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恋に不器用なケモミミBL♂溺愛イケ甘ダリ黒豹×恋愛難美人バーテン雪豹『ロドンのキセキ◆瑠璃のケエス◆輝石ノ箱ヨリ◆芽吹』連載中  作者: 偲 醇壱
◆ Ice and a litttle water ◆

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Drop.006『 Ice and a litttle water〈Ⅰ〉』【3】

「好きな事は、疲れないんですよ。――だから、申し訳ないなんて思わなくて大丈夫です。――招いておいて、お待たせしちゃうのは、こちらこそ申し訳ないんですけど」

 そして、桔流が苦笑すると、花厳は微笑んで言った。

「とんでもない。こちらは何もしてないのに手料理を振る舞ってもらえるんだから。――それに、美味しい料理は、待っている時間も楽しいものだからね」

 すると、桔流はまた嬉しそうに言った。

「ふふ。花厳さんは、いつもお上手ですね」

 桔流は、生粋の料理好きであった。

 そんな桔流は、それから、花厳と談笑しながら手際よく調理を進め、様々な料理やつまみを美しく盛り付けていった。

 そして、最後の一品を仕上げると、

「これで最後かな?」

 と、花厳が声をかけた。

「あ、はい! そうです」

 それに桔流が頷くと、花厳はにこりと笑んで、キッチンのワークトップから丁寧に皿を持ち上げ、テーブルへと運んだ。

 そんな花厳に、

「結局、手伝ってもらっちゃってすみません」

 と、濡れた手を丁寧に拭いながら、桔流は言った。

 花厳はそれに、笑顔で応じる。

「いやいや。流石に椅子に座ってるだけっていうのは、俺も心苦しいからね」

 そして、最後の一品をことりとテーブルの中央に置くと、花厳は続けた。

「お疲れさまでした。――短い時間でこんなに沢山作れるなんて、本当に凄いね。頂くのが楽しみだよ。――ありがとう」

 すると、花厳の向かいの椅子を引いた桔流は笑顔を返し、

「ふふ。こちらこそ。――お待たせしてしまってすみませんでした。――どうぞ、花厳さんもかけてください」

 と言いつつ、花厳に着席を促した。

 花厳はそれに応じ、

「ありがとう」

 と、礼を言うと、桔流の向かいの椅子に腰を落ち着けた。

 そうして花厳が着席したのを確認すると、桔流は言った。

「お口に合うといいんですけど」

 すると、花厳は目を細めて笑み、言った。

「心配いらないよ。桔流君のお手製だから。――口に合わない方が難しいんじゃいかな」

 そんな花厳の言葉に嬉しそうにした桔流は、

「ふふ。そうだといいんですけど。――あ、いきなり瓊本酒でも大丈夫ですか?」

 と言い、本日の主役――樹神から賜った上質な瓊本酒を手に取り、花厳に示した。

 花厳はそれに、変わらぬ笑顔で応じる。

「うん。大丈夫だよ。ありがとう」

「いえ。――それじゃあ」

 そして、そう言った桔流が、きんと冷やされた純白の酒瓶から丁寧に瓊本酒を注ぐと、美しい空色の装飾が施された小ぶりなグラスが、澄み渡った清酒でとくとくと満たされてゆく。

 花厳は目を細め、その贅沢なひと時を堪能した。

 それから、一つ目のグラスが清酒で満たされた頃。

 花厳がゆっくりと声をかけた。

「注ぐよ」

 すると、桔流は、ひとつ苦笑するなり、

「ありがとうございます」

 と、遠慮がちに礼を言い、花厳にそっと酒瓶を手渡した。

 花厳は、それに、

「いいえ」

 と言い、丁寧に酒瓶を受け取ると、桔流が寄せてくれたグラスに瓊本酒を注ぎ始める。

 その間。

 花厳は、目の前の美しいグラスについて、桔流に尋ねた。

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