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恋に不器用なケモミミBL♂溺愛イケ甘ダリ黒豹×恋愛難美人バーテン雪豹『ロドンのキセキ◆瑠璃のケエス◆輝石ノ箱ヨリ◆芽吹』連載中  作者: 偲 醇壱
◆ Ice and a litttle water ◆

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Drop.007『 Ice and a litttle water〈Ⅱ〉』【4】

「……すみません」

 そんな桔流の耳や尾はすっかり垂れ、桔流本人と同じように元気をなくしてしまった。

 しかし、そうして黙した桔流に、花厳はひとつ微笑み、先ほどと変わらぬ優しい声色で言った。

「――桔流君。今の話は、俺が勝手に言い出した事なんだから、君は謝らなくていいんだよ。――俺の方こそ、突然こんな事を言い出してごめんね」

「あっ、い、いえ、あの、俺の方こそ――」

 その謝罪を受け、ハッとして顔を上げた桔流は、咄嗟の言葉を紡ごうとした。

 しかし、そんな桔流の言葉を、

「――でも、申し訳ない」

 と言い、やんわりと制すと、花厳は続ける。

「――俺って結構、諦めが悪くてね……」

「?」

 すると、そんな花厳の言葉を不思議に思った桔流は、未だ不安そうな表情を浮かべながらも、花厳の言葉を待った。

 その様子を一目すると、花厳は今一度詫び、続ける。

「ごめんね。――実は俺。もう、君に何を言われても諦められないくらい、君の事を好きになってしまったみたいなんだ。――だから今の俺は、君をただの友人として見る事は出来ない」

「え、――で、でも」

「だから、――桔流君」

 さらりと告白され、桔流は動揺した。

 しかし、花厳は、そんな桔流をもやんわりと人差し指を立て制すると、今度はにこりと笑んで言った。

「――こういうのはどうだろう?」

 そんな花厳に困惑しながらも、桔流はとにかく黙し、花厳の声に集中した。

 そうして、一心に花厳の言葉に耳を澄ませる桔流の双眸を、その金色の瞳で捕えながら、花厳は続けた。

「俺はこれから、君に“好き”になってもらうための努力を始める。――だから、その過程で、もし君が、俺に恋愛感情をもてて、俺の事を本気で“好き”になれたら、その時は、――正式に、俺の恋人になって欲しい。――どうかな」

「………………」

 桔流は、そんな花厳の提案を受け、言葉に窮した。

 しかし、その様子を見ても、花厳はにこやかに続けた。

「――とはいえ、今はまだ、付き合う事まで考えなくていいよ。――今は、俺が一方的に桔流君に惚れてるだけで、桔流君は俺の事を好きなわけじゃないからね。――だから、さっきの告白に対する返事も、勿論しなくて大丈夫」

「――で……でも……」

 そんな花厳に困惑しながらも、桔流はなんとか言葉を紡ぎ、不安げに問う。

「もし、努力してもらっても、好きになれなかったら……?」

 その問いに、花厳は優しく微笑む。

 そして、ゆっくりと言った。

「その時は、――友人として過ごそう」

 桔流はそれに、弾かれたように紡ぐ。

「えっ、――でも、――それじゃあ、花厳さんの気持ちが……」

「大丈夫」

 そんな桔流に、花厳は変わらず穏やかに言った。

「?」

 桔流はそれに、不安げに首を傾げる。

 花厳は言う。

「勿論、俺は、その時も君の事が好きなままだろうね。――でも、君が俺の事を好きになれなくて、恋人同士になれなかったとしても、君は、それ以降も変わらず、友人として、今と同じように、俺と食事をしてくれるんでしょう?」

「え?」

「違う?」

「い、いえ……」

 花厳が優しく問うと、桔流は首を振る。

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