魔法をだんだん覚えてきた!
魔法の特訓をし始めてからもう一年が経ってしまった。
アリス先生のおかげで魔力のコントロールは息を吐くように簡単に、緻密に行えるようになった。
また低コストの魔法もたくさん覚えて、それを自在に操れるようになった。
同年代の子たちより何歩も先に進むことができている。
「すごいじゃないか、アニエス。僕が思っていたより魔法の習得が早いよ」
「本当?」
「本当だよ、アニエスはすごいね。でも覚えてほしい魔法はまだまだたくさんあるから、これからも頑張ろうね」
「はい!」
出来なかったことが出来るようになるのは楽しい。
知らなかったことを知るのは楽しい。
夢中になって楽しく練習していたら、やがてたくさんの魔法をコントロールまで完璧に身につけていた。
これは全部、楽しんで練習できるよう考えてくれるアリス先生のおかげ。
「アリス先生、こんなにたくさん教えてくれてありがとう」
「僕はアニエスのお師匠様で始祖様なんだから当然さ」
ウィンクを飛ばすアリス先生。
ああ、やっぱり整ったお顔がとっても素敵。
「アリス先生、ほっぺにちゅーしていい?」
「もちろん」
アリス先生が屈んでくれる。
その頬にキスをした。
「ふふ、可愛い可愛い子孫からこんなに愛してもらえるなんて始祖様冥利に尽きるなぁ」
「アリス先生ったら」
くすくす笑ってしまう。
アリス先生はパパに負けず劣らず私を溺愛してくれるから、そのお顔も相まって大好きだ。
「さて、アニエス。そろそろパパのところに行こうか。今日もよく魔法の習得を頑張って、また一つ魔法を完璧に使えるようになったからね。パパに報告してあげないと」
「そうだね!そろそろお茶の時間だし」
「今日のおやつはなんだろう。ワクワクするね」
「うん、楽しみ!」
アリス先生と手を繋いで、パパのお部屋に向かう。
パパもちょうど執務が終わったところだったらしく、二人に挟まれて手を繋いで中庭に向かった。




