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恋に不器用なケモミミBL♂溺愛イケ甘ダリ黒豹×恋愛難美人バーテン雪豹『ロドンのキセキ◆瑠璃のケエス◆輝石ノ箱ヨリ◆芽吹』全21話  作者: 偲 醇壱
◆ LemonJuice ◆

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Drop.015『 LemonJuice〈Ⅱ〉』【3】

「いやいや。経験した事は、そのすべてが知識だ。――僕らも、様々な研究を通じて様々な経験をして、その経験から得られたものを、ひとつの知識として世に出しているだけだ。――勿論、君から教えてもらっているのは恋愛に関する事だけど、それも、僕にとっては必要な知識だからね。――君に教えてもらった事は、貴重な知識であり、大きな財産だよ。――だから、こんな僕に呆れないで、恋愛について色々と教えてくれる桔流君には、いつも感謝してるんだ。――本当に、ありがとうね」

 そして、ひとつ礼を言った教授は、再び、桔流の頭を優しく撫でた。

 それに、桔流の心は、大きな幸福感で満たされる。

 その中、桔流は決した。

(卒業したら、ちゃんと告白しよう)

 “今すぐに”――を選ばなかったのは、生徒と教授という間柄では、気持ちを受け取ってもらえない事を確信していたからだった。

(本当はすぐにでも言いたいけど、でも――)

 桔流は、以前、教授が生徒から告白を受けた事を知っていた。

 また、その告白に対し――“僕は先生で、君はまだ学生だ。――だから、君の気持ちは、今の僕には受け取れない。すまないね”と、断ったのも知っている。

 盗み聞きするつもりはなかったのだが、その扉を通らなければ研究室の外に出られないという状況では、その一連のやりとりを聞くしかなかった。

 だからこそ桔流は、はやる気持ちを抑え、卒業の時を待つ事にしたのだ。

 そして、長いようであっという間の日々を経て、桔流の学生生活は、いよいよと最終日を迎えようとしていた。

 そんな、とある日の夕暮れ時。

 桔流は、いつもと同じように、教授と二人きりで過ごしていた。

 その中、ふと、教授のデスクに目をやると――、そこには――、小ぶりの紙袋が置かれていた。

 それは、出張先からの手土産にしては小さく、しばし上品すぎる光沢感を備えていた。

 また、夕陽色に染まるその純白の紙袋に添えられた、金色のブランド名の煌めきも、土産菓子ではないような雰囲気を醸し出していた。

 その紙袋のすべてが、教授の手荷物としては酷く珍しい様相だ。

 桔流は、そのあまりにも珍しい事につられ、教授に問うた。

「先生。――それ、贈り物ですか?」

 その珍しさから、桔流はそれを、教授が、誰かから受け取った贈り物だと思った。

 そんな桔流の視線に示され、ふと紙袋を見た教授は、しばし慌てたようにして言った。

「え? あ、あぁ! これかい? えっと、う、うん。――そうなんだ」

 そして、言い終えた教授は、紙袋の淵に触れると、しばし照れくさそうにして続けた。

「いつ、君にお礼を言おうか迷ってたんだけどね」

「……?」

 桔流は、その教授を不思議に思いつつも、彼の言葉を、黙して聞いた。

 彼は、はにかみながら紡ぐ。

「ちょうど良かった。――こんなタイミングで申し訳ないけど、これは本当に、君のおかげでね」

 桔流は、その、妙に改まった様子にくすぐったさを感じ、苦笑する。

「え。ちょっと、なんですか、いきなり」

 そんな桔流に、また照れくさそうにしながらはにかむと、教授は言った。

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