言われてん。」

「キュキュ」


まぁ、俺もやる気を見せようと思って気合いれるやん? だから当日、10分で着く距離のバイト先に、2時間も前に行ってん!!! えらいやろ?」


「キュキュ!」


 うんうん。ホンマにあれは俺もえらいと思ってん! 小鳥も同意してくれて嬉しいわ!!



「でもな? 結局バイト先についたん、3時間後やねん……。」

「ギュ!? ギュキュッ、キュッ、キュッ……」

「大丈夫か!?」


 うわ、やってもうた!? 小鳥がビックリして咳き込んでしまった!!!

俺は優しく背中をさすってやった。……ふぅ、落ち着いた見たいやな。



「キュ!? キュキュッキュキュッキュ!?」


 ん? なんか俺、咎められてる!? なんで!?



「え!? なんでそんなに時間がかかったんかが気になるんか!?」

「キュッキュ!」


 想いっきり首を縦に振ってる……、どうやら肯定のようやな。

ちょっとかっこ悪いけど、まぁ、言うしかないわな。



「俺、実は……方向音痴やねん!!!」

「……キュウ?」


 なんか信じられへん、みたいな顔してんで!?

 いや、方向音痴は信じよう? 体質やで!?



「でな? ここからが本題やねん。」

「キュウ?」

「俺な? どうやら、この森で迷ってしまったらしいねん……。」 

「キュウ!? キュ〜」


 バサッ



 俺の言葉に驚いてか、小鳥は突然飛び立ってしまった……って、えぇ!?



「うわ!? 鳥!? どこに行くんや!? ちょ、待って!! 俺を置いて行かんとってーーー!!!!!」


 嘘やん!? え!? 嘘やろ!? なんで? なんでこのタイミングでどっか行くん!? 俺、淋しいやん!!! 



「鳥ーーーー!!!! 迷子になった俺を、助けてくれぇぇぇぇぇええーーーーー!!!!!」

「キュッキュキュ〜・・・・・…」


 ……俺の心からの叫びも虚しく、小鳥はどっかに飛んでいってしまったようや。鳴き声がどんどん遠ざかってる……。


 ……どうしよう、本格的に迷った!!!


 アカン、泣きそうや……。


 いや、アカン、アカンでぇ!! 泣いたらアカンねんや!!

よし! こういう時こそ、笑おう!!!



「あははは……は、はは……」


 アカン、笑う力が出てこうへんわ……。



 ビカッ


 !? 何や!? あの神々しい? いや、なんか取り合えず明るい光はなんなんや!?


 突然、俺の右斜め前のほうから、なんかすっごく明るい光が俺のほうへ向かってきてる……。


 え!? ま、ままままっまさか、天国からのお迎え!? いや、そんなことはないやろう! だって、まだ迷ってから約9時間しかたってへんし、腹減ったけど、餓死するほどじゃないし、それに、怪我も何もしてへんし!! ありえへんわ!!!



「青年よ、もしかして迷っておるのか?」


 おぉ!? 光が喋った!? 爺さんっぽい声や! ってか、眩しすぎて目、開けてられへんわ!!!

と、取り合えず、正体を訊いて見ようか。



「お、お前誰やねん?」


 俺は目を押さえながら訊いた。



「ん? 人に名を訊くときは、目を合わせたほうがいいんじゃないのか?」

「は? お前、目とかあんの?」


 まさか、光に目なんてないよな?



「何!? お前は目のない人間を見たことがあるのか!?」


 え!? この光り、人間なん!? うっそや〜! だって、輝いてるし、人がこんなに輝くわけないやん!!!

 あ! そうか!! これは……ツッコミを期待してんねんな!? よっしゃ! やったろうやないか!!!



「お前のどこが、人間やね〜ん!!!」


 俺は光に向かってツッコミながら、右手で叩こうとする、とはいっても、光やねんから当たる訳―――



 ペチッ



「えぇ!? なんで当たんの!? 実体あんの!? なんでやねん!? 光やろ!? どういうことやねん!!?」


 俺が叩こうとしたとこには、なんか……、ツルツルの、何やろ? 取り合えず、ツルツルの何かがあった。ってか、光が実体を持つなよ!!!



「お前の目は節穴か!? ワシは人間じゃ! 光じゃないわい!! どこをどう見たら光に見えるんじゃ!?」


 え!? 人間!? そんな、どこをどうみたら人間やね―――


 コホン、訂正しよう。コイツは人間や!

 うわ、なんで!? 光の下見たら、袴を着たヤツがいる。でも、顔は光に隠れて見えへん!!!


 しみじみと思うけど、意味わからんやつがいるもんやなぁ……。



「まぁ、人間ってことはわかったわ。じゃぁ、顔見せてくれへん? 話しづらいやん?」


 最低限のマナーは守って欲しいしな!!



「何を言っておるんじゃ? 顔など、とうに見せておるじゃろ?」

「へ? いやいやいや、光に隠れて見えへんねんけど!?」

「光? 何のことじゃ? まぁよい。とにかくウチで、少し休むが良い。」


 優しそうな声で、前のヤツは言った。唐突やし、それになんか怪しいけど、まぁ、久しぶりに人間? に会えたんやからいいか!


 俺は前のヤツに着いていった。




 歩くこと約5分。俺は一件の家の前にいる。多分、ここに住んでるんやろうなぁ。

一階建てで、和風の広い家や。



「さ、入ってくれ。」


 そう言われたから、俺はドアの向こうに入った。


 おお! ドアが閉まると、なんか日光が遮断されて、影になってるで!!

 前のヤツの光はまだちょっと残ってるけど、まぁ目を開けてられるようにはなった。



 ……ん? 目がおかしくなったんかな? 光のほうをよく見たら、なんか目と鼻と口と耳、それと皺がいっぱい……?

 なんか、爺さんに見えてきたわ。って、光じゃなくて、ただの禿げた爺さんやん!!


 こ、ここはツッコムべきかな? ま、まぁいい、当たって砕けろや!!!



「そうそうそう、日陰に入って光を見ると、目、鼻、口、耳、あぁ顔か!! って、光りちゃうやん!!! あれ?髪がない? って、ただの禿げた爺さんやったんかい!!!」


 ちょっとツッコミ変やったか? ……クソッ、ノリツッコミは苦手やねん……。なんか変になってしまった。ってか、長すぎてノリツッコミのほうがボケに思えてきてしまった……、無念。


 ってか、なんで俺はノリツッコミを選んだんや!? 意味わからへん!!!


 ……まぁ、久しぶりに人間に会えて、テンションが上がりすぎたんかな? 


 よし、気にするのはやめとこう!!!



「お前……、どこにそんなハゲがいるんじゃ?」 

「うおぅ!? 爺さん気づいてへんの!? アンタめっちゃハゲてんで!! 冗談じゃなく、太陽の下で見ると、頭が輝きすぎて、顔見えへんくらいやで!!」


 爺さん、自分の頭のこと、気づいてへんかったん!? いや、それは無理あるって!! 無理や!!! だって、こんなに光ってたら、眩しくてしゃーないやん!?



「……? まぁよい。お前は迷っていたんじゃな? なら、ここで一週間ワシの世話をしてくれんかのう? そうすれば、お前を近くの駅まで送ってやろう!」


 それは……、良い条件なんか? いや、そんなことはないわ!! ここはやんわりと否定してみよう。



「え!? そりゃまた変な注文やな、ってか、普通に今送ってくれたら良いやん?」

「それは無理じゃ。だって、ワシに見返りがないしのう。」


 この爺さん、なんでこんなにケチやねん!? 



「どうするんじゃ? ま、一生迷っていたいんじゃったら、ワシも無理には止めはせんよ♪」


 この嫌な笑顔……マジやな。ふぅ、しゃーないか……めんどいけど……。



「わかったわかった、一週間やからな? じゃ、一週間だけ世話したるわ。」

「おう! それは有り難い! じゃ、早速庭の草むしりをやってくれい!!」

「いきなり!? 遠慮無いヤツやな!!」


 クソ、まぁ、無事に帰るためや。しゃーないしゃーない……。



 俺は気合で草むしりを始めた。


 爺さんはというと……、縁側で日向ぼっこしながら寝てる……。ムカつくわ!!!


 はぁ、早く一週間すぎて欲しいわぁ……。

次は、香織の出番です!


あの、不自然なところ(会話など)があったら教えてください!!!

お願いします!!!

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