お友達と遊ぶ
皇帝陛下と謁見して数日後の今日、ロックくんとフレデリークくん、アルヴィアちゃんと三人で会うことになった。
「やあ、アニエスちゃん。こんにちは」
「こんにちは、アニエスちゃん!」
「フレデリークくん、アルヴィアちゃん、会いたかったよー!」
「えへへ、今日もお菓子を作ってきたよ」
「ありがとう!あとで美味しくいただきます!」
フレデリークくんとアルヴィアちゃんとイチャイチャしていたら、ロックくんも到着した。
「アニエス様、ご機嫌よう」
「うん、ご機嫌よう!ロックくん、会いたかったよー!」
「僕もです。…アルヴィア様、フレデリーク様もお久しぶりです」
「あ、うん。久しぶり」
「お久しぶりだね。よろしく」
どうやら三人は顔見知りらしい。
「じゃあ、今日は中庭で遊ぼう!」
「はい、アニエス様」
「じゃあ行こうか」
フレデリークくんとロックくんに手を差し伸べられるので、手を繋いで中庭に向かう。
するとアルヴィアちゃんが「むむむ…」と言った後後ろから私に抱きついてきた。
「アルヴィアちゃん?」
「仲間外れみたいで寂しいから、このまま移動して!」
「えー?」
えー?なんて言いつつ可愛いアルヴィアちゃんに心を撃ち抜かれる。
全然良いよ!
「弟がごめんね」
「可愛いから全然良いよ」
「…アルヴィア様、さすがに女性にそれはどうかと思いますが」
気付いたら何故かロックくんがピリピリしてる。
なんで?
「むう。じゃあロックくんこそアニエスちゃんの手を離して」
「嫌ですが」
「じゃあおれもやだ」
よくわからない喧嘩に首をかしげると、フレデリークくんは言った。
「二人とも、アニエスちゃんが大好きだからってヤキモチは良くないな。アニエスちゃんを困らせてはいけないよ」
なるほど。
二人ともお友達を取られそうで妬いてたのか。
さすがに恋愛感情ではないだろうけど、それでも私ってモテモテでは?
「むう…ごめんね、アニエスちゃん」
「すみません、アニエス様。困らせるつもりはなかったのですが」
「全然良いよ!二人とも可愛い!」
ご機嫌なままそう言うと、二人ともほっとしたような落胆したような微妙な表情。
「…可愛いかぁ」
「いつか、かっこいいと言っていただけるよう頑張ります…」
そんな二人を見てクスクスと笑うアルヴィアちゃんはすごく楽しそう。
私はそんな三人に挟まれてはてなを頭に浮かべつつ、中庭で三人と遊んだ。
三人が帰る時にはすっかりみんな打ち解けて、また四人で遊ぼうと約束して見送った。




