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香織:第二話  ストレス解消

キャラが暴走してしまい、残念ながらまだ、ナレーションに振り回されてません・・・・・・。

 ――午前7時――


 はぁ、はぁ、師匠と、別れて、約2時間、私は今、山を、降り、ている。

 え? 「、」が、多すぎ? ごめん、今だけ、は勘弁して! だって、息が、荒いんだもん! だって、師匠の家はど田舎にあるのよ!? 地面がゴツゴツで、最初は自然っていいな〜って思ってたけど、歩きにくい! 山道を降りてるとこだから、私はゴツゴツの地面を微妙に跳ねながら歩いていく。つ、疲れるわ! 早く都会に帰りたいよう。


 電車が出るのは8時15分、まだまだ十分間に合う。あと、30分ぐらいかな?



 ――30分後――


 はぁぁ……は、はぁぁ……、まだ、まだ着かないの?

 もう既に私の体力は限界よ? 跳ねてなんてやってられないわ! 今はもう、まるで地面と足がくっついてるみたいに足が上がらない。

おかしいなぁ? 弟子入りに来たときはもっと早く着いたのに……。

まさに、『行きはよいよい帰りは恐い』ね。


 あ! そうだ!

じゃぁ、『行きはよいよい帰りは恐い』をテーマにして、シリアスな話を書こう!

 う〜んと・・・・・・、そうねぇ・・・・・・。

行くのは簡単だけど、帰るのは恐い、つまり、入るのは簡単だけど、抜け出せないってことね!

 じゃぁ、『思わず裏社会に手を出してしまった主人公が、その世界から足を洗おうとするけど出られない』っていう話を書くわよ!

 あ〜、楽しくなってきた!

 本当に師匠はムカつくし、いらんことしぃだったけど、やっぱり小説考えるのが楽しいっていうことは、師匠の教えがよかったんだ―――――きゃぁ!?


 ズルズルズルッ・・・・・・ドスッ


「いった〜・・・・・・。」


 あぁ、まさか滑って落ちるなんて……私としたことが……。

小説を考えるのに夢中になっていた私は、足元が不注意になってしまって思わず足を滑らせた。多分、1メートルくらい落ちたかな? とはいえ、私的に何かに熱中するのは大切だと思うのよ。そう思わない? いや、思うでしょう、思いなさい! だから何かに熱中してて滑って落ちたって、何も恥ずかしいことは無いと思うの。そうでしょ?

……言っとくけど、言い訳じゃないんだからね! って、あ、ああ!!


「駅に着いた!!」


 こけた身体を起こして、前を見てみると駅があった!

 よかったぁ、まさか落ちて駅に着くなんて、流石わたし!! 運のよさでは誰にも負けないわ! やっぱり何かに熱中してたら良いことがあるってことよね!

ちょっと、ほ〜んのちょっとだけ、腰が痛いような気もしないではないけど、とりあえず体力の消費は防いだわ!!


 そして私は切符を買って特急電車に乗った。田舎の電車は乗っている人も少ない。椅子はまるでバスの座席のような感じで2人ずつ座れるようになっている。私は1車両目の前の辺りの窓際に座った。内側の座席には荷物を置いて、ノートパソコンを取り出す。目の前にはご飯とかを食べやすいようにある、折りたたみ式のテーブルがあるから、そこにノートパソコンを置いた。師匠にもらったノートパソコンは黒くて薄く、結構カッコいいデザインだと思うな、つまり、私の好みだわ♪

 ふぅ〜、結構疲れたからちょっと一休みしようかな♪ 

 ゆったりと腕や背中を伸ばしてリラックスする。でも、あと約30分も時間があるのは流石に暇だしな……。


 よし! それなら早速執筆を始めよう!!


 そう思って、ノートパソコンを開き起動させると、メールが2通入っていた。


 まぁ、これはもしかしなくても師匠ね。

読むのめんどくさいけど、まぁ、ノートパソコン貰ったことだし、読んであげようかな。

 そして、開くと……


『ハッハッハ、香織、早速小説を書こうと思っているじゃろう。しかし、書く前に忘れてることがあるじゃろう? 指輪じゃよ、指輪。必ずつけろと言ったじゃろう? 早くつけるんじゃ!! 師匠より』


 ……そんなこと? そんなことのためだけにメールを書いたの?

はぁ、くだらないわねぇ、本当に。 しかも、なんでメールなのに『〜じゃろ』とか書くのかしら? どう考えても打ちにくいでしょう、馬鹿ねぇ。


 でも、最後だし、もう1通も読んであげようかな。

おっと、その前に指輪をつけて……。

 私は上着のポケットに入れておいた指輪を、適当に左手の人差し指につけた。


 よし! 2通目、2通目っとぉ……


『フン! 師匠をなめるでないぞい!! さっきのメールを読んで、なんで『〜じゃろ』って書くんだろう、とか思ったじゃろう。そんな下らんことを考えてる暇があれば、真面目に執筆に集中せい!! 師匠より』



 ……真面目に執筆に集中せい、ですって?

あの、真面目に1時間も書き続けられないような、あの師匠が?

あの、ふざけていないと喚きだす、あの師匠が?

あの、年がら年中ふざけまくってる、あの師匠が?


 よくも、……よくも、そんなことを言えたわねぇぇぇえええ!!!!


 師匠、いや常にまるで電球のように輝いているハゲ頭を持つクソジジイの、自分のことは棚に上げた発言に、私の堪忍袋の緒が切れた。




   プチッ

 


 ……っかつく、あの、


「あんのクソッジジイがぁぁぁぁぁ!!!」


 こんなの、電車の中だからって関係ない! それに今はまだあまり人はいないし大丈夫、と私は出せる限りの大声を上げた。そして怒りの矛先は指にはめてある指輪へと向く。

 こんなもの、こんな、指輪なんて、捨ててやる!!

なんてムカつくジジイなの!? 私もよく3ヶ月も耐えたわ! 頑張った、頑張ったわ私!


 自分を褒め称えつつ、指輪を取ろうとする、……ん? へ? あれ?

ぬぁ! とぅ! てぃ!! ……はぁ、はぁ、はぁ……。


 なんてこと!? どれだけ頑張っても指輪が取れない!!

何故!? どうして!? つけるときはあんなに簡単につけれたのに……クソッ

ほんっとにムカつくわね、あのジジィ!!! 一体どんな仕掛けなの!?


 あ〜〜〜!!! イラつく!! 

『集中せい』ですって!? 誰のせいで集中できてないと思ってるの!? あんっのハゲが!!! 

 今朝だってね、朝日に反射してクソジジィのハゲ頭が眩しくて眩しくてしょうがなかったんだからね!!! サングラス掛けてたのに、私の試みは見事に砕け散ったわよ!!


 もういい、もういいわ!! 私だってメール送ってやるんだから!!

そして私は電子メールの機能を使い、次のように書く。


『拝啓 クソジジイ。

 どうせなら、この3ヶ月言いたかったことを、すべて伝えようと思いま』


 あ、そうだ。良いことを思いついたので、私はいったん手を止めて考える。

とんでもなく丁寧に、丁寧に書きながら悪態ついたほうが、ムカつくかもしれない。


 よし、全部消去よ、最初っから!!


『拝啓 師匠

まだ、師匠の下を去ってから、あまり時間は経っていませんが、メールに私の思いを乗せたいと思います。』


 うん、いい感じかも。この、なんだかお礼を言いそうな感じの文章が、師匠の期待を募らせて、そして一気に絶望よ。私の心は今、どす黒く笑っている。


『この3ヶ月、師匠と一緒にいて、師匠の図太さを見て、私は、『師匠は、たとえダンプカーに轢かれたとしても、お亡くなりになる、ということはないのだろうな』、と感じました。』


 うん、我ながら綺麗な尊敬語ね、そして遠まわしに皮肉ってみた、んだけど……これではあの師匠のことだから、誉めてる、と思われかねない……。よし、ならば……。


『あ、勘違いしないでくださいね。決して、決して誉めてるわけじゃないですから。』


 よし、これで完璧!! こんなメールが来たら、私ならすっごくムカつくわ、フフッ。


『あ、あと、ひとつアドバイスです。師匠は、(……まぁ、自分では気づいてないでしょうが) ハゲです。家の中では、電球に照らされる師匠の頭は、まるで太陽のようにみえるくらいに輝いてます。おっと、これも褒めているわけじゃない、いや、こんなに見事にハゲてる人は、私の長い人生の中で、二度とみることはできないでしょう。そういう意味では、尊敬にあたいしますね。』


 こんなに丁寧に悪態つかれたら、怒ろうにも怒りにくいし、すっごくムカつくだろうし……ざっまぁみろ♪ 私的にねぇ、どうせ読むのにわざわざ「()(カッコ)」を使ってるところがイラっとくるわ。


 そして、さらに一言よ!


『もっとも、私は絶対にそんな髪型にしたくはないですけどね。』


 よし来たぁぁぁぁぁ!! これはほんっとうにムカつくはず!!


『ということなんで、外にでるときには是非、帽子をかぶってくださいね☆ (あ、わかりにくいでしょうから説明します。この『☆』は、師匠の眩しい頭の輝きを表現してみました♪)』


 これは絶対ムカつく! 書いてる私でさえもムカつくもの!!

あとは、……フッフッフ



『あ、嗚呼……、私としたことが、見落としている点がありました。よくよく考えてみると、帽子を買いに師匠がお店に行くと、その場にいる全ての人々の視力が奪われてしまって、皆さんに迷惑がかかってしまいますね……。

 仕方ありません!! 他でもない師匠のためです。

元私の部屋の引き出しの上から2段目にあるものを、かぶってみてください。

きっと、師匠の役に立つはずです。それでは、さようなら。  香織』



 完璧!!! これでムカつかない人はいないんじゃないかしら。

それに、引き出しの上から2段目にあるものは、私が3ヶ月、師匠へのストレスを解消するのに使い続けた、『ハゲのかつら』よ!!


 あれには、ハゲっていっぱい書いてあるしね、絶対ムカつくはずよ。マジックでハゲって書きすぎたおかげで真っ黒よ。


 勿論、三ヶ月間の私よりも、ムカつくはずよ♪   フッフッフ


 よし! そ〜うしん!!


 画面の真ん中に『送信されました』と表示される。 

 やりきった……、私はあの師匠に一矢報いたんだ! フッフッフ、アッハッハッハッハッハ、ア〜ハッハッハッハッハ私のストレスは、すっきり爽快よ!!

 やっぱり人間、ストレスをためるのは、よくないわね!! 師匠の反応が楽しみだわ♪

なんだか、コメディから外れてるような気も、しないではないですが、書きたいように書きます!!


次回こそは、主人公はナレーションに振り回されます!

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