成長しました!
時が過ぎて、私も十七歳になりました!
女神様のご加護とアリス先生のご指導の賜物で、私の魔法の腕は貴族の中でもなかなか、上位のレベルに食い込めるほどになった。
魔力というのは慣れた人なら他人の物も知覚できるから、私の魔力を見てこっそりと陰口を言ってバカにする人もいる。
けれどそんな人こそ調子に乗って私と魔法で対決すると、「生意気を言ってすみませんでした」と土下座するほど完膚なきまでに叩きのめされたりする。
「やっぱりアリス先生に指導してもらってよかったぁ」
魔力でバカにされることはあっても、魔法でバカにされることはない。
アリス先生が魔力のコントロールを完璧にして、たくさんの魔法を教えてくれたおかげだ。
それに女神様のご加護もあるから、半分の魔力のコストで魔法を使えるのもある。
コストの低い魔法だけでなく、コストの中くらいの魔法も安心して使えるようになったので、アリス先生は中くらいのコストの魔法もたくさん教えてくれて使える魔法の幅もさらに広がった。
今では『魔力コントロールの天才』と評判なくらいである。
「魔法だけじゃなく、見た目も大きく成長したよね」
背も伸びた。すらっと高身長で、ぼんきゅっぼんの素晴らしいスタイルを手に入れた。多分女神様のご加護の効果だと思う。
そして、美人に育った。パパとアリス先生そっくりなんだから当たり前といえば当たり前だが。
顔だけ見るとキツい顔立ちに見えるかもしれないけど、毎日幸せでニコニコ笑っていることが多いから雰囲気は親しみやすいタイプ…な筈!
「そのおかげで周りの貴族の子達にも段々と人気になってきたけど、あんまり興味が湧かないんだよね…」
面食いは成長しても治ってくれなかった。
私はイケメンや美女でなければ、当たり障りのない関係は築けるけれど特別仲良くはなれない。
「結局本当に仲良しって言えるのは、パパとアリス先生とロックくんとフレデリークくんとアルヴィアちゃんとフェルナン様…あと皇帝陛下と皇后陛下くらい?」
そう考えると、貴族の人脈としては少ないよね。
まあ当たり障りのない関係は築けてるからいいのかな。いいか。
ともかく、我ながらなかなかに素晴らしい成長を遂げたと思う。面食いなのが治っていない以外は。
「うん、昔では考えられない成長だよね!」
愛情に恵まれない幼少期を過ごしたとは思えないほど、愛情に包まれている今。
幸せを噛み締めつつ、今日も元気に過ごします!




