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恋に不器用なケモミミBL♂溺愛イケ甘ダリ黒豹×恋愛難美人バーテン雪豹『ロドンのキセキ◆瑠璃のケエス◆輝石ノ箱ヨリ◆芽吹』全21話  作者: 偲 醇壱
◆ Shake ◆

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Drop.018『 Shake〈Ⅱ〉』【6】

「――じゃあ、どうして家まで来てくれたの? ――あれを“同じ物”だと思ってたのなら、俺には相当幻滅してたと思うし、俺の家に来るのだって、本当は嫌だったんじゃない?」

 それに、桔流は黙した。

「………………」

「……?」

 その様子に、花厳が不思議そうにしていると、桔流はまた不満げな声で、言った。

「……どうせなら……最後に………………、――胃袋掴んでやろうと思っただけです……」

 すると、その予想外の答えに、ひとつ眉を上げた花厳は、思わず笑みを零すなり、桔流をぎゅっと抱きしめると、酷く嬉しそうに言った。

「――桔流君。――その理由は、可愛すぎるよ」

 それに対し、桔流は、花厳の腕の中で、

「……ふん」

 とだけ言うと、照れ隠しなのか、そのまま花厳のコートの中に顔を埋めた。

 花厳は、その様子をまた酷く愛しく感じ、桔流の髪に軽く口付けると、再びそっと抱き寄せた。

 それから、しばらくの沈黙を挟んだ後。

 桔流が、花厳の名を呼んだ。

「――……花厳さん」

 花厳は、それに愛おしげに応じる。

「なんだい」

 そんな花厳を抱き締め返すようにすると、桔流は続けた。

「俺を、選んでくれて――、俺を、好きになってくれて――、ありがとうございます……」

 それに目を細めると、愛おしげに微笑み、花厳は言った。

「――こちらこそ」

 そして、さらに紡いだ。

「――桔流君。――またここに来てくれて、ありがとう」

 桔流は、それに、顔を上げると、

「……はい」

 と、微笑んだ。

 花厳は、その桔流の頬に手を添えると、そっと口付ける。

 そして、恋しくすら感じていた、久方ぶりのその感触を幾度か確かめ合うようにした後――。

 二人は、再び互いに抱き締め合うと、その幸せで心を満たした。

 互いの温もりを通じ、確かに“ここ”に居ると感じ合える――安心感。

 互いとの触れ合いを通じ、その存在を肌で感じ合える――幸福感。

 そんな、かけがえのない充足感を噛みしめるようにして、それからも二人は、しばらくの間、ただひたすらに抱き締め合った。

 

 

 

 

 

Next → Drop.019『 CocktailGlass〈Ⅰ〉』

 

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