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解脱してしまった

”世界はこうして終焉を迎えた、そしてそこに残るのは虚無と悲しみに暮れる女神のみ・・・・。”スマホをふるえる片手で見ながら「酷い話だな・・・」とネット小説を読み終わり呟く・・・・・、いかん・・・朦朧としてきた、最後に口にしたのは何だったか、水・・・はもう出ないのか・・・・これはいよいよ危ないな、まあしょうがないなるようになるさ・・・・・そして意識を失った。

??あれ?

・・・・・部屋・・・・じゃない?

・・・

・・・

 何処だろう此処は・・・・・・なんだか上に超巨大な黒いもの・・・・下にも同じ黒いものがふわふわしている・・・・。

よく見ると遠くとか近くとか同じようなものが見える・・・・・それを囲むように青白い光の粒子が出たり入ったりを繰り返す・・・・・・。

あの世? とかだろうか??もしかして・・・・・



「まあ珍しい・・・・いらっしゃい」女性の声が後ろから聞こえて声をかけられたようだ、振り向くと優しそうな美人が・・・・浮いてる? 浮いてる・・・・・「えっと、何処ですか? 此処」彼女を見ると羽が生えてるな・・・・人間? ではない・・・人間に角は生えてないし・・・・・「そうね、私は女神だから人間とはちょっと違うわね」・・・・・・女神らしい、というか心読まれたのか?

「私はフリージア、貴方の足元にある宇宙を管理してる神の一人です」足元? 巨大な黒い丸を見ると星雲のようなものが見えた。

「私は死んだんですかね? もしかして・・・」

フリージア「そうね死んだというか解脱したのね・・・あなたの国の言葉で言えば・・・・」

「解脱?・・・ですか?」

フリージア「即身仏って言うんでしょ? あなたみたいなのを・・・・」

 少し考える、確か生活保護断られて2週間ほど飲まず食わずで・・・・あぁ餓死したのか俺・・・・。

フリージア「そうとも言うわね・・・ただ死にざまが即身仏のそれに近かったから輪廻の輪から外れたのね、死に際に読んでた小説? あれに関係する世界である私の管理する世界に引っ張られたのね、きっと」

 「といいますと?」

フリージア「私の妹のフレインが加護を与えた人間が非業の死を遂げたそれがあなたと同じ餓死でちょうど同じ時間軸だったから・・・・その子に引っ張られたのよきっと・・・」

 「はぁ、で・・・どうなるんでしょう私」

フリージア「もう解脱しちゃってるから元の世界の輪廻には戻せないわね・・・・まあこのまま私たちの仲間として修業に入るという方法もあるわ、でなければ宇宙の核になって自我を捨ててもらうか、・・・私の管理する世界には転生できるけどね・・・・」

うーん・・・神としての修行? はことば的にちょっとな・・・・・「そんなに難しい事はしないから、いろんな世界で神の候補として眷属をやるのね私みたいな神のもとで・・・・」 ・・・宇宙の核と言うのは何だろう・・・「それは下に在る黒い奴、あれの核としてビックバン爆発起こして生まれ変わるのね・・・・宇宙に、自我が在っては駄目だから捨ててもらう事になるわ」

 「なるほど・・・・では転生でお願いできますでしょうか?」

フリージア「・・・・まあいいけどタダというわけにはいかないわ、私が望む役割を果たしてくれないと」

 「えぇ・・・役割・・・? ですか?」

フリージア「難しい事じゃないわ、貴方を引っ張ってきた魂、もう消えかかってるのよ、妹の加護がなまじ在る所為で世界にもちょっと良くない影響が出るのよ、そうすると・・・・」

 「はぁ・・・」

フリージア「だからこの魂の残滓をあなたが受け継いでこの子の代わりに天寿を全うしてほしいわけ。」

 「それだけでいいのですか?」

フリージア「いいえ、この子はスキルマスターの称号を受け継いで生まれたんだけど人間には荷が勝ちすぎたのよね・・・・その職責もできれば全うしてほしいわ、でないと貴方が読んでた小説の最後みたいなことになるから・・・」

 「私が読んでた小説の最後?」・・・・死に際に読んでたのはゲーム:エターナルのスピンオフ作品で”黄昏の世界”とか副題が・・・・最後は世界が滅亡するんだっけ?

フリージア「そう滅亡しちゃうのよスキルマスターが居ないとね・・・・・」

フリージア「と言う事で、よろしくね?」そう言われた途端に急降下し始める「えぇ・・・いきなりですか?」足元に見えてた黒い大きなものに吸い込まれるように急降下して何も認識できなくなるのに落ちてる感覚だけはある・・・・

 そしてグンと何かに引っかかったような感覚と同時に目が回っている感じ・・・・ゆっくり目を開けるとやはり目が回っていた薄暗い石の牢獄で汚いベッドに横たわっている自分が居たのだった・・・・。

 

転生したようです、何処だよここ・・・・・。

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