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娘ラブになぁれ!!!

「お父様ー!今日も素敵!かっこいい!イケメン!」


「そうか、お前はじゃじゃ馬だな」


「えへへ、お父様だーい好き!!!」


抱きついてキスをする。


お父様はそれをスンッ…とした顔で受け入れる。


ああ、好みど直球な顔がこんなに近くに!


ほっぺちゅー、なんて一石二鳥なの!


お父様へのらぶらぶ攻撃とお父様成分の摂取が同時にできる!最高!!!


















そうしてお父様に私への愛情を植えつけたり、無邪気なフリをしてちょびっと仕返ししたりしつつ日々を過ごした。


娘ラブになぁれ、と色々画策してきた結果お父様はかなり態度が軟化している。仲良くなれたと手応えを感じるほどに。


そして気付いたことがある。


「お父様は、人間嫌いだ…」


夜中に部屋で一人、ベッドに横になりながら呟く。


お父様は、限られた使用人しか屋敷に雇っていない。信頼できる人だけ。


特に女性が嫌い。理由は聞いても誰も教えてくれない。お父様には、なんとなく地雷な気がして直接聞けない。


きっとそれで結婚しないと決めて、跡取りに私を引き取ったのだ。


私はこの侯爵家の跡取りとして引き取られたのと、女の子とはいえまだ子供だから受け入れられたのだ。


「とはいえ、今ではもう私のことは娘ラブ!…まではいかなくても、家族扱いしてくれてるけどね」


態度が不遜だし素で冷たいので分かりにくいが、私に対しては最大限譲歩した接し方になった。


お父様なりの家族扱いだと察することができる程度には。


素で冷たいが、それでも根は優しい人なのだ。


「そもそも、私の出自を知ってて跡取りに迎えてくれる時点で聖人レベルなんだけどね」


血縁関係が魔法で証明されているとはいえ、破格の待遇だ。


だからこそ、私を気に入らない人たちもいるのだけど。


例えば、お父様の妻になりたいご令嬢方とかね。


「お父様の知らないところで、色々言われたしされたなぁ」


お父様は興味がないので知らないだろうけど。


暴言ならいいけど、暴力はやめて欲しかった。


とはいえ、使用人たちがすぐに適切に対応してくれたけど。


仮にも家格の下の者が、私に手を出すなんてバカだ。


なんだかんだで、そんな女性たちはみんなこっそりと自滅していった。


「最近はお父様が私を構ってくれているから、特にトラブルはないけど」


みんな、さすがにそこまではバカじゃないらしい。


パパが私を構っているのを見て、それでも下手な手出しをしてくるバカはいない。


「このまま平和が続けばいいな」


なーんかまたひと騒動ある気がするのは、気の所為だと思いたい。


…でも、こういう勘って当たるんだよなぁ。

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