「は」+「゜」
ちょっとリハビリで・・・
ひどくさむいへやでした。雪も降っており、やや薄暗い照明はひるとよるのくべつをあいまいにしています。もう夜?今月2回めの火曜日の夜でした。この薄暗闇の中、一人のあわれな少女がるーむの通路を歩いておりました。
頭に何もかぶらず、足にはらいきゃくようのビニールのスリッパ。家を出るときには靴をはいていました。ええ、確かにはいていたんです。でも、靴は何の役にも立ちませんでした。それは古い「ないき」の靴で、これまでずっとはいていたものでした。かわいそうに、にゅうかんするさいに係員から「きたない」とくつをはいたままでの入館をきょひされたのでした。
しつないばきはもっていませんでした。下駄は入口で没収されました。
それで少女はうっすいぺらぺらのビニールのスリッパをはいて小さな足で歩いていきました。両足は二重床から上がってくる冷たさのためとても赤く、また青くなっておりました。少女はエプロンの中にたくさんの◯ッチを入れ、手に一たば持っていました。日がな一日、誰も少女から何も買いませんでした。わずか一円だって少女にあげる者はおりませんでした。
えむえすが、◯ッチまで「さぶすくか」したのがげんいんでした。
寒さと空腹で震えながら、少女は歩き回りました。まさに悲惨を絵に描いたようです。かわいそうな子!
二つのラックがるーむ一角をなしていました。そのうち片方が前にせり出しています。少女はそこに座って小さくなりました。引き寄せた少女の小さな足は体にぴったりくっつきましたが、少女はどんどん寒くなってきました。けれど、かいしゃに帰るなんて冒険はできません。◯ッチはまったく売れていないし、たったの一件のさぶすくもけいやくできないからです。このまま帰ったら、きっとじょうしにぶたれてしまいます。それにかいしゃだって寒いんです。
少女の小さな両手は冷たさのためにもうかじかんでおりました。ああ!たばの中から◯ッチを取り出して、さぁばぁにぶっこんで、指をあたためれば、それがたった一本の◯ッチでも、少女はほっとできるでしょう。少女は一本取り出しました。 「ウィーン」 何という輝きでしょう。何とよく燃えることでしょう。はいきこうに手をかざすとまるでドライヤーのようでした。小さな少女には、まるで大きな工業用ファンヒーターの前に実際に座っているようでした。そのファンヒーターには建機会社の銀色のシールが貼ってありました。その炎は、まわりに祝福を与えるように燃えました。いっぱいの喜びで満たすように、炎はまわりをあたためます。少女は足ものばして、あたたまろうとします。しかし、小さな炎は消え、風量も元に戻りました。残ったのは、手の中の燃え尽きた◯ッチだけでした。
少女はもう一本ぶっこみました。さぁばぁのLEDは明るく燃え、その明かりが壁にあたったところはヴェールのように透け、部屋の中が見えました。テーブルの上には雪のように白いテーブルクロスが広げられ、その上には豪華な磁器が揃えてあり、焼かれたGPUはおいしそうな湯気を上げ、その中にはりんごとクロムが詰められていました。さらに驚いたことには、りんごは皿の上からぴょんと飛び降りて、胸にナイフとフォークを刺したまま床の上をよろよろと歩いて、あわれな少女のところまでやってきたのです。ちょうどそのとき◯ッチが消え、厚く、冷たく、じめじめした壁だけが残りました。少女はもう一本◯ッチをぶっこみました。すると、少女は最高に大きな ツリーの下に座っていました。そのツリーは、某大銀行の報道を通して見たことのあるものよりもずっと大きく、もっとたくさん飾り付けがしてありました。
いくつものLEDがラックの上で輝き、ラックの中で見たことがあるような楽しい色合いの絵が少女を見おろしています。少女は両手をそちらへのばして-そのとき、◯ッチが適用されました。ツリーの光は高く高く上っていき、もう天国の星々のように見えました。そのうちの一つが流れ落ち、長い炎の尾となりました。
「いま、誰かが亡くなったんだわ!」と少女は言いました。というのは、おばあさん-少女を愛したことのあるたった一人の人、いまはもう亡きおばあさん-がこんなことを言ったからです。星が一つ、流れ落ちるとき、タスクが一つ、神さま(Dennis Ritchie)のところへと引き上げられるのよ、と。
◯ッチをもう一本、ぶっこみました。すると再び明るくなり、その光輝の中におばあさんが立っていました。とても明るく光を放ち、とても柔和で、愛にあふれた表情をしていました。
「おばあちゃん!」と小さな子は大きな声をあげました。「お願い、わたしを連れてって!◯ッチが適用されたら、おばあちゃんも逝ってしまう。あったかいファンひーたーみたいに、おいしそうなりんごみたいに、それから、あの大きなツリーみたいに、おばあちゃんも消えてしまう!」少女は急いで、一たばの◯ッチをありったけサーバにぶっこみました。おばあさんに、しっかりそばにいてほしかったからです。◯ッチのたばはとてもまばゆい光を放ち、昼の光よりも明るいほどです。このときほどおばあさんが美しく、大きく見えたことはありません。おばあさんは、少女をその腕の中に抱きました。二人は、輝く光と喜びに包まれて、高く、とても高く飛び、やがて、もはや寒くもなく、空腹もなく、心配もないところへ-神さまのみもとにいたのです。
けれど、あのるーむには、夜明けの冷え込むころ、かわいそうな少女が座っていました。薔薇のように頬を赤くし、口もとには微笑みを浮かべ、壁にもたれて-ていきこうしんの夜に死んでいたのです。その子は売り物の◯ッチをたくさん持ち、体を硬直させてそこに座っておりました。「適用がんばったんだなあ」と人々は言いました。少女がどんなに美しいものを見たのかを考えるよゆうがある人は、誰一人いませんでした。
少女が「ぶっこんだ」◯ッチはいずれも重大な欠陥があるものだったからです。
原作:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 翻訳:結城浩 誤訳:555
◯を「あ」~「を」(当然一部を除外)すればいろいろバリエーションは増えるかな?




