夫婦仲が良くなってよかったなぁ
しばらくして、またフェルナン様とお茶をする約束をした。
そしてフェルナン様のところに行く日になり、フェルナン様と遊ぶ前に皇帝陛下に挨拶に行った。
すると謁見室で、皇帝陛下の隣に皇后陛下も座っていた。
少し照れた様子の皇后陛下と満面の笑みの皇帝陛下に、上手くいったらしいと安心する。
「やあ、ジャックに天使様。大賢人さまも御機嫌よう」
「その、御機嫌よう。皆、元気にしていましたか?」
「はい、元気です!!!」
皇后陛下の照れ顔が可愛くてとても元気です!
とは流石に言えないので、これ以上はお口チャック。
「そ、そうですか。よかった」
「天使様、君のアドバイスのお陰でリリムと仲良くなれたよ。見ての通りラブラブになれたんだ。どうもありがとう」
清々しい笑顔でそう言う皇帝陛下に、さらに顔を赤くする皇后陛下。
そんな皇后陛下の頬を優しく撫でる皇帝陛下。
甘い、甘すぎる。
「そうそう。それとフェルナンともうまくいくようになってね。フェルナンも僕に素直になってくれたんだ」
「フェルナンを甘やかしてあげられるようになって、その分フェルナンはますます勉学や鍛錬に励むようになり…全てが好転しています。全部アニエスのお陰です。どうもありがとう」
そう言って微笑む皇后陛下はとても美しくて。
だから私は言った。
「全ては皇帝陛下と皇后陛下の努力の成果です。アドバイスを聞いてくださったのも、それを実行に移したのも皇帝陛下と皇后陛下なのですから、私はなにもしていません」
「天使様は謙虚だね」
「アニエス。今では貴女は私にとっても大恩人。どうか胸を張って」
ええ、そんなに?とは思ったが、本人たちがそこまで言ってくれるならありがたくお言葉を頂戴しよう。
「…はい、わかりました。お役に立てて光栄です」
「ふふ、これからも仲良くしてね」
「よろしくね、アニエス」
ということで皇帝陛下と皇后陛下とフェルナン様の家族仲は改善したらしい。
ついでに私たち一家と皇室の関係も改善したと言えると思う。
皇帝陛下とパパの関係もお互い執着がなくなるとは思えないけれど、皇帝陛下には今は愛すべき家族がいてパパには私とアリス先生がいるから…もしかしたら多少健全な関係に近付くかも。
色々なことが好転したことに満足して、フェルナン様のところに向かった。




