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恋に不器用なケモミミBL♂溺愛イケ甘ダリ黒豹×恋愛難美人バーテン雪豹『ロドンのキセキ◆瑠璃のケエス◆輝石ノ箱ヨリ◆芽吹』全21話  作者: 偲 醇壱
◆ Shake ◆

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Drop.017『 Shake〈Ⅰ〉』【3】

(それだけは、嫌だ……)

 だからこそ、例え、その行動によって本当にすべてが終わるとしても、桔流は、自分から行動を起こす事を選んだ。

(――どうせ、終わりになるなら、――ちゃんと、すべてを知った上で、終わりたい)

 今一度、強く思った桔流は、手元から視線を上げると、そのまま、夜空を見上げた。

(ちゃんと話して、――……終わろう)

 夜空は、星々を隠し佇みながらも、そんな桔流の視線を、穏やかに受け止めた。

 それに、ひとつ息を吐けば、夜空を覆う暗い雲に向かい、真っ白な靄がふわりと昇った。

 その靄を見送っている中、桔流の身体がひとつ震える。

 桔流の身体は、店でたっぷりと暖まっていたはずだった。

 しかし、その夜の寒気は、たった数分ほどでも、大いに体温を奪うほどの冷気を纏っていた。

 それに、ひとつ身震いした桔流が、

(さっむ……。――やっぱ、どっか入るか……)

 とひとつ思うと、そんな心を察したかのように、スマートフォンが着信を報せた。

 その報せに応じ、桔流は手早くスマートフォンを確認すると、通話ボタンを押した。

「――はい」

 イヤフォンからは、再び花厳の声が伝う。

『――待たせてごめん。着いたよ』

 桔流は、その声に心動かされながら、応じる。

「いえ、大丈夫です。――車、どこに停めてますか?」

 花厳は、それに、近場の駐車場に停めている旨を示した。

 そこは、花厳と距離を置くまでの間、花厳との待ち合わせに幾度も使っていた駐車場であった。

 桔流は、それに、胸が詰まるのを感じながらも、

「分かりました。――すぐ、行きますね」

 と言い、通話を切ると、足早に花厳のもとへと向かった。

 ✦

 桔流が駐車場に足を踏み入れると、車の外で、車体に寄りかかるようにしていた花厳は、桔流に向かい、穏やかに微笑んだ。

 そして、軽く頭を下げた桔流が、足早に花厳の元へと向かうと、花厳は手慣れた様子で助手席を開け、

「お疲れ様」

 と、言った。

 その洗練された動作に、桔流は思わず、

(おぉ……流石……)

 と、心で感嘆を漏らした。

 そうして、まるで映画で見る専属の運転手や執事かの如く、桔流を出迎えた花厳は、桔流を助手席へと誘うと、

「ちょっと待っててね」

 と言うなり、丁寧にドアを閉め、その場から離れて行った。

 そして、それを不思議に思いつつも、桔流が暖かな車内で暖をとっていると、数分もしないうちに運転席のドアが開いた。

 宣言通り、すぐに戻ってきた花厳は、そのまま運転席へと腰かけると、コートのポケットから何かを取り出し、桔流に言った。

「待たせてごめんね。――桔流君は、どれがいいかな? 紅茶と珈琲、ココアがあるけど」

 どうやら花厳は、桔流の身体が冷えている事を察してか、近場の自販機で温かい飲み物を買ってきたらしい。

(――この人は……)

 桔流は、その手際の良すぎる花厳に、妙な懐かしさを感じ、心の内で苦笑した。

 そして、花厳が示した三つの選択肢を眺めながら、しばし黙した。

「――……」

 その様子に、花厳は穏やかに問う。

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