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Street girl 01
「どう思うよ」
「何がー?」
現在、私の隣の向かいの席に座っている(正確には私が座りに来たんだけど、この際どうでもいい)川本七恵は机上の数学のワークから目を離さずに、やけに間延びした声で返してきた。
「いやだから、私の夢の話し」
「アンタ今日夢見たの?」
「お前……」
一瞬殴ってやろうかと思ったが、仮にも授業中。ここは大人の綾瀬さんは手を上げずに大人の対応をしようと試みてみます。
「七恵、アンタ人の話はちゃんと聞かないと社会でやっていけないよ?」
「それなら先生の話しをちゃんと聞いてテスト勉強やんなさい。中間は赤点スレスレだったんでしょ、アンタ」
「うっ……」
あくまで冷静な返事をしてくる七恵に対して言葉に詰る依。
そう、現在は自習とは言ってもれっきとした授業中。しかも一週間後にテストを控えた大事な時間。なのだけれど……
「依、アンタ結局課題いくつ終わったの?」
「……なーんもやってない」
「アホ」
「分かってるやい! 七恵のアホ!」
「はいはい、喋ってる時間があったら課題やろうね。教えてあげるから」
「……はーい」