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【連載版】侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました  作者: 下菊みこと


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先生とパパに褒められた

「アニエス、今日の特訓の成果はどうだった?」


「また新しく一つ、魔法を完璧に使えるようになったよ!」


にっこりと笑って得意げにそう言えば、パパは私の頭を撫でた。


「さすがは俺の娘だ。覚えが早い」


「最初の頃は正直言ってどうなるかわからなかったけど、特訓を繰り返しているうちに段々と魔法の習得のスピードが速くなってね。魔法のセンスは普通だと思っていたけど、どうやら才能が眠っていただけみたい。この調子なら、魔力の量は少なくとも魔法の腕は最高になるよ」


アリス先生が少し興奮した様子でパパに言う。


「僕の愛弟子は天才だ!」


「最初の頃はどうなるかわからなかったが、アニエスが努力の天才で助かったな」


「えへへ。努力の天才なんて、最高の褒め言葉だよ」


パパとアリス先生にめちゃくちゃベタ褒めされて、によによしてしまう。


パパもアリス先生も大好き。


「アニエス、ところで一つ相談がある」


パパが緩んでいた頬を引き締めて私を見る。


ありゃ、なにかあったのかなと姿勢を正して聞いた。


「皇帝陛下が、またお前に会いたいらしい」


「へえ、いい度胸してるね」


アリス先生の空気がピリッとしたので、宥める。


「皇帝陛下にはもう謝ってもらったし、本当にもういいんだよ」


「アニエスは優しすぎる」


ピリピリしたアリス先生に、パパは言った。


「どうやら今回は、皇帝陛下のためだけの話じゃないらしい」


「…というと?」


「第一皇子殿下の相手を、アニエスに頼みたいらしい」


それを聞いてアリス先生の雰囲気が和らいだ。


「ああ、あの方の…うん、まあ悪くないんじゃない?多分アニエスも気にいると思うし」


「美少年なの?」


「ふはっ…んん、美少年だよ。ただちょっと素直じゃないから、アニエスと交流して少しでも矯正して欲しいんじゃないかな」


なるほど。


イケメンならオールオッケー!!!


「第一皇子殿下のお相手、いくらでもするよ!」


「うん、アニエスは自分に正直だね」


「そこがこの子の良いところだ」


パパもアリス先生も最早私の面食いには慣れたらしい。


ともかく、第一皇子殿下と出会えるのが楽しみになった。


周りが好みの美形や美女で固められて、最近は特に心がほくほくである。

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