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恋に不器用なケモミミBL♂溺愛イケ甘ダリ黒豹×恋愛難美人バーテン雪豹『ロドンのキセキ◆瑠璃のケエス◆輝石ノ箱ヨリ◆芽吹』全21話  作者: 偲 醇壱
◆ Shake ◆

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Drop.017『 Shake〈Ⅰ〉』【4】

「あ。――もしかして、どれも微妙?」

 桔流はそれに、幾度かゆるりと首を振り、言った。

「いえ……。――どれもいいなと思って、迷ってます」

 そんな桔流に、花厳は、楽しげに笑った。

「ははは。なるほど。――じゃあ、存分に迷ってもらっていいよ。ここに置いておくから。好きなのを飲んで。――もちろん、全部でもいいよ」

 その中、三つの選択肢がドリンクホルダーに置かれると、桔流はまた首を振って言った。

「え。いや。それは流石に……――あの、良ければ、花厳さんが先に選んでください。――俺は本当に、どれも好きなので」

 花厳は、それに、眉を上げて笑むと、首を傾げるようにして言った。

「――それは、奇遇だね」

「え?」

 桔流も、つられて首を傾げる。

 そんな桔流に笑むと、花厳は続けた。

「――俺も、どれも好き。――だから、君が先に選んでくれると嬉しいな。――知ってるでしょう? 俺、優柔不断なんだ」

(――本当に、この人は……)

 桔流は、再び心で紡いだその言葉と共に、思わず眉間に皺を寄せた。

 そして、その後。

 散々と悩んだ桔流は、ふと、舌が甘味を欲しているように感じ、その中で最も甘味らしいホットココアを選ぶ事にした。

「――じゃあ、ココア、頂きますね。――ありがとうございます」

 そんな桔流が、ホットココアを手に取りながら言うと、花厳は、

「うん。どうぞ」

 と、笑顔で頷き、自身は、珈琲のボトルを手に取った。

 桔流は、しばしココアのボトルで手を暖めると、ぱきりと開封した。

 そして、ボトルから香る芳醇な甘い香りに、ほっと心が癒されるのを感じながら、桔流はココアを頂く。

 それに並び、花厳もまた、珈琲に口をつけると、言った。

「――ところで、桔流君。話をするのは、車の中で大丈夫だったかな? ――外だと流石に冷えるし、かといって、お店で話すのも、ちょっと落ち着かないかなと思って、ここに停めたんだけど。――もし、桔流君がお店の方が良ければ」

 桔流は、そんな花厳の言葉をやんわりと制するようにひとつ息を吸うと、言った。

「――花厳さんの家が、いいです」

 それに、一瞬だけ驚いたように黙した花厳は、

「――……分かった」

 と、言うと、その理由などは特に言及せず、

「じゃあ、とりあえず、このまま家に戻るね」

 と、続けた。

 桔流は、それに、

「はい。――お願いします」

 とだけ紡ぎ、自身の膝元に視線を落とすと、ボトルにひとつ口をつけ、甘味で心を温めた。

 ✦

「――どうぞ」

 その後。

 心地よい運転に揺られ、無事に花厳の家までやってきた桔流は、花厳に丁寧に招かれると、久方ぶりの想い人の家に、足を踏み入れた。

 そんな桔流は、玄関口にあがりながら、

「有難うございます。お邪魔します」

 と、礼節を払うと、花厳に言った。

「――あ。俺、ブーツなので。花厳さん、お先に」

 花厳は、それに、

「あぁ。分かった。――ゆっくりでいいからね」

 と応じると、丁寧に靴を脱ぎ、廊下へとあがった。

 そして、そのまま廊下を歩みながら、桔流を振り返り、

「とりあえず、何か温かいものでも……」

 と言ったところで、花厳は、言葉を切った。

 そんな花厳は、伺うようにして、桔流に問う。

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