表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋に不器用なケモミミBL♂溺愛イケ甘ダリ黒豹×恋愛難美人バーテン雪豹『ロドンのキセキ◆瑠璃のケエス◆輝石ノ箱ヨリ◆芽吹』連載中  作者: 偲 醇壱
◆ Ice and a litttle water ◆

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/80

Drop.006『 Ice and a litttle water〈Ⅰ〉』【5】

「そうなのかい? 全然、そんな事なさそうだけど。――それだけ美人さんだと、告白される事も多いんじゃない?」

「ふふ。ありがとうございます」

 対する桔流は、花厳のさり気ない褒め言葉に礼を言うと、手元にあるグラスの淵をゆるりと指で撫で、続けた。

「――確かに、告白される事はまぁまぁあるんですけどね。――ただ、なんていうか、俺……、恋愛とかって、向いてないんですよね……」

 花厳は、そう言った桔流の言葉に何かしらの含みがあるように感じ、しばし話を掘り下げる事にした。

 花厳は、何気なく問う。

「“向いてない”って……、――例えばそれは、恋人が居るのが面倒くさいとか、そういう感じかい?」

「――えっ。あぁ。えっと~………………、――……そういうわけじゃ、ないんですけど」

 花厳の問いに、何かを考えるようにしながら、桔流は続ける。

「――付き合うの、は……、――……いい……んです。――でも……俺……、――……あ、そう! ――自分から誰かを好きになる事がなくて! ――そもそも、“好き”ってどういう感じか、いまいちピンと来ないんですよねぇ~。――うん。そんな感じです。」

 桔流が目を伏せながら視線を巡らせ、何かを取り繕うようにして言葉を並べ切ると、そんな桔流を訝しむ様子もなく花厳は言った。

「なるほど……。――じゃあ、告白されて付き合ってみても、一向に相手を好きになれないまま時間だけが過ぎてしまう――みたいな感じなのかな?」

「は、はい。そうです、ね……。――多分……」

「――で、色々あって結果お別れ、か」

「そ、そうっ。――そんな感じです」

 ゆっくりと話す花厳に対し、桔流は妙に駆け足気味な応答をした。

 しかし、花厳はそれも気に留める事はなく、続けた。

「――まぁ、桔流君がまだ好きになっていない相手から告白されるわけだもんね。――好きになる前に好きになられて、好きにならないといけない事ばかりが続いたら、それは、分からなくもなるか……。――桔流君みたいな子は、子供の頃からモテただろうし」

「あ、あぁ。まぁ……」

 そんな花厳の憶測は、大いに当たっていた。

 実際のところ、桔流はこれまでの人生で、数えきれないほどの告白を受けてきた。

「――俺、小学生の時に人生で初めて告白されたんですけど、思えば、その後からずっと、誰かのカレシ、カノジョだった気がします」

 そんな話の中、なんとなくげっそりとした様子で過去をチラつかせた桔流に、花厳は笑って言った。

「ははは。女の子は、おませな子も多いからなぁ。――桔流君は、小学生の頃からかっこよかったんだね」

 桔流は、それにひとつ唸る。

「う~ん。どうなんでしょう。――かっこいいからっていうか、運動が得意な子がモテる法則の方が強かったかもしれません」

 そして、桔流がひとつの見解を述べると、花厳は妙に納得した様子で、

「あぁ。なるほど……」

 と、言った。

 と云うのも、――花厳がまさにそうであったからだ。

 

 

 

 

 

Next → Drop.007『 Ice and a litttle water〈Ⅱ〉』

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ