お友達との仲も良いです!
この十年で、フェルナン様やロックくん、アルヴィアちゃんやフレデリークくんと五人で遊ぶことも増えた。
遊ぶと言うか、仲良くお茶会をする。
「それでね、アルヴィアったらアニエスちゃんに喜んで欲しいってすごく張り切って今日のお土産の焼き菓子を作っていたんだよ」
「もう!フレデリーク、言わないでよぉ!」
「それを言うなら僕も、アニエス様に喜んで欲しくて沢山のオススメ小説を選んできましたから」
「オレも婚約者に喜んで欲しくてプレゼント選びには力を入れるから、似たようなものだろう」
「アルヴィアちゃんの気持ち、すごく嬉しいよ。ありがとう」
ちなみに、アルヴィアちゃんとフレデリークくんは来年…成人を迎えたら、身体の性別で扱われるようになるらしい。
いきなり扱いが変わるなんて怖くないか聞いたこともあったが、二人とも最初からそのように教えられてきたので戸惑うことはあるだろうけど怖くはないとのこと。
婚約者選びもその後らしい。
「でも婚約者とイチャイチャできるのいいですね!私もいつかはそんな人と出会いたいです」
「そうか。もう候補は二人くらいいると思うが」
「え?候補ですか?」
きょとんとする私にフェルナン様は笑う。
「まあ、自覚がないならまだまだ遠いか」
「うーん?」
「ま、まだまだ早いお話みたいだし、別のお話をしようか!」
「そうですね、僕もそう思います!」
「おやおや」
くすくすと笑うフェルナン様とフレデリークくん。
ロックくんとアルヴィアちゃんはアワアワと慌てていて、可愛いけれど何を慌てているのかよくわからない。
「まあ、まだアニエスちゃんは気にしなくていいよ」
「どうせそのうち嫌でも自覚するだろう」
「そうですか?」
まあ、二人が言うならそうなんだろう。
私は理解するのを諦めて、目の前のお茶菓子を楽しむことにした。




