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恋に不器用なケモミミBL♂溺愛イケ甘ダリ黒豹×恋愛難美人バーテン雪豹『ロドンのキセキ◆瑠璃のケエス◆輝石ノ箱ヨリ◆芽吹』全21話  作者: 偲 醇壱
◆ CocktailGlass ◆

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Drop.020『 CocktailGlass〈Ⅱ〉』【3】

「えっ……。――それは、凄く意外だな」

 桔流は、楽しげに笑う。

法雨(みのり)さんの店で働き始める前から、そうだったんですけど。――俺、友人や家族を置いて、クリスマスを一緒に過ごしたいって思えるような恋人、できた事なくて」

「そうだったのか」

「はい。――なので、イヴも、クリスマスも――、恋人と過ごすのは、花厳さんが初めてです」

 そんな桔流に、未だ驚きの余韻を残しながら、花厳は言った。

「なんだか今年は、――早めのクリスマスプレゼントが盛り沢山だな……」

 すると、桔流は、にこりと笑んだ。

「ふふ。喜んでもらえて良かったです」

 そして、ふとベッドサイドを見やると、言った。

「あ。でも、――もうクリスマスになってますよ」

「え?」

 その桔流の言葉に促されると、花厳もまた、ベッドサイドに置かれた時計を見た。

 すると、時刻は確かにクリスマスを迎えていた。

 花厳は、その事実を確認するなり、

「ほんとだ」

 と、言うと、次いで桔流に視線を戻し、微笑んで言った。

「じゃあ、改めて、――メリークリスマス。桔流君」

 そんな花厳に嬉しそうにすると、桔流もまた、

「メリークリスマスです。――花厳さん」

 と言い、微笑み返した。

 そんな二人はそのまま視線を絡めると、ゆっくりと額を合わせては、そっと口付けを交わした。

 そのやわらかな感触が、再び脳を痺れさせ、心を幸福感で満たしてゆく。

(――幸せ……)

 心の中、桔流はひとつ零すと、そっと抱き締めてきた花厳の首に、やんわりとその腕を回した。

 そうして互いに抱き締め合い、深く食み合うような口付けを重ねるうち、彼らの理性は再びと熱に蕩け始める。

 そんな――、幾度窘めても駄々をこねる熱に再びと身を寄せた二人は、それからもまた、冷めぬ熱を宥め合った。

 幾度も――。

 幾度も――。

 

 かつての桔流にとって――、“指輪”とは、絶望の象徴でしかなかった。

 しかし、そんな絶望の象徴は、その日をもって――、愛と幸福の象徴へと、その身を転じた――。

 

 

 

 

 

Next → LastDrop ✦ Drop.021『 XYZ 』

 

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