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恋に不器用なケモミミBL♂溺愛イケ甘ダリ黒豹×恋愛難美人バーテン雪豹『ロドンのキセキ◆瑠璃のケエス◆輝石ノ箱ヨリ◆芽吹』全21話  作者: 偲 醇壱
◆ XYZ ◆

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【New】LastDrop ✦ Drop.021『 XYZ 』【1】

 

 

 

 クリスマスを迎えたその日。

 空は、昨晩の大気を冷え込ませた理由をしんしんと語るかのように、柔らかな白雪を舞わせた。

 そんな――、ホワイトクリスマスとなったその年のクリスマスもまた、桔流(きりゅう)の愛するバー〈Candy(キャンディ)Rain(レイン)〉は、前夜よりも大きな賑わいをみせていた。

 

 

― LastDrop ✦ Drop.021『 XYZ 』―

 

 

 花厳(かざり)は、その夜。

 行きつけのバーまで辿り着くと、真っ白な三角耳に長細い純白の尾を持つ、小柄なバーテンダーに出迎えられた。

 その顔馴染みのバーテンダーと久方ぶりの挨拶を交わした花厳は、彼に案内されるまま、カウンター席の最奥――バーカウンター側の出入り口にほど近い席へと腰かけた。

 そして、それほど遅くもない時間帯でありながら、一部のカウンター席と予約席以外は空きのない店内を見回し、しばし安堵した。

(店に来る事、――昨日のうちに伝えておいて正解だったな……)

 花厳が店に行く事を事前に伝えていなければ、今宵の花厳が坐するのは、恐らく、あの――、厚い雪化粧を纏ったテラス席になっていたことだろう。

 花厳がそれに、文字通りの寒気を覚えていると、不意に、その花厳へと声がかけられた。

「アラ。いらっしゃいませ。お久しぶりですね。ハンターさん? ――メリークリスマスですわ」

「えっ?」

 それは、店の奥からカウンター内へと入ってきた店長――仙浪(せんなみ)法雨(みのり)の声であった。

 そんな法雨は、聞き慣れぬ呼び名に困惑する花厳を置き去りに、

「今宵は、い つ も 以 上 に 、ゆっくりされていってくださいね」

 と一部を妙に強調しながら続きの挨拶を颯爽と済ませ、にこりと微笑むと、また颯爽と立ち去って行った。

「あぁ、ど、どうも……――いや、“ハンターさん”って……」

 その随分と上機嫌であった法雨に、花厳は咄嗟に呼び名の意を問おうとしたが、その頃にはすでに、法雨は別の客の前に到着していた。

(――……法雨さん。機嫌は良さそうだったから、良い事があったのは確かだろうけど……。――でも、“ハンターさん”って、どういう……?)

 そんな法雨の様子を反芻し、花厳が一人考え込もうとしていると、ふと、上品な笑い声が聞こえた。

 その――自身が愛してやまない笑い声に、花厳が顔を上げると、そこには、カウンター越しに微笑む桔流が居た。

 桔流は、楽しげに言う。

「早速、法雨さんにからかわれましたね」

 花厳は、その桔流にひとつ微笑み、

「桔流君。――お疲れ様」

 と労うと、続けて問うた。

「えっと、“からかわれた”っていうのは……」

 そんな花厳に、桔流は楽しげに答える。

「ふふ。――どうやら、法雨さん。“花厳さんが俺の事逃がさない”って、最初から勘付いてたらしいですよ?」

 すると、花厳は少し驚いたようにして言った。

「え、あぁ……。――だから“ハンターさん”か……。なるほど……。――そうか……。――俺、そんなにがっつちゃってたのか……」

 そして、微かに耳を下げると、花厳は苦笑した。

 しかし、ふと顎に手をやった桔流は、その花厳に、ひとつ考えるようにして言った。

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