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プロローグ
「本当に何もないわね……」
「広大な空間と騒音はもれなくついてくるがな」と、オッサン。
「とりあえず、ホコリを何とかしないと」
「そのあと、分配電設備などを取り付けなければならないな」
「塗装もよ。仮にも市役所なのだから」
ここは、東京駅のホームの下である。市役所の事務所をどこかに置かねばならないが、適当な場所がなかった。東京市役所は、とにかく見事に何もないので、自らの力でなんとかしていくしかないのである。
他にも、電話や無線設備、百科事典、地図などを整備しなければならない。自治体衛星通信機構に入るかどうか、消防、警察もあるので、これらの諸問題なども解決しなければならない。
まだいろいろと課題等もあるのだが、とりあえず庁舎として使用できるように整える必要がある。