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シア薬剤店  作者: レレナ
序章
7/35

転章 事件その後。亜希からシアへ

ごめんなさい。急用が出来たので更新1日開きました。


この話しで、ようやく導入部分が終わるわけですが、章をどういう風に分ければいいか操作が解らないので、このまま話数で行きます。

他の作者さんはどうしてるのでしょうね?


ようやく第1話につながります。


別視点で閑話を入れるか、悩んでいます。

 あの事件から1年ちょっと経った。


 結論から言えば、斎藤さんは、バカだったとしか言えない。


 自分勝手で身勝手で、自分が異世界に召喚された勇者か何かだと思い込んでいたみたいだった。


 自分の行動が全て正しいと考え、それに全く疑問も持たない。他人への迷惑を迷惑と感じず、むしろそれを誇る。独善的で独りよがりだった。


 出会った人、出会った人皆に喧嘩腰になり、自分勝手を押し付ける。


 異世界に召喚された。内政チートだ。俺TUEEEE。成り上がる。とか言っていたけど、ここがどういった所なのかすら調べもせず、初めて出会った現地人に高圧的に振る舞う。親切にしてもらい案内された街では一方的に喧嘩を売って、そして殺された。


 明らかにカタギじゃない、武器を持った人に喧嘩を売って無事ですむわけがない。相手のレベルが解るとかの『ゲームの世界に迷い込んだ』的な事じゃなくても、喧嘩を売っていい相手がどうかぐらい、わかりそうなモノだと思うけど、斎藤さんは自分が返り討ちに合う可能性を思い付けなかったのだろう。


 そもそも、どういった経緯でこの世界にわたしたちが居るのかも解らない。わたしの身体のサイズが小さくなった事も理由が解らないし、召喚だとしても、召喚した相手がいない。いわゆる神様的なナニカに会ってもいない。


 斎藤さんの態度や性格、冒険者らしき人に喧嘩を売って、返り討ちに遭う。それらは1年ちょっと経っても、未だにはっきりと覚えている。


 斎藤さんに致命傷を与えた瞬間や、死に行く光景は、おばさんに隠されて直接見ていないけど、自分が何故死んだのか不思議そうな、ぽかんとした表情の遺体はその後の実況見聞らしき事を街の警備らしき兵士に行われた時に見た。おばさんはわたしに付き添ってくれていた。


 その時わたしは、イヤな人だったけど同郷の人だった斎藤さんが目の前で殺された事にショックで、ただぼんやりと実況見聞を眺めていて、言葉が通じない質問にただ数回頷くだけだった。


 事件から1年ちょっと経った今、この世界の実況や法律的なモノが何とは無しに解った。相変わらず言葉は解らないけど、当時のおばさんや街の人の態度は何となく解った。


 彼が喧嘩を売った冒険者は初めは彼を鬱陶しげに追い払っていた。それでもなお絡む彼を軽く突き飛ばしただけ。激昂した彼が近くに居た違う冒険者から剣を奪い、剣で脅した。剣を向けられた冒険者はそれでもなお彼に剣をしまうように訴える。それでもなお剣を捨てない彼。近くの仲間の冒険者に相談し、周りの野次馬に、喧嘩を売られた事を伝え、剣まで向けられた被害者だと言う事をアピール。そして返り討ち。そんなところだと思う。


 荒くれ者の多い冒険者が居るこの世界。こういった光景もさほど珍しくないんだと思う。野次馬も特に問題無さそうに商売や買い物に戻って行ったし。法律的にも問題が無かったんだと思う。


 おばさんはわたしに親身になってくれて、色々と良くしてもらった。事件の後、言葉が解らないわたしに代わって、兵士に色々と答えてくれていて、わたしは特に酷く尋問されずに済んだ。


 おばさんの家に住まわせてもらえるようになり、野良仕事を手伝う傍ら、言葉を少しずつ教えて貰った。ちなみに、おばさんの名前はポーラさんと言う事が解り、家は、馬車の中の農機具通り農家だった。


 わたしは自分の名前を『シア』と名乗った。


 清水亜希(しみず あき)ではこちらの名前的に変だったから。ちなみに『シア』と言う名前は名字と名前の頭文字からの安直から。


 おばさんの家に住まわせて貰ってから、一月くらい経った頃、おばさんの家に薬屋の老婆が来た。薬を薬屋から買って来るのでは無く、定期的に薬屋が各家庭を周り、必要な薬をその場で造るのが、農家や下流階級の方法みたい。


 2回目に薬屋が来た時、野良仕事も終わった時間だったので薬屋の老婆の作業をじっと見ていた。


 窪みが付いた石のお椀みたいな物に乾燥させた葉っぱや木の根っこをすりこぎで、ごりごり潰し粉にする。初めて見る作業に、わたしは見入っていた。


 葉っぱや木の根っこを、がんがんと原形をが無くなるまで砕き、今度はごりごりと粉になるまですり潰す。急ぐ事もなくゆっくりと。初めて見る作業。砕いてすり潰す。特に変わった事の無い単純作業だけど、根っこや葉っぱが粉になっていく過程は、わたしには魔法に見えた。


 興味津々で作業を見ているわたしに、老婆は、ただでさえ閉じかかっている目をさらに細め、笑いながら作業を続けた。


 明くる月、同じ様にやって来た薬屋の老婆の作業をじっと見ていたわたしに、老婆は何かを話しかけて来たけど、簡単な挨拶くらいしか言葉を覚えていないわたしには何を言っているかは解らない。


 薬屋の老婆がポーラさんに何を言ってポーラさんが答えると、納得したかの様に頷く。言葉がまともに話せないと教えて貰ったのだろう。


 その後、わたしと、ポーラさん、薬屋の老婆で色々と話し合う。もちろんわたしは言葉が解らないけど、ゆっくりと身振り手振りでコンタクトを取り合い、どうやら・薬屋として老婆に付いていくか? と言う事だと思う。


 この数ヶ月でポーラさんの家が貧しい農家だと言う事は解っていた。野良仕事を手伝っているとは言え、わたしではロクな手伝いになってなく、台所事情もわるい。自分でも解っていた。


 良くしてもらっていても、ロクな手助けにもなってなく、正直、心苦しく思っていたわたしは薬屋の老婆に付いて行くことにした。


 違う街でわたしは薬屋の手伝いをしながら暮らし、気が付けば1年経っていたのだった。

閑話を入れるか悩んでいるのと、話を練るので、次話は2~3日後になるかもしれません。

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