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【連載版】侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました  作者: 下菊みこと


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パパたちのお話を聞いてみる

パパのいる応接間の前に着いた。


あの女の人の暴言を即座に報告しに乱入してもいいんだけど、ちょっとお話を盗み聞き。


「いやぁ、なんとかお話がまとまりましてほっと致しました」


「こちらこそ」


なんだ、もう本題は終わったらしい。


じゃあ入ろうかと思ったが、話題は逆に気になる方向に流れた。


「ところで、以前お会いした時にお気になさっていたことですが」


「…皇帝陛下に、娘のことを悪く吹き込んだ相手か?」


「はい。実は…エグマリヌ辺境伯でして」


ん?それってパパをパパと呼び始めた時の…あの女の人の実家?


「…ああ、だから」


「ええ。自分からちょっかいを出しておいて、貴方からの報復についてアニエス嬢のことを親子揃って逆恨みしたらしく」


え、パパ報復したんだ。


いつの間に。


「アニエスにちょっかいを出した相手は過去に遡って調べ上げ全員報復したからな。俺自身他にも恨みを買っているし、誰が相手かわからなかった」


全員に報復って、たしかみんな何かしら自滅してたはずだけどその後さらに追い込んだのか。


「皇帝陛下も、貴方に言うのは恥ずかしいとかであの後だんまりでしたからな」


「…あの時のことは、許してない」


「ええ。わかっておりますよ」


まあ、うん。


あれは酷かったからな。


このおじさんもあの場に居たはずなわけで。


パパが言ってるのは、他の人も皇帝陛下も含めてだけど。


「ですが、あの件でエグマリヌ辺境伯家は皇帝陛下の怒りを買いさらに立場が危うくなりましたな。首チョンパこそ免れましたが、優秀な息子殿の文官としての将来は無くなりました。皇室直属の騎士団に所属していた方の息子殿も左遷されたとか」


「ああ…まあ、腐っても辺境伯だ。国の守りのためにも完全に潰されることや優遇措置全てが無くなることはないだろうが」


「ま、お灸を据えられる程度でしょうな」


「とはいえ生意気な娘に似て野心家のおっさんだからな…相当老け込んだことだろうな」


「違いない」


どこの世界でも大人は怖いなぁ。


というかおじさんも、娘さんがやらかしましたよ。


知ったらどんな顔をするだろう。


…ちょっと、可哀想かもしれない。


とはいえ言わなくてもいずれパパにはバレる話だし。


「…アニエス?」


「あれ?アリス先生」


「なにしてるの?」


「盗み聞き」


「おや、悪い子だ」


にんまり笑ったアリス先生。その近くにはなぜかイモムシが魔法で浮かんでる。


「アリス先生、その子は?」


「中庭に迷い込んでたから、いるべき場所に帰そうかなって」


「アリス先生は優しいね」


私の言葉にアリス先生はにっこりと笑う。


イモムシにも命があるわけで、とりあえず殺さないでくれてよかった。


せっかく見逃してもらえるのだから、いつかはきっと綺麗な蝶になるだろう。


「そういえばあのお姉さんは?」


「ちくちく口撃してたら怒って帰っちゃった」


「ありゃあ」


怒りたいのはこっちだと言うのに。


まあでも帰ってくれたならいいや。


「じゃあアリス先生、一緒に応接間に入ろ?」


「もちろんいいよ。あの小娘にされたこと、言いづらいなら僕が言ってもいいけど?」


「あ、じゃあお願いしまーす。それなら私、パパにハグして気力回復したらお部屋出るからその後お話して欲しい。あのお姉さんのお話すると色々気力削がれそう」


「それがいいね。じゃあ入ろう」


「うん!」


アリス先生と手を繋いで、応接間のドアをノックした。

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