表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋に不器用なケモミミBL♂溺愛イケ甘ダリ黒豹×恋愛難美人バーテン雪豹『ロドンのキセキ◆瑠璃のケエス◆輝石ノ箱ヨリ◆芽吹』全21話  作者: 偲 醇壱
◆ WhiteCuracao ◆

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

58/98

Drop.013『 WhiteCuracao〈Ⅱ〉』【2】

「勿論合うさ。君のお手製だからね。――いつもの事だけど、口に合わない方が難しいよ」

 桔流は、それに、酷く嬉しそうに笑った。

 ✦

 二人がお決まりのやりとりを交わした後。

 花厳が、手土産の上質なチーズやつまみたちを一旦冷蔵庫に入れ、席に着くと、桔流は言った。

「今日は、早摘みワインを用意してみたんですけど、――ちょっと奮発して、いつもより良いやつにしてみたんです。――これも、お口に合うといいんですが」

 花厳はそれに、嬉しそうに言う。

「早摘みワインか。――そういえば、あまり飲んだ事なかったな。――桔流君が選んでくれた事もあるし、楽しみだよ」

 桔流は、その花厳の言葉にまたひとつ嬉しそうに笑うと、桔流のグラスに、丁寧にワインを注いだ。

 グラス上では、美しく艶めくドレスを舞わせるようにして、深紅が舞台を満たしてゆく。

 花厳は、その美しさを楽しみながら、深紅を躍らせている想い人の白く美しい指にも、ふと目をやる。

 贅沢にも、今となっては度々と間近で味わう事が出来るようになった、そのひと時は、花厳にとって、かけがえのないもののひとつになっていた。

「注ぐよ」

 そして、桔流にとっても、それは同じだった。

 花厳がそうであるように、桔流も、グラスを満たしてゆく花厳の姿を見るのが好きだったのだ。

 だからこそ、自身がグラスを満たした後に、花厳に声をかけられると、その度に自然と心が躍った。

 そんな桔流が、その至福のひと時を堪能し終えた頃。

 二人は、ひとつ上品に乾杯をすると、それからしばらく、談笑を楽しみながら、桔流の手料理とワインを十二分に味わった。

 ✦

 そうして、その晩も、桔流と花厳が、その晩の幸福をたっぷりと味わいきろうとしていた頃。

 時刻は、すっかりと日を跨いでいた。

 その中、花厳は、ふと思い出したようにして、

「そうだ」

 と、言うと、一度席を立った。

 すっかりと満足感に浸っていた桔流は、それを不思議に思いつつも、黙したまま見守った。

 すると、すぐにリビングへと戻ってきた花厳は、そのまま桔流の向かいの席へと戻った。

 そんな花厳は、恐らくは自室から――、何かを持ってきたようだった。

 花厳はそれを、トン――と、優しくテーブルに置く。

 見ればそれは、光沢感のある、小ぶりな、――瑠璃色の紙袋だった。

 その小ぶりな紙袋には、ブランド名と思しき〈B-tail(ビーテイル) Bless(ブレス)〉という銀色の文字が、上品に印字されている。

(――………………)

 それは、ファッションアイテムや化粧品のみならず、ジュエリーでも大変有名な大手ブランドの名である。

 桔流は、そのブランド名が印字された瑠璃色の小ぶりな紙袋に――、確かに見覚えがあった。

 それは、今から幾分か月日を遡った、とある夜の事――。

 バーのメニューが、秋色に移り変わって久しい、とある秋の夜の事――。

 その紙袋は、そんな、"あの夜"に見た――、桔流自身が幾度もその手で抱えた――、あの瑠璃色と同じ様相をしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ