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恋に不器用なケモミミBL♂溺愛イケ甘ダリ黒豹×恋愛難美人バーテン雪豹『ロドンのキセキ◆瑠璃のケエス◆輝石ノ箱ヨリ◆芽吹』全21話  作者: 偲 醇壱
◆ CocktailGlass ◆

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Drop.019『 CocktailGlass〈Ⅰ〉』【3】

「――で、その中のド定番と云えば……、――“いざ、その指輪をはめようとしたら、指のサイズと合わなくてぶかぶかだった、入らなかった”――なんてのが、ありますよね」

 対する花厳は、それにも、変わらず穏やかに応じた。

「あるね」

 桔流は、今度、それに悪戯っぽい表情を浮かべると、さらに言った。

「“その事”に関して、花厳さんは、――自信、ありますか?」

 すると、それにも表情ひとつ変えることなく穏やかに笑んだ花厳は、頷いた。

「うん。――あるよ」

 そんな、予想と異なる花厳の反応に、桔流はしばし目を丸くした。

 そして、すぐにその瞳を好奇心に煌めかせると、わくわくとした様子で問うた。

「ほんとですか?」

 花厳は、それにもにこやかに応じる。

「ほんと」

 その余裕っぷりに、桔流は、

「凄い……。――自信満々じゃないですか」

 と、より一層とわくわくした様子で身を乗り出すと、ソファ近くに置いていた手荷物の中から手早くリングケースを取り出すなり、ソファにそっと置いた。

 そして、そのままやんわりと左手を差し出すと、桔流は言った。

「じゃあ、はい。――どうぞ」

 すると、そんな桔流に、花厳はきょとんとする。

「え?」

 それに、桔流も不思議そうに言った。

「“え”って、――自信、あるんですよね? ――なら、ほら。証明してもらわないと」

 花厳は、やや驚いた様子で、その桔流の瞳を見つめ返し、問う。

「えっと……。もしかして――、指輪、してくれるの?」

 すると、桔流は首を傾げるようにして、にこりと笑んだ。

「ふふ。もちろんですよ。――指輪は、指にするためのものなんですから」

 そんな桔流に、花厳は嬉しそうに言う。

「確かに。そうだね。――でも、そう言ってもらえて嬉しいよ」

 そして、桔流に渡された化粧箱からシルバーリングを丁寧に取り出すと、

「じゃあ、失礼して……」

 と言い、桔流の手を優しく取るなり、その美しい指にリングを通した。

 桔流は、その様子を見届けると、小さく歓声をあげた。

「わぁ……」

 そんな桔流の瞳は、凛と佇むリングを映しながら、感動に煌めいていた。

「ほんとにぴったり……。――凄い……」

「ふふ」

 花厳は、それに満足そうに笑う。

 花厳の自信通り、リングのサイズ感は完璧であった。

 そのあまりの完璧さに、桔流はしばらくその瞳を煌めかせ続けた。

 しかし、その中、はたと気付くと、桔流は、再び悪戯っぽい笑みを浮かべ、花厳を見た。

「ねぇ。花厳さん?」

 そんな桔流の思惑に気付かず、花厳は穏やかに応じる。

「なんだい?」

 桔流は、その様子に一層によによとしながら、本題を紡いだ。

「指輪が、俺の指にぴったりはまって凄~く満足そうですけど……」

「?」

「この指輪が、――“この指”のサイズにぴったり合ってるって事は、この指輪、――わざわざ“この指”のサイズに合わせて作ったって事ですよね?」

 花厳は、そこでようやっと桔流の意図を悟り、ハッとした様子で言った。

「え……、あ……。――あ~……、ははは……。その……、――…………つい」

 そして、花厳が苦笑すると、薬指のリングをひとつ撫で、桔流は言った。

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