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Drop.005『 Shaker〈Ⅲ〉』【6】
「――すみませんっ! お待たせしました」
そうして、階段を下りきるなり、タクシーに乗り込み桔流が声をかけると、運転手は愛想よく出迎え、桔流を労った。
桔流は、そんな運転手の心地よい運転に身を任せ、会話を楽しみながら、再び自宅までの帰路を辿った。
その間、桔流は土産の瓊本酒を見やりながら、花厳とした食事の約束を思い出していた。
そして、
(――せっかく美味い酒貰ったし、花厳さんが良いなら、次は家でもいいかもな……)
と、思い至った桔流は、スマートフォンを取り出すなり、昨日登録した花厳の連絡先をディスプレイに表示した。
(近いうちに連絡してみよ……)
心地よい運転に揺られながらひとつ思った桔流は、ふと夜空を見上げると、流れゆく星たちを見送った。
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