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恋に不器用なケモミミBL♂溺愛イケ甘ダリ黒豹×恋愛難美人バーテン雪豹『ロドンのキセキ◆瑠璃のケエス◆輝石ノ箱ヨリ◆芽吹』全21話  作者: 偲 醇壱
◆ XYZ ◆

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【New】LastDrop ✦ Drop.021『 XYZ 』【4】

「次、何にしますか?」

 そう問われた花厳のグラスは、ちょうど、次の一口で空になるところであった。

 その、ほどよい声掛けに称賛の意を込め、

「ありがとう」

 と、言った花厳は、オーダーを考える。

「う~ん。そうだな。――シーズンカクテルも今頂いたし……」

 そうして考える中、花厳は、ふと思い立つと、

「あ。じゃあ、――桔流君の今日のオススメをお願いしようかな」

 と、笑んだ。

 その花厳のオーダーに、桔流は嬉しそうにすると、

「かしこまりました」

 と、それを承るなり、またひとつ続けた。

「あ。花厳さん」

「ん? なんだい?」

 そんな桔流の手元を楽しみつつ、花厳は応じる。

 桔流は、シェーカーに氷を入れ、少量の水で氷を馴らしながら言う。

「もし良ければ、なんですけど。――来年の初詣、一緒に行きませんか?」

 桔流は、問いながら、手元のシェーカーに、ホワイトラム、ホワイトキュラソー、レモンジュースを、手際よく注ぎ入れてゆく。

 その桔流に、花厳は嬉しそうに言った。

「もちろん。いいよ。――君と初詣に行けるなんて夢みたいだな」

 そんな花厳に嬉しそうに笑むと、桔流は、

「俺もです」

 と言い、軽快な音を響かせシェーカーを振るった。

「あ。それで、――場所は、さっき言った〈白幸稲荷〉に行きたいなって思ってるんですけど、――どうですか?」

 その桔流の提案に、花厳は、

「うん。構わないよ」

 と言って微笑んだ。

 そして、しばし記憶を辿ると、続けた。

「その〈白雪稲荷〉って、確か、健康とか学問、商売繁盛とか、あとは、縁結びとかでも有名なんだっけ」

 桔流は、それに、

「そうです、そうです」

 と頷くと、続けて紡いだ。

「あと、恋愛だけじゃなく、夫婦仲とか、子宝のお願い事にもいいみたいですよ」

 その桔流の補足に、花厳は感心した様子で言う。

「そうなんだ……。――万能な神様だなぁ」

「ふふ。そうですね」

 そんな〈白幸稲荷〉は、花厳の言葉通り、多種多様なご利益を得られるという“万能さ”も人気の理由で、中でも、出会いを望む者、カップル、夫婦などの参拝者が多く見られる神社でもあった。

 そして、花厳と桔流は、その万能稲荷へと初詣に参じるわけだが――、その事を踏まえ、花厳はひとつ考える。

「う~ん。――でも、それだけ万能だと願い事に迷っちゃうね。――俺は、何をお祈りしようかな」

 そんな花厳の言葉を楽しげに聞きながら、

「ふふ」

 と笑うと、桔流は、仕上がったカクテルをグラスに注ぐ。

 次いで、注ぎきったところで、桔流は言った。

「来年の元旦に、花厳さんがお祈りする事なんて、ひとつしかないんじゃないですか?」

「え?」

 そんな桔流の瞳を見つめ返し、言葉の意を問う花厳に、桔流は微笑む。

 そして、仕上がったカクテルを花厳の前に丁寧に据えると、胸を張るようにして姿勢を正し、その長くしなやかな尾をひとつ揺らした桔流は、

「来年の元旦に、花厳さんが神様にお祈りするのは、コレです」

 と言うと、花厳が祈るべき願いを、告げた。

「――夫婦円満」

 そうして据えられたカクテルの名は、――“XYZ”。

 その名が有する由来は、様々な“終わり”、“最後”――。

 授けられた意味は、“これ以上にない”、“究極の”――。

 そんな彼には、さらに、“授けられた言葉”があった。

 授けられた言葉は、――“永遠にあなたのもの”。

 愛する者と過ごす、初めての聖夜。

 その祝夜。

 その手で仕上げたカクテルと共に、桔流が捧ぐは、花厳への――。

 

 

 

 

 

Fin.

 

旦 Thank you for your time... 旦

 

! 御完読 ✦ 大感謝 !

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