不思議な女の子
「第一皇子殿下、これ美味しいです!」
「気に入ったなら良かった。その、さっきは失礼な態度を取って悪かったな。大賢人様と侯爵にも、申し訳ないと思っています」
「いえいえ、全然気にしてません!ね、パパ?アリス先生もいいよね?」
「まあ、子供なんだから仕方ないよ。アニエスが許したんなら別にいいよ」
「俺も第一皇子殿下に先ほど失礼を働きましたので。おあいこですね」
狂犬と呼ばれる侯爵が妙に優しい。聞いていた話と違う。娘に対して甘いとは聞いていたが、これは多分レアだ。アニエスもちょっと驚いた顔で侯爵を見上げているし。大賢人様は余裕の表情だけど。
まあ…侯爵からしてみたらオレは親戚の子供という立ち位置でもあるし、なにか思うところでもあるのか。
「それにしても、君は不思議だよね」
「え?」
「オレは最初君を拒絶していたのに、めちゃくちゃグイグイきたじゃん。普通一旦引くなりなんなりしない?」
「だって、お顔が良いからつい…」
自分だって顔立ちがいいのに、何を言ってるんだろう。
この子本当に面白いな。
「ねえ、オレの事そんなに気に入ったの?」
「すごく!!!」
「じゃあオレも君のことお気に入りにしていい?」
「ぜひ!!!」
満面の笑みで即答するこの子に、悔しいけれど可愛いなぁと思ってしまった。




