皇帝陛下も皇后陛下も相変わらずだぁ
今日も皇帝陛下と皇后陛下にお呼ばれして皇宮にきた。
フェルナン様もみんなと一緒に遊ぶようになってから皇宮にフェルナン様目当てでお呼ばれすることがなくなったら、今度は皇帝陛下と皇后陛下にお呼ばれするようになった。
「やあ、天使様。元気だった?」
「アニエス。久しぶりね」
「皇帝陛下、皇后陛下。お久しぶりです、元気です」
「それはよかった」
「フェルナンのこと、いつもありがとうね」
皇后陛下は優しいお母さんの顔で笑う。
「いえ、こちらこそフェルナン様にはいつもお世話になっていて…いつもありがとうございます」
「ふふ、アニエスは相変わらず良い子ね」
「天使様は今やジャックの天使様なだけでなく、僕たちの天使様でもあるからね」
「いえいえそんな」
こんな感じで皇帝陛下も皇后陛下も私を猫可愛がりしてくれる。
その上フェルナン様との仲もいいので私はめちゃくちゃ皇室と密接な関係を築いていると言える。
「でも、アニエスもそろそろ婚約者を選ぶ頃だね」
「もしアニエスが望む人がいるなら勅令出してでも叶えるよ?」
「いえいえ勅令はさすがにやり過ぎです!」
「あら、欲しいものがあるのならやり過ぎだとしても手を伸ばさなくちゃ」
「そもそもまだ相手がいません!」
今世では初恋もまだなんだから!
「あらあら、そうなの。もったいないわね、アニエスはこんなに魅力的な子なのに。周りの男の子は何をしているのかしら」
「本当にね。アニエスみたいな完璧な女の子は、逆に高嶺の花になってしまうのかな」
「そうかもしれませんね、皇帝陛下。アニエスはナイスバデーの美人ですもの。その上性格も良く、根源の接続者であり、魔法の天才でもある。こんな子に釣り合う男も少ないはずですわ」
「そうかそうか。みんなアニエスを望んでいても、自ら手を伸ばすのは烏滸がましいと感じているわけだ」
二人に誉め殺しにされて、真っ赤になって俯いてしまう。
そりゃあすごく良く成長できたとは思うけど、これは褒め過ぎである。
二人ともそれ以上盛り上がらないでー!
恥ずかしくなっちゃう!
「ともかく、僕たちはアニエスが望むならいつだって手を貸すからね」
「良いと思った人がいたら、いつでも言ってね?」
「はい!」
終わった、やっと誉め殺しタイムが終わった!
「では、皇帝陛下も皇后陛下もお忙しいでしょうから私はそろそろ失礼しますね」
「あら、もうこんなに時間が経っていたのね」
「アニエスといると時間が経つのが早いなぁ」
皇帝陛下と皇后陛下に見送られて帰る。
ああ、恥ずかしかった!
でも皇帝陛下と皇后陛下にこんなに可愛がってもらえるのは正直有り難い。
有り難いやら恥ずかしいやらで胸がいっぱいだ!




